地裁で二度死刑判決を受けた被告人




 地裁で二度死刑判決を受けるケースには、以下がある。
  1. 連続する事件の途中で確定判決を挟んだ場合、併合罪(刑法45条)が適用されず、確定判決の前の事件とあとの事件で別々に起訴される。このようなケースで、それぞれ死刑判決を受けた場合。
  2. 先の事件で一審死刑判決だったものの、二審以降で減刑され無期懲役判決が確定し、服役、仮出所後、別の事件を起こして死刑判決を受けた場合。
  3. 先の事件で一審死刑判決が審理中(もしくは確定後)、別の事件で起訴されて死刑判決を受けた場合。
  4. 先の事件で一審死刑判決だったものの、二審以降で減刑され無期懲役判決が確定し、服役中、別の事件で起訴されて死刑判決を受けた場合。
  5. 一審死刑判決後、高裁、もしくは最高裁で差し戻し判決を受け地裁で再度審理され、再度一審死刑判決を受けた場合。

 ケース1のように同じ裁判で二度死刑判決を受けるのはまだダメージが少ないのだろうが(というとちょっと変か)、別々の裁判で死刑判決を受けるというのは相当にダメージが大きいのではないだろうか。もっとも2や4のケースなら、また二審以降で無期懲役判決に減刑されるだろうと夢見てしまうのだろうか。
 なお、ケース5の地裁が高裁の場合、すなわち二審で死刑判決を受け、最高裁で差し戻し、高裁で再度審理されやはり死刑判決を受けたケースでは、八海事件のA元被告のケースがある。ちなみに一審死刑→控訴棄却→最高裁差し戻し→二審無罪→最高裁差し戻し→二審死刑→最高裁無罪判決(確定)、である。それ以外にも、最高裁で差し戻され、高裁で再度死刑を受けたケースは、旧刑訴法では数件ある。
 では以下、判明分を記す。戦前のケースは除きます。その他の元被告人がいましたら、ご教授いただけると幸いです。