求刑死刑判決無期懲役【2004年】






事件概要
罪 状
判 決
判決理由
備  考
服部純也(31)  建設作業員服部純也被告は2002年1月22日午後11時5分ごろ、静岡県三島市の国道136号沿いで、アルバイト先から自転車で帰宅途中の女子短大生(当時19)を見かけ、誘いの声をかけたが、断られたため自分のワゴン車に押し込み強姦。同23日午前2時半ごろまでの間、三島市などを車で連れ回して逮捕・監禁したうえ、同市川原ケ谷の市道で、短大生に灯油をかけてライターで火をつけ、焼死させた。服部被告と短大生に面識はなかった。 殺人、逮捕監禁、強姦 2004年1月15日
静岡地裁沼津支部
高橋祥子裁判長
無期懲役
 裁判長は「犯行の発覚を恐れ、身元不明にするために焼殺という方法を選んだ異常残虐な犯行」と断罪した。しかし死刑の適用については(1)殺人など人を傷つける前科がない(2)周到な計画に基づく犯行でない(3)幼少期の劣悪な生活環境は量刑上考慮されるべきだ−−とし「死刑をもって処断することは、ちゅうちょせざるを得ない」と結論づけた。  服部被告は1995年に強盗致傷罪で懲役7年の実刑判決を受けている。
 2012年8月3日執行、40歳没。
2005年3月29日
東京高裁
田尾健二郎裁判長
一審破棄・死刑
 裁判長は「監禁後、殺害をちゅうちょしたのは、発覚すれば重い罪で処罰されることを恐れたためで、専ら自己保身に基づく」と断じ、生活環境については「服部被告と同じ環境で育った兄弟に犯歴はない」と指摘。「人気のない場所で被害者を粘着テープでしばり、灯油を浴びせるなど計画的な犯行に劣らぬ迅速な行動をとっている。被告の犯罪性向は、成育環境よりも、被告の生き方に由来するところが大きい」と述べて、一審判決の情状酌量を否定した。そして「強盗致傷などの罪で服役し、仮出獄後、1年もたたないうちに犯行に及んでいる」「被害者に何らの落ち度もなく、犯行の動機は誠に身勝手。殺害方法も残虐きわまりなく、冷酷、非情だ」と述べ、一審を破棄した。
2008年2月29日
最高裁第二小法廷
古田佑紀裁判長
被告側上告棄却、確定
 判決では遺族の処罰感情や、自己中心的で非情な犯行であることを指摘。そして強盗致傷罪の仮釈放約9ヶ月後に犯行に及んだ点を強調。「犯罪に向かう傾向は根深く、さらに深化、凶悪化している。反省を示しているが、意識のある人間に火をつけて殺すという残虐な殺害方法などからすれば死刑を是認せざるを得ない」と結論付けた。
T・H(25)  無職T被告はパチスロ等で消費者金融に約150万円の借金があった。2002年11月13日午後10時頃、京都府大宮町の農業を営む男性(当時81)宅に侵入。居間で男性を、寝室で男性の妻(当時80)を、タオルを巻いた金属バットで殴って殺害。レターケース内から現金約12万7000円を奪った。 住居侵入、強盗殺人、建造物侵入 2004年1月19日
京都地裁舞鶴支部
新井慶有裁判長
無期懲役
 裁判長は判決理由で「パチスロなどに金を使い込み、消費者金融業者に借金をし、老人が住む一軒家に侵入して現金をとろうと考え、夫婦を金属バットで強打し殺した残忍な犯行」と指摘。「バットはたまたま車に積まれていたもので、家人に見つかったと思い心理的に追いつめられ、殺意が生じた。計画性には疑問が残る」とした。公判で犯行を認め反省しているとして、「生涯をかけて罪を償わせるのが相当」と判断した。  
2004年11月5日
大阪高裁
島敏男裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は「姿を見られれば殺害もやむを得ないと考えていたが、当初確定的な殺意はなく相当ためらった。残忍で冷酷非道な犯行で極刑も考えられるが、綿密な計画性はなかった」と述べた。
上告せず確定。
