求刑死刑・判決無期懲役【2003年】






事件概要
罪 状
判 決
判決理由
備  考
K・A(54)  会社役員K被告は2000年8月12日、借金の返済などで金に困っていたことから、妻(一審懲役20年判決)と共謀して保険金殺人を計画。社員の男性(当時35)に8社分1億4500万円の生命保険をかけ、廃品回収業の男(家宅捜査中に逃走しようとして転落死)に依頼し、男性を殺害させた。また別の知人の男二人と共謀し、西区の無職女性を立ち退かせようとして2000年2月16日、ガソリンをまいて女性宅に放火し、約230平方メートルを全焼させた。 暴力行為等処罰に関する法律違反、脅迫、殺人、詐欺未遂、現住建造物等放火 2003年1月29日
広島地裁
小西秀宣裁判長
無期懲役
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 裁判長は「犯行は計画的で悪質だが、被害者が1人というのは(過去の)刑の均衡性からみて、ただちに死刑にはならない」と述べた。  控訴審初公判で、被告は臓器提供の意思を示した手紙とドナーカードを証拠申請、採用された。
2004年5月27日
広島高裁
久保真人裁判長
検察・被告側控訴棄却
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 裁判長は「暴力団からの借金返済のためなどに計画した保険金殺人。動機は極めて身勝手で酌量の余地はない」と指摘。「殺人の被害者は1人で、極刑にすべきとまでは断定しがたい」として死刑を選択しなかった。
上告せず確定。  
Y・R(44)  愛人関係にあった佐賀県鹿島市の古美術商外尾計夫被告と元生命保険会社営業職員Y被告は、1992年9月11日未明、佐賀県太良町の海岸で睡眠導入剤などで眠らせたY被告の夫(当時38)を水死させ、保険金約1億円をだまし取った。
 1998年10月27日、長崎県小長井町の海岸で、Y被告の次男の高校生(当時16)に睡眠導入剤入りのカプセルを飲ませ、海に放り投げて殺害、保険金3500万円を騙し取ろうとした。
 他にも鹿島市内の女性宅に押し入り、現金約13万7千円などを強奪していた。
暴力行為等処罰に関する法律違反、脅迫、殺人、詐欺未遂、現住建造物等放火 2003年1月31日
長崎地裁
山本恵三裁判長
死刑
 裁判長は夫殺害について「発案・主導したY被告の方が責任が重い」▽次男殺害については「両名が一体となって実行したもので、刑に軽重の差はつけられない」との判断を示した。また、Y被告側が「残された被告の2人の子供も極刑を望んでいない」と情状酌量を求めていたことについては「Y被告が死刑になれば(2人の子供は)実父と兄弟を殺害されたうえ、実母までなくすことになるが、(酌量の)評価には一定の限界がある」と述べた。しかし、裁判長はY被告の長男や長女らによる母親の助命嘆願などを配慮。判決宣告後、死刑をやむなく選択したとして、控訴するよう呼びかけていた。  外尾計夫被告は2008年1月31日、被告側上告棄却、死刑判決が確定。
2004年5月21日
福岡高裁
虎井寧夫裁判長
一審破棄・無期懲役
 裁判長は、夫殺害事件では夫が家庭を顧みなかった点などを指摘し「犯行に至った経緯には一片の同情があってもよい」とした。一審は「Y被告主導」としていたが、裁判長は「両被告の果たした役割に大きな違いはない」と述べた。さらに次男殺害についても、外尾被告から繰り返し誘われたことや、外尾被告が次男を殺そうとするのを度々妨害した点を挙げ「人間性と更生可能性を考える上で、十分斟酌するに値する」と判断。Y被告の2人の子供が極刑回避を求める嘆願を出していることも考慮に入れ、「責任は重大だが、それぞれに酌むべき点があり、原判決の量刑は重過ぎる」と結論付けた。
2005年10月25日
最高裁第一小法廷
島田仁郎裁判長
被告側上告棄却、確定

