求刑死刑・判決無期懲役【2002年】






事件概要
罪 状
判 決
判決理由
備  考
M・A(41)/S・K(38)  自動車部品販売会社社長M被告、会社員S被告は、中古車販売業川村幸也被告及び同従業員野村哲也被告の指示により、他の2被告とともに2000年4月4日午前0時半頃、約束手形金240万円の支払いに応じなかった名古屋市の喫茶店経営(当時58)を待ち伏せて襲い、約2週間のケガを負わせた。だが逃げてしまったため、一緒にいた妻(当時64)と妻の妹(当時59)を乗用車ごと拉致。現金24000円などを奪った。さらにM、S両被告は瀬戸市の山林で二人をドラム缶に押し込み、ガソリンをかけて焼死させた。さらに遺体をチェーンソーなどで切断、山中に放棄した。 強盗殺人、死体損壊・遺棄、強盗致傷 2002年2月19日
名古屋地裁
三宅俊一郎裁判長
無期懲役
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 M、S両被告の弁護人は「川村、野村両被告に5000万円の生命保険金を掛けられ、『言う通りにしないと殺す』と脅されて殺害を強要された」として、刑事責任の軽減や情状酌量を求めていた。  川村幸也被告及び野村哲也被告は2006年6月9日、死刑が確定。2009年1月29日執行、川村被告44歳没、野村被告39歳没。
2003年6月19日
名古屋高裁
小出☆一裁判長(☆は金ヘンに享)
検察・被告側控訴棄却
 裁判長は「死刑求刑にも相当な理由はあるが、主犯二人と刑責は同一ではない」と述べた。
2004年2月3日
最高裁第三小法廷
藤田宙靖裁判長
被告側上告棄却、確定
 
C・K(54)  日立市のC被告は、前妻と離婚したのは隣人で仲人だった漁業Iさん夫妻のせいだと逆恨みし、一家を道連れに自殺しようと計画。2000年3月1日未明、Iさん方に侵入しガソリンをまいてライターで火を放ったうえ、物音で起きてきた家族にも次々とガソリンを浴びせた。Iさんの妻(当時71)は、やけどのため翌月に死亡、長女と長女の夫、長女の娘の3人が顔や手などに大やけどを負った。Iさんは漁に出ており留守だった。 殺人、現住建造物等放火他 2002年3月4日
水戸地裁
鈴木秀行裁判長
死刑
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 裁判長は「確定的殺意に基づく理不尽で残虐極まりない犯行」と指弾。「不合理な弁解や自己正当化に終始し、今後も被害者への慰謝に努めることは期待出来ない」と理由を述べた。弁護側は、C被告が心神耗弱状態だったとして情状酌量を求めたが、裁判長は「妄想は重症ではなく、完全な責任能力があった」と退けた。  
2003年12月9日
東京高裁
山田利夫裁判長
一審破棄・無期懲役
 裁判長は「冷酷かつ残忍な犯行だが、犯行当時は妄想性障害で心神耗弱の状態にあった」と述べた。争点だった事件当時の被告の精神状態について、判決は「被害者夫婦が信仰する宗教団体から、組織的嫌がらせを受けているという妄想に支配されていた」と指摘し、限定的な責任能力しか認めなかった。
2004年6月22日
最高裁第三小法廷
浜田邦夫裁判長
被告側上告棄却、確定

I・Y(49)  2000年7月27日、漁師I被告は、東京湾羽田沖で千葉県富津市の3人が乗り込んだ漁船にレジャーボートで襲撃し、船長(当時51)、乗組員(当時29)を刃物で刺して海に突き落とし死亡させ、乗組員(当時50)に重傷を負わせたうえ、逃走した。I被告は船長から500万円を借りて返済を迫られていたので、漁船の差し押さえを免れようとして犯行に及んだものだった。二人の遺体は、31日に発見された。 殺人、殺人未遂 2002年3月12日
東京地裁
秋吉淳一郎裁判長
死刑
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 裁判長は「借金の返済期日前に被害者を殺害し、漁船の差し押さえを免れようとした極めて短絡的で身勝手な犯行」と指摘。さらに「逃げ場のない場所を選び、鋭利な刃物で執ように攻撃を加えるなど、極めて残虐な犯行」「発覚を防ぐため、同乗していた2人の殺害を決意した。動機に酌むべき事情は全くない」と述べた。  
2003年11月11日
東京高裁
安広文夫裁判長
一審破棄・無期懲役