H・H(31)  無職H被告は、1999年7月から静岡県沼津市の高校生とつきあい始めたが、2000年3月に別れ話を持ちかけられた。被告はあきらめきれずに連日電話をかけたり、待ち伏せしたりしてストーカー行為をした。2000年4月19日午前8時ごろ、JR沼津駅北口の駐輪場で高校生(当時17)を待ち伏せて復縁を迫ったが、拒否されたことに激怒し、顔や腹などを出刃包丁で胸や腹など約30カ所を刺して失血死させた。 殺人、銃刀法違反 2004年1月29日
静岡地裁沼津支部
高橋祥子裁判長
無期懲役
 裁判長は「精神的に依存していた相手に交際を拒否され、逆上したのは逆恨み。残酷な犯行には酌量の余地はない」と指摘した。公判で争点になっていた殺意の有無については「力を加減せず突き刺し、傷の状況などから確定的殺意があったことが認められる」と明確に認めた。しかし裁判長は「犯行は極めて残虐かつ凄惨だが、被告は反省しており、罪を償わせるのが相当」と述べた。被告が精神鑑定で境界性人格障害という精神疾患と診断されたことについて、裁判長は「矯正教育で治療の余地がある」と述べた。  H被告は1993年、恋愛感情を抱いていた女性を包丁で多数回刺した殺人未遂罪などで有罪判決を受けた。1998年にも恋愛感情を抱いていた女性に交際を迫って包丁を突きつけた暴力行為等処罰法違反の罪で有罪判決を受け、それぞれ服役した。ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)が成立するきっかけとなった事件の一つ。
2005年12月22日
東京高裁
田尾健二郎裁判長
検察側控訴棄却
 検察側は、H被告が過去に殺人未遂罪で実刑判決を受けるなど、恋愛感情を抱いた女性に対して危害を加える犯行を複数回起こしていることを指摘。「同様の犯行を繰り返す可能性が高い」と主張した。
 判決は、「被告人の人格障害は治癒が困難で、再犯の可能性はかなり高い」としながらも、「犯行が計画的とまでは言えず、一審判決の量刑が軽すぎて不当とまでは言えない」「困難ではあるが、被告に更生の余地がない訳ではない」と結論づけた。
上告せず確定。
手柴勝敏(60)  手柴被告は不動産ブローカー菅峰夫被告と組み、土地開発計画で得られる利益を独占しようと一緒に計画を進めていた佐賀県鳥栖市の不動産会社社長(当時59)殺害を計画。1996年6月に社長を庄内町の作業場で絞殺し遺体を埋めた。約5カ月後には知人の建設会社社長(当時54)も殺害、現金900万円と約束手形二通などを奪い、遺体を造成地に埋めた。 強盗殺人、死体遺棄他 2004年3月11日
福岡地裁
林秀文裁判長
無期懲役
 裁判長は2社長殺害などの共謀共同正犯を認定したが、主従関係や全容解明に寄与した手柴被告の自供内容などを重視。「手柴被告には素朴、人間的な心情がなお残っており、極刑にはためらいを覚える」と刑の軽減理由を述べた。  菅峰夫被告は一・二審死刑判決。同日、被告側上告棄却、確定。手柴死刑囚は2010年4月14日、病死。66歳没。
2006年5月24日
福岡高裁
虎井寧夫裁判長
一審破棄・死刑
 検察・被告両方が控訴。裁判長は、自白が事件解明に貢献したことを認めた上で「菅被告の計画に従い、共同で殺害を実行しており、量刑に差をつけるほどのものではない」と、対等な共犯関係と認定した。
2009年12月11日
最高裁第二小法廷
古田佑紀裁判長
被告側上告棄却、確定
 裁判長は菅被告を「事件を主導した首謀者」と認定。手柴被告については「菅被告に誘われて加担したが、果たした役割は大きく、相応の分け前を得た」として、死刑はやむを得ないと判断した。
H・J(50)  H被告は、携帯金融を含む業者30社から借りた約1300万円の返済に追われていた。2002年4月15日午後2時頃、義母である福岡市のアパート経営者(当時82)方を訪問。5年前に病死した義父の遺産について分与を依頼したが断られた。さらに同居している義姉(当時51)から借金問題でも非難されたため、義姉の殺害を決意。同日、鉄パイプなどを用意して義母方に侵入。義母と義姉の頭を殴って殺害、現金47万円などを奪った。奪った現金は返済に充てていた。 強盗殺人他 2004年3月17日