A・K(32)  パチンコの出玉を不正操作する「ゴト師」グループのメンバーA被告、S被告はリーダーの男性(当時36)と、ナンバー2の男性(同30)に黙って他の2名と手を組み、パチスロ機を不正に操る装置「裏ロム」を仕掛け、稼ぎを得ていた。この行動がリーダーに発覚し暴行を受けたため、恨みを晴らすのとグループを乗っ取る目的で殺害を計画。2001年2月7日未明、リーダーら2名の首を絞めて殺害し、計約120万円を奪い、2人の遺体を登別市内のトレーラー荷台に遺棄した。 強盗殺人、死体遺棄、窃盗他 2003年2月14日
札幌地裁
遠藤和正裁判長
無期懲役
 裁判長は「動機に酌量の余地はなく、犯行は残虐非道だが、被害者らが殺害される一因は、反社会的集団で活動したことにあり、典型的な強盗殺人と同列視できない」と指摘した。  S被告は求刑通り無期懲役判決が一審で確定。共犯2名は一審懲役15年判決(求刑無期懲役)が二審で確定。
2004年3月22日
札幌高裁
長島孝太郎裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は「リーダーに対する不満や憤りなどが募り、犯行に及んだ。金品目的が中心の典型的な強盗殺人事件と同列視できない」と指摘した。
上告せず確定。
Y・A(31)  交際していた庄子幸一被告とY被告は共謀して、2001年8月28日、神奈川県大和市の主婦(当時54)の家にて刺殺、現金約23万円とキャッシュカードなどを奪った。同年9月19日、同市の主婦(当時42)の家で主婦の手足や顔に粘着テープを巻き、浴槽内に顔を押しつけて窒息死させ、現金6万円と通帳などを奪った。被害者はどちらもY被告の顔見知りだった。 強盗殺人他 2003年4月30日
横浜地裁
田中亮一裁判長
無期懲役
 Y被告については「庄子被告の指示に従い行動した」と情状を酌んだ。  庄子幸一被告は2007年11月6日、最高裁で死刑が確定。2019年8月2日、執行、64歳没。
2004年9月7日
東京高裁
安広文夫裁判長
検察側控訴棄却
 検察側は量刑不当を訴えたが、「事件は庄子被告が発案、主導したもので、庄子被告に利用された面があることも否定できない。Y被告の更生が不可能とはいえない」と指摘して退けた。
2005年1月25日
被告側上告取り下げ、確定。

N・S(63)  養鶏場を経営しているN被告は、従業員だったF被告に頼み1989年4月5日午後9時20分ごろ、住込従業員方に放火させ、従業員の妻(当時48)を焼死させ、従業員にも4カ月のやけどを負わせた。N被告は従業員夫婦や住宅にかけた保険金計2773万円余を入手し、F被告に報酬として現金300万円を渡すなどした。 殺人、殺人未遂、現住建造物等放火 2003年5月12日
さいたま地裁
金山薫裁判長
無期懲役
 裁判長は「経営の失敗を従業員を殺害することで穴埋めしようとした首謀者」と検察側主張を全面的に認め、「反省の情はまったくみられない」と断罪した。  被告側は無罪を主張。分離公判だったF被告は一審死刑、二審無期懲役判決。上告中に病死。
2005年5月26日
東京高裁
田尾健二郎裁判長
検察・被告側控訴棄却
 裁判長はN被告の無実主張を退けた。一方、「被害者のために家を建て、養鶏場で雇用し続けるなど、矯正不可能とまでは言えない」として、量刑不当とした検察側の主張を退けた。
2005年11月29日
最高裁第二小法廷
古田佑紀裁判長
被告側上告棄却、確定

加納恵喜(53)  無職の武藤恵喜被告(旧姓)は金に困り、2002年3月14日午前3時頃、名古屋市内のスナックに押し入ったが、経営者(当時61)と口論になり、店にあったマイクのコードで首を絞めて殺害。現金約8000円を奪った。 強盗殺人、詐欺、窃盗 2003年5月15日
名古屋地裁
伊藤新一郎裁判長
無期懲役
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 裁判長は「刑事責任は極めて重大だが、計画性はなかった」と無期懲役を言い渡した。  旧姓武藤。武藤被告は1983年に長野県諏訪市で旅館経営者の女性(当時64)の首を電気こたつのコードで絞めて殺害し、現金などを奪ったとして殺人などで懲役15年の判決を受けていた。