 裁判長は「借金のかたに漁船を取られることを恐れての計画的な犯行で責任は極めて重大だが、1人目を殺害した後は積極的な殺意は失っており、最後まで執拗な犯行だったとは言えない」と指摘。その上で、「死亡した被害者が2人の同種事件と比較しても極刑にためらいを感じざるを得ず、終生贖罪させるのが相当だ」と結論づけた。
上告せず確定。
O・K(24)  2001年8月8日午後2時半頃、北海道広尾町に住む無職O被告は、金に困って自宅の2軒隣の重機運転手(47)方に盗みの目的で侵入。子供たちに見つかり、持っていたカッターナイフで長女(当時6)に軽傷を負わせた。ナイフが折れたので台所の包丁を持ち出し、二女(当時5)と長男(当時2)を刺殺した。 住居侵入、殺人、殺人未遂 2002年3月18日
釧路地裁帯広支部
榎戸道也裁判長
死刑
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 裁判長は争点となった下着の持ち出しについて、「逃走後、直ちに投棄したもので、下着類から生じる効用を利用、享受する意思は認められない」として、窃盗が成立しないと認定し、殺人罪と同未遂罪を適用した。公判廷で被告が「あまり思い出したくない」と供述したことを示し、「結果や責任の重大性を直視せず、反省の真摯さに疑問を抱かざるをえない」と指摘。自首については「自責の念からとはいえない」と断じた。そして「人間性の一片もうかがうことはできず、残虐非道の極みというほかない」と断じた。  検察側は、下着を盗んでいることから強盗殺人で起訴。遺族がO被告を相手取り2000万円の損害賠償を求めた民事訴訟は2003年8月21日、同支部で和解している。
2003年9月2日
札幌高裁
仲宗根一郎裁判長
一審破棄・無期懲役
 判決では、被告が事件後に自首していることについて「理由や経緯にかかわらず、十分考慮しなければならない」と指摘。さらに、(1)「自分も死刑になった方がいい」と自責の念にかられた言葉を述べたり、被害者のめい福を祈るなど真しな反省悔悟の念を抱いている(2)平素の行状に格別粗暴非道な点はなく、26歳で矯正の余地がある(3)計画性がない(4)民事訴訟で和解している――などと情状を挙げた。そのうえで「真しな反省悔悟の念が認められ、著しい犯罪性向はなく若年で矯正の余地が十分あり、極刑がやむを得ないとは言えない。被告には終生、被害者のめい福を祈らせ、しょく罪に当たらせるのが相当」と結論付けた。
上告せず確定。
O・T(45)  自称デザイナーO被告は、派手な生活を維持するため、証券会社の課長代理に顧客から金を集めさせ、これを奪うことを計画。1995年9月ごろ、架空の出資計画を作り上げ、課長代理に持ち掛けた。
 出資計画を信じた課長代理が顧客に説明し、出資金4億1900円を集めた。O被告は1996年1月に横浜市内でナンバープレートを盗んだほか、山梨県小淵沢町内の貸別荘を借り、遺体を埋める場所を下見するなど犯行を準備。1996年2月5日、O被告は「小淵沢でミーティングをする」とだまして課長代理を連れ出し、午後10時すぎに山梨県内の中央自動車道小淵沢インターチェンジ近くに止めた自分の車の中で、課長代理(当時33)の首をロープで絞めて殺害、現金を奪い、遺体を長野県富士見町の山林に埋めた。O被告は事情聴取中の1996年9月25日より、狂言誘拐事件を起こした。11月には自分で指を切って自宅に送るなどの工作も行っている。
強盗殺人、窃盗、有印私文書偽造他 2002年5月8日
東京地裁
岡田雄一裁判長
無期懲役
 被告側は強盗殺人、死体遺棄について無罪を主張した。
 裁判長は「完全犯罪を企て、周到な準備に基づき実行した計画的な犯行。労せずして一挙に多額の現金を得ようとした動機に酌量の余地はなく、非道の極み」と指摘したが「更生が全く期待できないわけではなく、極刑がやむを得ないと断じるには躊躇を感じる」と述べた。
 
2004年9月9日
東京高裁
河辺義正裁判長
検察・被告側控訴棄却
 裁判長は「事件の重大性や計画性、遺族感情に照らせば、死刑の選択もあり得るが、被害者が1人にとどまり、極刑がやむを得ないとまではいえない」と述べた。
2006年9月12日
最高裁第三小法廷
上田豊三裁判長
被告側上告棄却、確定
 判決理由は不明。
