藤原宰太郎『スポーツトリック大全集 おもしろ推理パズルPART.8』


藤原宰太郎 『スポーツトリック大全集 おもしろ推理パズルPART.8』
(光文社文庫)




『スポーツトリック大全集 おもしろ推理パズルPART.8』


 『スポーツトリック大全集 おもしろ推理パズルPART.8』

 著者:藤原宰太郎
 (藤原宰太郎:推理クイズ作家として数々の著書を執筆)

 発行:光文社文庫

 発売:1993年7月20日

 定価:440円(初版時 税込)




 白熱したプレーに沸く、サッカー競技場。何万人もの観客が見守る中、一人の選手が射殺された! キミの推理は…?
 Jリーグ開幕などで、高まる一方のスポーツ人気。そこで、今回の「おもしろ推理パズル」は、スポーツにちなんだ60問の難事件でキミに挑戦! 探偵マンシップにのっとって、頭の運動神経をフル回転させてほしい。
 ようこそ殺人スタジアムへ!

(裏表紙より)


【目 次】
 第一章 殺しのリターンマッチ
 第二章 密室のクロスゲーム
 第三章 暗殺者のスコアボード
 第四章 延長戦はサドンデス


 「おもしろ推理パズルPART.8」はスポーツトリックを集めている。「まえがき」がないのでやる気がないのかなと思ったが、本書はいつもより新作クイズの収録数が多い。それも出版当時の新作からクイズを作っているものが多いので、晩年になってもトリックの収集を続けていたのかと感心してしまう。久我京介と同様、助手がいたのではあろうが。
 スポーツというテーマ以外では特に縛りがないため、ジャンル別に分かれているわけではない。そのため、野球ミステリばかり調べようと思ってもちょっと手間がかかる。球技や格闘技などのジャンル分けをすれば、もっと面白くなったのではないだろうか。
 本書で「おもしろ推理パズル」シリーズは完結してしまう。テーマを考えればもっと色々作れたのだろうが、さすがに初版部数が少なくなったのだろう。また、作者が年を取ったため、テーマごとのトリックをまとめることが厳しくなったとも考えられる。再録が中心ではあったが、「名探偵に挑戦」シリーズとともに、作者の集大成といえるシリーズと評価されてもいいと思う。

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