 2013年2月21日執行、62歳没
2004年2月6日
名古屋高裁
小出☆一裁判長(☆は金ヘンに享)
一審破棄・死刑
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 裁判長は「偶発的犯行の面も否定できないが、そうした状況は悪事を働こうとしている者が自ら招いた。場合によっては抵抗する店の人を殺害する事態になることは予想できた」と指摘。さらに「今回と類似する犯行で満期近く服役した後も無銭飲食や窃盗をする生活を続けてきた。起きるべくして起きた事件」とし、判決理由で「弁護側が主張する『反省している。計画的でなかった』などいう情状はいずれも死刑を回避する理由とならない」と述べた。
2007年3月22日
最高裁第一小法廷
才口千晴裁判長
被告側上告棄却、確定
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 裁判長は「強固な殺意に基づく冷酷な犯行。死刑はやむを得ない」と述べた。
M・N(23)  M被告は祖父名義の口座から約1000万円を勝手に引き出したが、スナック通いや車購入に使い切ったので、さらに別の口座から金を引き出そうと印鑑を盗むことを計画。2001年6月18日夜、祖父宅に侵入し、祖母(当時81)の手首に手錠を掛け、両手で首を絞めるなどして殺害。さらに寝ていた祖父(当時83)の頭にコンクリートブロックを投げつけて殺害し、13万5千円を奪った。 住居侵入、強盗殺人 2003年6月4日
神戸地裁姫路支部
伊東武是裁判長
無期懲役
裁判長は「自ら出頭するなど、反省の態度を示している」と極刑を回避。  
2004年4月20日
大阪高裁
那須彰裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は「利欲的で自己中心的だが若さゆえの思慮不足もあった。矯正の可能性があり極刑がやむを得ないとまでは言えない」と判断した。
上告せず確定。  
A・Y(56)  東京江戸川区でホームレスだったA被告は、1999年9月8日未明に覚醒剤を使用。8日午前7時30分頃、江戸川区内の荒川河川敷で、水くみを命じて文句を言われたホームレス仲間のKさん(当時60)の胸などをナイフで刺し殺害、さらに自分を馬鹿にしていると疑って仲間のHさん(当時57)、Sさん(当時61)も続けて刺殺し、翌日早朝、三人の遺体を荒川に投げ捨てた。さらに8日午後10時頃、路上で男性(当時36)にナイフで切り付けた。 殺人、死体遺棄、殺人未遂、覚せい剤取締法違反 2003年6月10日
東京地裁
中谷雄二郎裁判長
死刑
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 被告側は公判で「覚醒剤の影響で幻聴に支配されており、心神喪失状態だった」と主張したが、裁判長は「捜査段階初期の動機の供述には高い信用性がある」、さらに精神鑑定の結果などから「善悪を認識し、行動を制御することが著しく困難な状況ではなかった」と責任能力を認めた。  
2006年6月27日
東京高裁
須田※(※=賢の又を忠)裁判長
一審破棄・無期懲役
 裁判長は判決理由で「法秩序を全く無視した理不尽極まりない犯行で、当時完全責任能力があれば死刑を選択せざるを得ない」と指摘。その上で、覚せい剤使用の影響で当時心神耗弱の状態だったと認定し、刑法に従い減軽した。
上告せず確定。
F・D(78)  養鶏場従業員だったF被告は経営者であるN被告(求刑死刑に対し、無期懲役が確定)に依頼され、1989年4月5日午後9時20分ごろ、住込従業員方に放火し、従業員の妻(当時48)を焼死させ、従業員にも4カ月のやけどを負わせた。N被告は従業員夫婦や住宅にかけた保険金計2773万円余を入手し、F被告に報酬として現金300万円を渡すなどした。 殺人、殺人未遂、現住建造物等放火 2003年7月1日