福岡地裁
林秀文裁判長
無期懲役
 裁判長は「尊い命を奪った犯行は残虐極まりないが、計画は周到なものではなく、親族でもある遺族の処罰感情は複雑で、極刑適用にはためらいを禁じ得ない。矯正教育による改善の可能性がないとはいえない」「これまでは通常の社会生活を送っており、経済状態が芳しくなくなったことが犯行に及んだ最大の原因」「生涯を通じて被害者二人のめい福を祈らせ、命の尊厳、罪の重さを自覚させ、永く贖罪生活を送らせることが相当」と述べた。  
2005年2月8日
福岡高裁
虎井寧夫裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は「2人もの命を奪った誠に凶悪な事件だが、更生の可能性があり軽すぎて不当とはいえない」と述べた。
上告せず確定。
H・A(25)/A・K(34)  出会い系サイトで知り合ったH被告とA被告は、2002年7月7日未明、H被告が知人女性(当時27)を呼び出し、A被告が和歌山市内でドライブ途中に女性の首をタオルで絞め殺害した。現金約35000円を奪い、遺体は和歌山県かつらぎ町の山中に運んで焼いた。H被告は、殺害した女性の弟とも出会い系サイトで知り合い、交際していた。
 さらにA被告が以前勤めていた同市内のカー用品店店長(48)から売上金を奪うため、殺害を2人で計画。同月13日夜、A被告がサバイバルナイフで刺し、重傷を負わせた。他に空き巣や車上狙いなど計5件の窃盗罪でも起訴されている。いずれもH被告の指示でA被告が実行した。
強盗殺人、強盗殺人未遂他 2004年3月22日
和歌山地裁
樋口裕晃裁判長
無期懲役
 裁判長は「異性との自由な交遊のため無関係な人間を殺害するなど、極度に身勝手で冷酷非情な犯行」と指摘した上で、「A被告は天涯孤独の身でH被告への依存を深め、金づるとして利用された。H被告も自分から警察に事件を打ち明け、いずれも反省している」と、死刑を回避した理由を述べた。  
2005年1月11日
大阪高裁
那須彰裁判長
検察・被告側控訴棄却
 裁判長は「動機は短絡的、残忍な犯行で、死刑選択も考慮に値するが、反省しており、極刑がやむを得ない場合にはあたらない」「遺族に反省の手紙を出すなど、矯正の可能性はある」とした。
2005年12月12日
最高裁第二小法廷
津野修裁判長
被告側上告棄却、確定
(H被告のみ上告)
I・K(63)  福島市の産廃収集運搬業者I被告は、産廃処理のため土地を借りていた福島県石川町の無職男性(当時74)と処分法をめぐってトラブルとなり、2000年6月6日午後9時50分頃、男性方にガソリンをまいて放火し、男性と妻(当時69)を焼死させた。 殺人、現住建造物等放火 2004年4月23日
福島地裁
大沢広裁判長
死刑
 I被告は逮捕段階から容疑を否認し、裁判でも一貫して無実を主張。有力な物証がない中、検察側は、I被告が男性の敷地を借りて行っていた違法な古タイヤ焼却を巡ってトラブルになっており、被告が事件当夜にやけどを負ったことや、被告と同居していた女性の「I被告が事件直後に『火をつけた』と話していた」との証言などの状況証拠を積み重ね、「I被告が犯人であることは明白」とした。弁護側は「被告には犯行の動機がなく、同居女性の証言も信用性に乏しい」などとして無罪を求めた。
 裁判長は「被告には殺害の動機がある。同居女性の証言も具体的で信用できる」と述べ、無罪主張を退けた。そして「犯行は冷酷残忍で凶悪極まりない。弁解を二転三転させるなど狡猾だ。極刑をもって臨むしかない」などと述べた。

2005年9月1日
仙台高裁
田中亮一裁判長
一審破棄・無期懲役
