読んでみたいミステリ


一つでも実現したら笑います。一つでも実現していたら、もっと笑います。



【その1 『喫煙禁煙殺人事件』】
 煙草の害を様々に訴える社会派推理小説。誰か書いてくれ。某煙草に青酸カリが混じっているのでパニックになって、だれも煙草を吸おうとしなくなるとかさ。なんだか「グリコ・森永事件」みたいだな。


【その2 『宇宙空間殺人事件』】
 いよいよ宇宙に人類が住む時代がやってきた。宇宙ステーションが完成したのだ。第一陣として乗り込んだ男性8名、女性8名のメンバー。人類が宇宙生活を送ることが出来るかどうか、1年間の期限が設けられた。最初は人類初の名誉と使命に燃えていた彼らであったが、徐々にほころびが生じ、時にはいがみ合うようになってきた。そんなとき、副隊長がステーションの外で殺害された。しかもナイフにより宇宙服を傷つけられ、体液が膨張して体がふくれあがってしまったのだ。しかし、外出には必ずコンピュータによるチェックがなされており、殺害された時点で誰も外出していないことが確認されていた。発見はステーションの中からだったので、早業殺人というわけでも、発見者が犯人というわけでもない。背中を刺されていたので自殺とも考えられないし、事故とも思えない。一体、どの様にして副隊長は殺されたのか。そして犯人は誰か?
 多分、宇宙ステーションを舞台にしたミステリはまだないはずだから、早い者勝ちだと思います。私も考えたんだけど、肝心のトリックが思いつかない(笑)。→と思ったら、宇宙ステーションを舞台にしたミステリが既にあったんですね。三雲岳斗『M.G.H.―楽園の鏡像』(徳間書店)がそうでした。しかも墜落死ですか。やっぱり考える人は考えますね。

【その3 『二人目の乱歩』】
 戦前の乱歩は厭世的だったのに、戦後の乱歩は非常に積極的だった。一体どういう心境の変化があったのか。売れないミステリ作家Sは、作品のネタになるだろうと思って調べていくうちに、ある恐ろしい事実を発見する。戦前の乱歩と戦後の乱歩の写真が微妙に違うのだ。よく似ているのだが、ほくろの位置とかが違っている。しかし、別人だったとしたら、奥さんや子供、それに横溝正史や水谷準などの友人が気がつかないはずがない。もしかしたら、そこに恐ろしい陰謀があるのだろうか。ある日、小さな新聞記事を見付けた。乱歩そっくりの男が寸借詐欺で捕まったと。彼の名前は遠藤平吉と言った。
 昔にちょっと思いついた疑問を小説にしたらと思って書いてみました。乱歩の短編「一人二役」「双生児」と絡めたら、面白いかな。松村喜雄とは違う世界でしょ?

【その4 『踊り子』】
 浅草のストリップ小屋の舞台裏で売れっ子の踊り子が殺された。周りには下田逸郎、松山千春、村下孝蔵、甲斐智枝美のシングル、フォーリーブスのアルバム、ジャニーズJr.のビデオ、小林契のテープ、それに東野圭吾の短編集『犯人のいない殺人の夜』がばらまかれていた。それらにはいずれも「踊り子」という曲、もしくは短編が収録されていた。いったい犯人の目論見は何か? 売れないコント芸人が事件の謎を追う。
 『踊り子殺人事件』を読んで思いついた作品。浅草のストリップショー、合間にあったコント、そのあたりを絡めた人情ものが出来ると嬉しいな、というのはお笑いファンの独り言。一種、独特の世界だと思うんですよね。

【その5 『聖徳太子の誤判』】
 十人の訴えを同時に聞き分けるという聖徳太子。この日も十人の訴えを同時に聞き、裁きを下していたが、十人目は実は無実だった。彼は「無実だ!」と訴えながら首をはねられた。実は聖徳太子も彼が無実であることを知っていた。ではなぜ彼を有罪と下したのか。
 有名人の誤判と言うだけなら面白くない。十人同時に聞くというところが謎のポイント。時代考証は思いっきり無視。この頃に「無実」という言葉があるとも思えないし、聖徳太子という名前は死後付けられたはずだよね、確か。

【その6 『妖精神話』】
 ある山の中の大家族。当然大富豪で大きな屋敷。そこでは主人がゼウス、妻がヘラ、弟がポセイドンとハデス、以下愛人や息子、娘などもすべてギリシャ神話のオリンポス十二神の名前で呼び合っていた。そしてお手伝いは全て若い女性で、ニンフ1、ニンフ2と呼ばれていた。愛憎入り交じった大家族の中で起きる連続殺人事件。
 どう、新本格らしいでしょう? トリックのヒントは、十二神だけど13人いるところ。

【その7 『見えない三人の男』】
 明智小五郎、怪人二十面相、いっこく堂の3人が腹話術で対決する話。どこがミステリになるんだ?

【その8 『赤ちゃんは名探偵』】
 主人公は1歳の女の子。父親は刑事、母親は専業主婦。女の子は父親が帰ってくるまで絶対寝ない。父と母はいっしょに食事をする。話はいつも父親が抱えている事件のこと。事件の悩みを母親に話をすると、聞いている赤ちゃんが推理をして、ヒントになる言葉を「あいうえお」の積木で並べる。それを見て母親が気付き、父親に伝え、事件解決。
 二階堂黎人のボクちゃん探偵シリーズの二番煎じ。ただ、史上最年少名探偵というのだけが売り。

【その9 『チェーンメール』】
 このメールを開くと、なぜか死んでしまう。『リング』のメール版。ホラーとしては面白くなるかも知れないけれど、二番煎じの非難は免れないな。メールをホームページに変えても1本書けそう。

【その10 『卑弥呼の殺人』】
 邪馬台国内で起こる連続殺人事件。目撃者も手掛かりも一切ない不可能犯罪。卑弥呼の弟スサノオが解決した意外な真実は。ここで「読者の挑戦状 全ての手掛かりは目の前に与えられている」。犯人は実は卑弥呼。あとがきで作者がひとこと「だって、タイトルにそう書いたでしょ」。怒られるだろうなあ。

【その11 『セリーグ派パリーグ派殺人事件』】
 いやあ、『犬派猫派殺人事件』ってのがあるぐらいだから、こんなのがあってもいいかな、と思って。セリーグ派とパリーグ派の刑事がいがみあいながらも事件を解決してゆく話。単純だね、これじゃ。

【その12 『消えた阪○タイ○ース』】
 某在阪球団阪○の監督、コーチ、一軍選手が乗った列車が突然消えた。脅迫状が届かないので、誘拐された理由が分からない。困った球団は二軍監督・コーチ、選手を一軍にすることにした。試合をしないよりはましだと思ったのだ。ところが、このチームが勝ちまくる、勝ちまくる。困ったのはセリーグ残り5球団。本来なら白星を予定していたのに、予想外の黒星が続き、計算が狂ったのだ。これでは阪○が優勝してしまう。焦る5球団はそれぞれミステリファンの選手を一人ずつ選び出し、消えた列車を探すことになるのだが……。
 うーん、自分で書いてみたくなるぐらい面白そうなストーリー(どこが)。

【その13 『舞台奇術の罠』】
 舞台で胴体切断マジックをやったら、本当に胴体が切断されるミステリ。剣を突き刺すのは乱歩『魔術師』であったな。


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