さいたま地裁
川上拓一裁判長
死刑
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 被害者である従業員の証言の信用性を認めた上で、裁判長は「人の生命に対する畏敬の念はみじんもうかがわれず、利欲と打算に基づいた冷酷非道な犯行の動機に酌量の余地は一片もない」と述べた。  被告側は無罪を主張。F被告は殺人罪で1969年に懲役20年の判決を受けて服役。1984年6月に仮出所し、事件当時は満期を迎えていはいなかった。78歳での一審死刑判決は、戦後最高齢と思われる。
2006年9月26日
東京高裁
池田修裁判長
一審破棄・無期懲役
 裁判長は「保険金目的で何の落ち度もない夫婦を殺傷した凶悪で冷酷な犯行」と非難。その上で、首謀者のN元被告の無期懲役刑確定を挙げ、「N受刑者は仮出所中の被告を雇った立場を利用し、恩を着せて殺害を依頼した。無期懲役とは歴然とした差異のある極刑は、共犯者間の刑の均衡を失する懸念をぬぐい難い」と述べた。
2007年5月28日
被告側上告中に病死。82歳没。

N・Y(50)  N被告は暴力団幹部らと共謀。2000年3月2日、野田市上花輪のスナックを経営する韓国人女性(当時42)の自宅に押し入り、手足を縛って「金や株券を出せ」と脅しながら暴行を加え、現金約350万円や貴金属、乗用車1台など計約660万円相当を奪った。野田市内のスナックでひもで女性の首を絞めて殺害。同日、暴力団幹部が当時住んでいた茨城県岩井市の住宅床下に遺体を捨てた。 強盗殺人、死体遺棄他 2003年7月11日
千葉地裁
下山保男裁判長
無期懲役
 裁判長は「自らの欲得のために及んだ残虐で酷悪な犯行。罪質、動機は極めて悪質だ」としたが「反省しており、人間性はいまだ残っていると評価できる」と述べた。  
2004年4月21日
東京高裁
原田国男裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は「死刑を求める検察の主張は理解できるが、被害者が1人の殺人事件で、死刑になるケースはほとんどない」と述べた。
上告せず確定。
K・T(22)  K被告は会社役員(当時28)から借金10万円の返済を求められた仲間の被告(一審懲役15年判決)から相談を受け、知人の被告(一審無期懲役判決)や少年4人らと共謀。2002年7月14日夜、名古屋市北区内の駐車場で会社役員とその知人を襲って包丁で刺すなどし、15日未明に会社役員を車で連れ出して犬山市内の雑木林でゴルフクラブでめった打ちにするなどの暴行を加え、生き埋めにして殺害した。その間、財布やアパートから現金約24万円を奪った。 殺人未遂、強盗殺人、傷害、窃盗 2003年8月19日
名古屋地裁
片山俊雄裁判長
無期懲役
 裁判長は「被害者が借金返済を求めるためK被告の仲間に脅迫を加えたことが(事件の)きっかけになったのは否定できない。K被告は遺族に謝罪の手紙を書くなど反省がみられる。刑事責任は重大だが、『極刑をもって臨むしかない』とまでは言えない」と結論付けた。
2004年3月15日
名古屋高裁
小出☆一裁判長(☆=金ヘンに享)
検察・被告側控訴棄却
 裁判長は「被害者が被告の仲間を脅迫したことが事件の発端になったのは否定しがたい。年齢が若く、服役を通して人間性に目覚める可能性を否定できない」と死刑を回避した理由を述べた。
2004年9月10日
最高裁第一小法廷
島田仁郎裁判長
被告側上告棄却、確定

