加納一朗『名探偵入門』


加納一朗 『名探偵入門』
(小学館 入門百科シリーズ)




『名探偵入門』


 『名探偵入門』

 著者:加納一朗
 (加納一朗:SF、ミステリなど多数執筆)

 発行:小学館 入門百科シリーズ

 発売:1973年8月25日初版

 定価:450円(ただし、1979年13版時)




 みなさんは推理小説が、きっと好きでたまらないのでしょう。ただ、読みすごしていると、わからないのですが、推理小説にもいくつかの種類があり、きまりがあります。きまりというのは、まず(事件)があり(なぞ)が、読者に提出されます。次に(手がかり)があり、手がかりをもとに(推理)があります。そして、推理の結果、犯人の仕かけた(トリック)が見やぶられ、だれもが予想もしなかった(意外な犯人)が明るみに出る、ということです。かたちはちがっても、推理小説の多くはこのきまりを、守っています。こうした推理小説を“本格”といいます。本格推理小説以外には、ドキドキはらはらさせることを主にしたスリラー、また、はでなピストルの撃ち合いや、ギャング同士の争いを主にしたような犯罪小説、考えるよりも行動でなぞをとく探偵の登場するハードボイルド小説があり、本格以外のものをひっくるめて“変格”とよぶこともあります。
 推理小説の事件と、じっさいの警察の捜査とは、ずいぶんちがいます。根本的なちがいは、推理小説が読みながら、なぞをといていくゲームなのに、警察の捜査は、わたくしたちの日常の生活にかかわる、真剣な、現代的なものだからです。推理小説やクイズに出てくる名探偵は、あくまで小説の主人公ですから、もちろん、じっさいの事件に立ち会うことはありません。
 ここでは、推理クイズのほかに、現在の警察の科学捜査も紹介しました。これによって、さまざまな名探偵や捜査に冠する知識がわかることと思います。さあ、頭をひねって難問にとりくんでください。

(《はじめに》より)


【もくじ】
 巻頭劇画 人工生命殺人事件
 第一章 名探偵になるために七つの鍵
 第二章 犯人をさがせ!!
 第三章 かくし場所をさがせ!
 第四章 トリックをくずせ!!
 第五章 暗号文を見やぶれ!
 第六章 アリバイをくずせ!!
 第七章 科学捜査をいかせ!!
 【推理小説のなかで活躍する名探偵】

 各章ごとにちょっと長めの文章orマンガで問題が提出され、解答編では問題のトリックにちなんだトリックがいくつか紹介される。その後、進級問題としてクイズが2問出題されている。
 名探偵役は“パッとひらめく金太郎”の大江山金太郎。身長157cm、体重80kg、頭ははげている、とあまり格好良い名探偵とはいえない。美人助手のリコと、臆病者の少年助手三平がいる。

 藤原宰太郎・桜井康生『あなたは名探偵』(学研 ジュニアチャンピョンコース)と並んで、少年向けの推理クイズではかなりポピュラーな作品と思われる。
 “入門百科シリーズ”であるから、名探偵への入門とばかり、色々なトリックや心得などが易しく紹介されており、読みやすい。ただ、系統だって紹介されているわけではないので、どこまで身に付くかといわれれば疑問ではある。
 各章の最後には推理クイズが二問準備されているが、文章orマンガ問題も含めて、ほとんどが過去の作品から借用したものである。

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