U・Y(44)  元山口組系暴力団組員U被告は、1999年3月28日夜、神戸市内でクレーン運転手(当時41)を短銃で射殺した。また3月28日から4月14日にかけて、(1)大阪市此花区内でクリーニング店主に拳銃を発射し重傷を負わせた。(2)時計宝石店で、経営者男性に向け拳銃を発射した。(3)理容店で、経営者男性に拳銃で重傷を負わせた。 殺人、詐欺 2002年5月8日
大坂地裁
米山正明裁判長
無期懲役
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 植村被告は「全く身に覚えがない」と否認した以外はほとんど黙秘を貫いた。
 判決で裁判長は連続銃撃事件について、共犯者の元組員が「U被告の犯行」とした証言が具体的で詳細▽犯行車両を被告が運転する姿が目撃されている−ことなどから「実行犯」とした。また、不明だった連続銃撃事件の動機については「組関係者への報復のため、組事務所のある地区で無差別犯行に及んだ」と指摘。神戸の事件も「被害者にけがを負わされたことへの復しゅうと推測できる」と述べた。そして「無差別に面識のない者を襲うなど残忍かつ冷酷で、反省も全くないが、改善の余地が皆無とは言えず、生涯をかけて償うべきだ」と述べた。
 共犯者の元組員は殺人未遂ほう助、犯人隠匿などで起訴。2000年6月20日、大阪地裁で懲役6年(求刑懲役10年)が確定している。
2003年7月15日
大阪高裁
白井万久裁判長
検察・被告側控訴棄却
 検察側は「地域住民を恐怖に陥れた犯行で極刑にすべきだ」として控訴。被告側は無罪を主張して控訴した。
 裁判長は「(被告の逃走を助けたとされる)別の元組員の証言は信用できる」と一審の判断を追認。検察側控訴については「死刑以外は許されない事案とまでは言えない」と述べた。
2006年3月20日
最高裁第二小法廷
裁判長名不明
被告側上告棄却、確定
 判決理由は不明。
Y・K(53)  暴力団元幹部Y被告とM被告は、2001年8月18日午後6時すぎ、東京都葛飾区の斎場で、別の暴力団幹部の通夜に出席していた暴力団会長(当時52)と別の暴力団総長(当時57)の2人の頭や背中を拳銃で撃ち殺害したほか、別の暴力団幹部にも重傷を負わせた。 殺人、銃刀法違反他 2002年5月10日
東京地裁
八木正一裁判長
無期懲役
 裁判長は「親分を守るため、その命を狙っているという者を殺害するという動機は法秩序に真っ向から反し、卑劣で危険な犯行」と指摘。しかし「事件は被告らの判断ではなく、組の幹部の指示で起こされた疑いが強い。矯正の可能性がないと断定することは困難で、極刑がやむを得ないとまでは言えない」と述べた。  M被告は求刑無期懲役に対し、懲役20年が二審で確定。Y被告は1977年9月8日、群馬県前橋市の繁華街で対立する暴力団組員を射殺。前橋地裁で懲役13年の判決を受け服役。89年5月に仮出獄していた。
2002年12月25日
東京高裁
中川武隆裁判長
検察・被告側控訴棄却
 一審は減軽理由として「危険を覚悟して実行したもので、利欲的動機とは言えない」と述べたが、控訴審は「必ずしも賛同できない」と退けた。
上告せず確定。  
N・T(45)  元建設会社社長N被告は自分の借金返済のため、東京都江戸川区に住む知人のマージャン店店長の女性(当時49)殺害を計画。1999年8月24日夜、店長宅を訪ね、頭部を鈍器で十数回殴打し、首をタオルで絞め、両手首の内側を切るなどして殺害した。その上で、店長が同被告に貸すために用意した現金200万円を奪い、持参したガソリンを室内にまいて放火、室内の一部を焼いた。 強盗殺人、現住建造物等放火 2002年8月30日
東京地裁
池田修裁判長
無期懲役
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 被告側は無罪を主張していたが、裁判長は被告が事件当日にガソリンを購入していたことや、血を洗い流したとみられる紙幣を所持していたことなどから、同被告の犯行と認定。その上で「残虐な犯行で、反省もしていない」と述べた。しかし「同種事案の量刑などを考慮すると、死刑には躊躇を覚える」と無期懲役にした。  被告側は捜査段階から無罪を主張。
2004年7月14日
東京高裁
原田国男裁判長
検察・被告側控訴棄却
 検察側は量刑不当を主張、被告側は無罪を主張した。