坂本正人(37)  2002年7月19日午後、無職坂本被告は、終業式を終えて群馬県大胡町内の路上を帰宅途中だった女子高生(当時16)に道を尋ねるふりをして無理やり乗用車に乗せ連れ去り、約5キロ離れた同県宮城村の山林で首を手で絞めたあと、さらにカーステレオのコードで絞めて殺した。殺害後の同日夜から翌日昼ごろまでの間、数回にわたり、女子高生の携帯電話を使い、「金を用意しろ。娘がどうなってもいいのか」などと自宅に脅迫電話をかけ、同県内の路上で身代金として23万円を受け取った。犯行の動機については、児童相談所にいる別れた妻や子に会うため、職員に面会を強要する手段として女子高生を人質に取ろうとした、などと説明した。前妻らは坂本被告から家庭内暴力を受けたため、保護されていた。他に前橋市の民家で約10万円を奪った強盗罪などにも問われた。 殺人、わいせつ略取、人質による強要行為等の処罰に関する法律違反、強姦、窃盗、拐取者身代金取得、住居侵入、強盗、傷害 2003年10月9日
前橋地裁
久我泰博裁判長
無期懲役
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 裁判長は、「冷酷、残虐かつ凶悪な犯行」「行き当たりばったりの犯行で残虐極まりない」と指摘したが、以下の理由で無期懲役判決を下した。(1)殺人は偶発的であり、計画的な犯行でない。場当たり的である。(2)殺人は執拗であるが、極めて残虐であるとまで言うことはできない。(3)捜査段階の途中からはおおむね素直に事実関係を認めて捜査に協力している。(4)これまで前科前歴がない。(5)被告人に被害者に対する謝罪の念や、反省悔悟する気持ちなどが芽生えてきている。  2008年4月10日執行。41歳没。
2004年10月29日
東京高裁
白木勇裁判長
一審破棄・死刑
 裁判長は「生きたまま頭にビニール袋をかぶせて首を絞め、殺害した犯行は残虐というほかない」と述べ、一審の「同種の犯罪のなかでは極めて残虐とまではいえない」とした判断は誤りだったと指摘した。
上告せず確定。
S・K(42)  重機オペレータS被告と無職K被告(求刑通り無期懲役が確定)は暴力団員H被告(2008年7月28日逮捕)と共謀して、神戸市などで展開しているテレホンクラブチェーンの襲撃を計画。2000年3月2日午前5時5分頃、盗んだナンバープレートを付けた乗用車で神戸駅前店に乗りつけ、一升瓶で作った火炎瓶1本を店内に投げ込んで同店の一部を焼き、店員1人に軽傷を負わせた。10分後には東約1キロの元町店に2本を投げ込んでビル2、3階部分計約100平方メートルの同店を全焼させ、男性客4人を一酸化炭素中毒で殺し、店員ら3人に重軽傷を負わせた。 現住建造物等放火、殺人、殺人未遂、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反他 2003年11月27日
神戸地裁
笹野明義裁判長
無期懲役
 裁判長は、「何らかの組織的背景のもとに、制裁、ないし嫌がらせを加える目的で敢行され、酌むべきものはまったくない」と指摘したが、「多数の死傷者の発生を欲して行動したものではない」として「極刑がやむを得ないとは認めがたい」とした。  犯行を依頼したテレホンクラブ経営者N被告は無期懲役判決(求刑死刑)が2010年に確定。実行グループのリーダーで仲介役のS被告は無期懲役(求刑死刑)判決が2013年に確定。運転手H被告は一・二審懲役20年(求刑無期懲役)。手引き役のN被告は二審で懲役6年(求刑懲役15年)判決が最高裁で確定。
2005年7月4日
大阪高裁
近江清勝裁判長
検察・被告側控訴棄却
 検察側は「4人を殺害した事件の主犯格で、死刑以外に選択の余地はない」と主張。被告側は「死者が出たのは元町店の防災設備の不備のためで、脅迫か営業妨害程度しか考えておらず、殺意はなかった」などと主張した。
 裁判長は一審判決同様未必の故意があったと認定したうえで、「計画的で悪質な犯行だが、何者かに依頼され、報酬目的で店の営業を妨害するのが主な目的だった。殺害方法は執拗とはいえず、死刑選択の基準を満たさない」と指摘した。
2006年11月14日
最高裁第一小法廷
甲斐中辰夫裁判長
被告側上告棄却、確定



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