 判決は、I被告が住宅に火をつけて2人を焼死させたとの認定は支持した。しかし、「計画的犯行」とした一審判決については▽事件当日ガソリンを購入する際に人目を避ける行動をとっていない▽自身も重いやけどを負った−−ことなどから、計画性を否定。「ガソリンを持ち込んだのは被害者との交渉を有利に進めるためで、交渉中に激高して火をつけた」と偶発的犯行と判断したうえで、「死刑の選択はやむをえない場合に限る」として無期懲役に減刑した。
2006年7月18日
最高裁第二小法廷
古田佑紀裁判長
被告側上告棄却、確定
 被告側は無罪を求めて上告した。
T・M(44) (1)吉田純子被告、T被告は1997年、同僚看護師から500万円を搾取した。
(2)I・K被告は、吉田被告から夫(当時39)について「愛人がいる」「保険金目的で(I被告を)殺そうとしている」などと虚偽の事実を告げられて殺害を決意。吉田、T、I・K被告は1998年、I被告の夫に睡眠剤入りのビールを飲ませ、静脈に空気を注射して殺害。保険金約3500万円を詐取した。
(3)吉田、T、I・K、I・H被告は1999年、I・H被告の夫(当時44)に洋酒や睡眠薬を飲ませ、鼻からチューブで大量の洋酒を注入して殺害。保険金約3300万円を詐取した。
(4)吉田、T、I・H被告は2000年、預金通帳を奪う目的でT被告の母を襲撃した。
殺人、強盗殺人未遂、詐欺他 2004年8月2日
福岡地裁
谷敏行裁判長
無期懲役
 裁判長は元看護師の吉田純子被告が一連の事件を主導したと認定した上で、「犯行は吉田被告に引きずられた従属的な面がある。医療知識を悪用した点も、吉田被告に体よく利用された」として情状酌量し、無期懲役を言い渡した。  吉田純子被告は求刑通り死刑判決が2010年に確定。2016年3月25日、執行。56歳没。
I・K被告は死刑を求刑されるも判決前に病死、公訴棄却。I・H被告は一審懲役17年判決(求刑無期懲役)が二審で確定。
2006年5月18日
福岡高裁
浜崎裕裁判長
検察・被告側控訴棄却
 裁判では一審と同様に、犯行を主導したとされる吉田純子被告らとの主従関係が争点となり、T被告は「吉田被告に利用された」と従属的な立場を強調した。
 裁判長は「吉田被告の虚言を信じ込まされ、操られたという面はあるが、虚言は容易に作り話と分かる稚拙な内容だった。被告の果たした役割は大きい」とした上で、「吉田被告とは対等の関係ではなかった。現在では反省、後悔の念を深めている。死刑とするにはちゅうちょせざるを得ない」と述べた。
上告せず確定。
H・T(66)  秋田県神岡町の無職H被告は借金返済のために保険金殺人を計画。2002年10月13日午後5時38分ごろ、後部座席に妻(当時59)と義母(当時84)を乗せたまま、金浦町の金浦漁港西側岸壁の突端近くで止めていた乗用車を発進させて深さ約4メートルの海中に転落させた。H被告は海中に沈んだ乗用車から自力で脱出し、近くにいた観光客に救助された。約40分後に地元のダイバーに引き揚げられた妻と義母は、本荘市の病院に搬送されたが死亡した。水死だった。妻は人工透析を受けるなどの病弱、義母も高齢で、ともに泳げなかった。 殺人 2004年9月22日
秋田地裁
田村眞裁判長
死刑
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 H被告側は初公判で起訴事実を全面的に認めたが、第2回公判から殺意を否認。裁判長は日没後でも岸壁や海面が見えていたことや、車がマニュアル車で意識的な操作が必要なことなどから「車を意図的に転落させ、殺意の存在が認められる」と指摘。「反省の情を示しているとは認めがたい」「客観的状況から保険金目的の殺意が認定できる。冷酷極まりない動機に酌量の余地はない」と述べた。
2005年11月29日
仙台高裁秋田支部
畑中英明裁判長
一審破棄・無期懲役