 裁判長は被告側の主張に対し、「間接事実を総合して被告の犯行と認めた一審判決は正当」と述べた。また検察側主張については「死刑はあくまで例外的なもの。強盗殺人の被害者は1人であり、無期懲役が相当だ」と退けた。
2005年3月8日
最高裁第一小法廷
島田仁郎裁判長
被告側上告棄却、確定
 判決理由は不明。
M・K(31)  無職M被告は2000年10月頃に通りすがりに見かけた東京都板橋区の女性会社員(当時26)の自宅に3回にわたって侵入。1回目は女性に叫ばれて逃走し、2回目は不在だったが、3回目の2000年12月16日、金を盗もうと侵入したが気付かれたため首をタオルで絞めて殺害。現金1500円が入った財布や携帯電話などを奪った。 強盗殺人、強盗強姦未遂他 2002年9月4日
東京地裁
木口信之裁判長
無期懲役
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 裁判長は判決理由で「自己の性欲や金銭欲を実現するため、命を奪うこともためらわない非情な犯行。悪質さは言葉に尽くしがたい」と指摘。しかし「殺害された被害者が1人で、被告なりに罪を自覚している」などと死刑の適用を回避した。  
2003年10月22日
東京高裁
白木勇裁判長
検察・被告側控訴棄却
 裁判長は「欲望の赴くまま何度も侵入し、命ごいした被害者を殺害した凶悪かつ重大事案」と指弾。「被害者が1人でも死刑を求める検察側の主張はもっともだが、真剣に反省するようになっており、無期懲役を是認できないとまではいえない」と述べた。
2005年4月12日
最高裁第三小法廷廷
金谷利広裁判長
被告側上告棄却、確定

M・M(62)  無職M被告は、2001年5月4日夕、かつて住んでいた三原町のマンションに入り、顔見知りだった3階のパート従業員の女性(当時35)宅に侵入。帰宅した女性をひもで縛り現金やキャッシュカードを奪った。また南被告は女性の部屋に居座り、5日午後6時ごろ、女性をベッドの枕に押しつけ窒息死させたうえ、6日午前、部屋に火をつけた。 強盗殺人、現住建造物放火、死体損壊、窃盗他 2002年10月22日
神戸地裁
杉森研二裁判長
無期懲役
 裁判長は「犯行は卑劣かつ計画的。被害者の苦痛や無念さは想像するに難しくなく、遺族らが極刑を望むのは当然のこと」と指摘した上で、「殺害を長時間ためらうなど、事前の犯行計画を冷徹に実行したとは必ずしも言えず、十分ではないが反省の態度を示している」などと死刑を選択しなかった理由を述べた。  
2003年7月17日
大阪高裁
裁判長名不明
検察・被告側控訴棄却
 判決理由は不明。
2003年12月18日
最高裁第二小法
北川弘治裁判長
被告側上告棄却、確定
 判決理由は不明。
E・Y(37)  農林水産省京都食糧事務所職員だったE被告は、パチンコなどのギャンブルで作った数百万円の借金を巡り妻(当時33)と不仲になったうえ、以前から交際していた女性と再婚するため、妻と長男(当時5)の殺害を計画。2001年12月2日午前7時半頃、和室で寝ていた妻の首を両手で絞めて殺害、居間でテレビを見ていた長男の首を背後から絞めて殺害した。その後、妻の首を台所の包丁で切り、包丁を手に握らせて無理心中を偽装した。 殺人 2002年12月18日
京都地裁
竹田隆裁判長
無期懲役
 江辺被告が犯行後、妻の首を包丁で切るなどして無理心中を偽装したことに対し、「偽装工作に長男の死を利用し、犯行後に交際女性と会うなど、情状も極めて悪い」と指摘した。長男殺害について「無限の可能性を秘めた息子の将来を一瞬で奪ってしまい、父親とは思えない非道な選択」と厳しく非難した。しかし、取り調べ段階で犯行を認め反省しているとして、「生涯をかけて2人に対する罪を償わせるのが相当」と判断した。
2003年8月28日
大阪高裁
那須彰裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は判決理由で「極めて自己中心的な犯行」としながらも「不倫やギャンブルなどで妻に責められ、精神的に追い詰められた状態にあった。長男の殺害を一度ためらうなど周到に計画された犯行とは言えず、更生の可能性も認められる」と述べた。
上告せず確定。


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