求刑死刑判決無期懲役【2012年】






事件概要
罪 状
判 決
判決理由
備  考
K・M(45)  鹿児島県指宿市の無職K・M被告は、2011年5月2日午後10時10分ごろ、自宅アパートの隣に住む経営者男性(当時74)方で、滞納していた家賃の支払いを免れるため、男性と妻(当時73)の背中などを刃渡り10数cmのペティナイフで刺して殺害した。K被告は事件当時まで職には就いておらず、車を売るなどして生活費に充てていた。2011年2月以降、月額約30,000円の家賃を滞納しており、事件当日夜、経営者男性方前で偶然男性と出会い、家賃支払いの督促を受けていた。
 県警捜査1課長は、再逮捕した13日の記者会見で、2項強盗を適用した理由として〈1〉2月以降の家賃を滞納していた〈2〉家賃を支払うよう繰り返し催促されていた〈3〉催促を受けている最中に殺害行為に及んだ−−ことを挙げた。
殺人、窃盗、銃刀法違反 2012年3月19日
鹿児島地裁
中牟田博章裁判長
無期懲役
判決文「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい)
 裁判員裁判。殺害の事実に争いはなく、争点は強盗(滞納家賃を免れる)ことが目的だったかどうかに絞られた。
 裁判長は、K被告が強盗目的を認めた自白調書を「数日間住むために殺害するのは唐突で、内容に見過ごせない不合理な点があり、信用できない」と自白調書の信用性を否定。「支払いを免れて住み続ける明確な目的があったとは認められない」として、強盗殺人罪ではなく、殺人と窃盗罪にとどまると判断した。その上で「極めて短絡的に2人の命を奪った身勝手な犯行に、酌むべき事情はないが、計画性はなく、突発的な犯行で、他の殺人事件と比べ、極めて重大と評価するのは困難。死刑がやむを得ないとするのは、ためらわれる」と述べた。

控訴せず確定。


S・K(66)  さいたま市のS・K被告は、同市に住む知人男性(当時65)を殺害して支給されていた年金を奪う目的で、知人男性の同居男性容疑者と共謀。2005年3月頃、静岡県沼津市内に駐車した軽乗用車内で知人男性を薬で眠らせ、首を絞めて殺害。身元発覚を防ぐため、両手首を切断した遺体を茨城県坂東市内に遺棄。奪ったキャッシュカードで約6年半にわたり、支給された年金計約980万円を横取りした。起訴されたのは、2010年12月〜2011年10月の間、年金など122万円5千円を引き出した分である。男性の遺体は2005年4月21日、坂東市の廃業したガソリンスタンド倉庫内で全身を毛布でくるまれ粘着テープを巻かれた状態で見つかったが、身元は不明のままだった。
 S・K被告は2006年9月上旬頃、S被告の自宅で、千葉県八千代市に住むエステ店経営者で交際相手だった中国籍の女性(当時47)と店の売上金や給与の支払いをめぐって言い争いとなり、女性の首を電気コードで絞め殺害した。遺体は中が見えないプラスチックケースに入れられ、約1週間後に自宅近くの駐車場に止めたS被告の軽乗用車内に遺棄された。
強盗殺人、殺人、窃盗 2012年11月6日
さいたま地裁
井口修裁判長
無期懲役+懲役2年
判決文「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい)
 裁判員裁判。裁判長は一連の犯行について「計画的で強欲。人命を軽視する態度は甚だしく反社会性は明らか。極刑をもって望むことが十分に考えられ、遺族が極刑を望んでいるのは当然」と指弾した。一方、S被告が2件の殺人を自ら供述し、事件の解明が進んだ面があると指摘。金目当てだけで被害者に近づいたとは言い切れない点もあげ、「死刑を選択することがやむを得ない場合に当たるとまでは認められない。被告人の年齢を考えると、無期懲役は被告人が考える以上に厳しい」と述べた。  男性殺害事件の共犯者は2010年11月に病死。容疑者死亡のまま、書類送検された。
 Sは、2010年6月21日、さいたま地裁で道路交通法違反、自動車運転過失傷害罪により懲役1年6月執行猶予4年の判決を受けてそのまま確定しているため、強盗殺人及び殺人と、年金などを引き出した窃盗の事件について別々に求刑、判決が言い渡された。
控訴せず確定。


Y・Y(47)  無職Y被告は2010年5月14日午後5時頃、大阪市西淀川区のマンション自室で、暴力団組長を自称していたことを知人男性(当時37)とその友人男性(同41)に否定され激高。二人の胸などをナイフで多数回刺し、殺害した。
 Y被告は犯行直後に自ら119番通報し、同署員らに「刺した男は逃げた」と説明したが、内容があいまいでつじつまが合わないため府警が追及したところ、犯行を認めた。
殺人 2012年12月12日
大阪地裁
岩倉広修裁判長
無期懲役
 裁判員裁判。被告・弁護側は正当防衛ならびに心神喪失で無罪を主張した。裁判長は判決で、Y被告が過去に起こした別の事件で、心神喪失などを理由に不起訴となった経緯に言及したものの、「(今回は)以前とは違って治療を受けており、症状も異なる」と責任能力を認定。一方で「善悪の判断や行動制御の能力がある程度減退していた疑いはある」とも指摘。そのうえで、Y被告が暴力団組長を自称していたことを2人にとがめられ、「刺すんやったら刺せや」と挑発されたことなどが犯行の動機となったと指摘した。そして「ナイフで多数回刺すなど執拗かつ残虐な犯行だが、挑発されて衝動的に刺したと認められる」と述べ、死刑を回避した。  Y被告は1995年に銀行への強盗未遂容疑で、1997年にはハイジャック航空機のハイジャック処罰法違反容疑でそれぞれ逮捕されたが、いずれも精神鑑定の結果、起訴猶予や不起訴処分となっていた。1998年には知人男性(当時47)を殺害。殺人、死体遺棄罪で懲役8年の実刑判決を受けて服役した。2008年に傷害事件で逮捕されたが、心神喪失などを理由に不起訴になっている。心神喪失者等医療観察法に基づいて入院治療を受け、処遇を終えた約3ヶ月半後に今回の事件を起こした。
2014年3月25日
大阪高裁
中谷雄二郎裁判長
被告側控訴棄却?
不明。
2014年7月ごろ
被告側上告取り下げ、確定



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