 H被告は二審で殺意を認めたが、計画的ではなかったと量刑不当を訴えた。裁判長は「被告人の刑責任は十分極刑に値するものとも考えられるが、犯行がそれほど周到な計画に基づくものとまではいえず、積極的に死刑を選択すべきものと断ずるにはなおちゅうちょを感じる」などと述べた。
2009年1月14日
最高裁第二小法廷
古田佑紀裁判長
検察側上告棄却、確定
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 裁判長は「残酷、非情で結果は重大」と指摘する一方、被告に前科がなく反省の態度を示したことなどから、「(無期懲役が)著しく正義に反するとは認められない」と判断した。
C・A(24)  中国から留学生として来た京都の短大生C被告は、短大の学費の支払いに窮して人を殺してでも金を奪おうと企て、2003年1月15日未明、伏見区に住むアルバイトの女性(59)方に侵入。物色中に女性に見つかり、包丁で女性の頭や胸などを刺して殺害、現金約25,000円などを奪った。
 さらに同日午後、約2km離れた伏見区に住む女性(当時86)方に侵入し、女性の頭を陶器鉢や岩で殴って重傷を負わせ、現金約95000円を奪った。
強盗殺人、強盗殺人未遂、現住建造物等放火、住居侵入、銃刀法違反、窃盗、窃盗未遂、建造物侵入 2004年9月24日
京都地裁
東尾龍一裁判長
無期懲役
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 ▽殺害は1人▽高度の計画性はない−ことなどから「死刑の適用はやむを得ない場合のみであり、本件は該当するとまでは言い難い」とした。
2006年3月9日
大阪高裁
片岡博裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は「人間性のかけらもない残虐な犯行だが、反省し更生が不可能とは言えない」と述べた。
2008年11月4日
最高裁第一小法廷
甲斐中辰夫裁判長
検察側上告棄却、確定
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 検察側は「殺害の手段方法は執拗で残虐。刑の均衡からも極刑で臨むほかない」などと主張した。
 裁判長は「死刑を選択することも考慮される」とした上で、「反省悔悟の情を示し、若年で日本での前科前歴もない。無期懲役とした判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められない」と判断した。
S・H(60)  松戸市の会社員S被告は2002年12月8日午前6時半ごろ、かつて交際していた女性方を訪問。しかし女性が不在であったため、他の男性に会いに出掛けたと腹を立て、1階にあった石油ファンヒーターの灯油をまいてライターで放火。木造2階建て住宅約100平方メートルを全焼させ、2階で寝ていた女性の母(当時78)、女性の長女(当時24)、長女の長男(当時3)を焼死させた。 殺人、現住建造物等放火他 2004年9月27日
千葉地裁松戸支部
小池洋吉裁判長
無期懲役
 検察側は、S被告が以前から女性宅を訪れており「家族が2階で暮らしていることを認識していた」と指摘。「刑事責任は極刑以外あり得ない」と求めた。弁護側は「家族が室内にいるという認識はなかった」として、殺人については無罪を主張した。
 裁判長は「3人が2階にいることは想像できた」と未必の故意を認定したが「衝動的で計画性はなく、殺害が目的ではなかった」として、無期懲役を言い渡した。

2005年8月2日
東京高裁
安広文夫裁判長
検察側控訴棄却
 裁判長は「身勝手で酌量の余地はないが、犯行に計画性はなく、確定的殺意までは認められない」と指摘し、一審同様に死刑を回避した。
上告せず確定。


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