死者からの手紙


【問 題】
 夫と仲の悪い妻が青酸カリを飲んで死んだ。その青酸カリの瓶に夫の指紋が付いていたので、夫は殺人容疑で捕まった。しかし夫は身に覚えがないので、警察の追求にも頑強に否認した。ところが二ヶ月ほど経って、死んだ妻の遺書がB警察所長宛に届いた。
「私は自殺しました。夫に愛人が出来て、とても憎かったので、わざと青酸カリの瓶に夫の指紋を残しました。でも、夫は犯人ではありませんから、もう許してやってください」
 その封筒には、妻が自殺した前の日の消印が付いていた。では、同じ市内にある警察署に届くまで、どうして二ヶ月もかかったのか。


【解 答】
 妻が出したその手紙は、実は外国郵便だった。封筒には、英文で「ニューヨーク州ギンザ市」宛てとあった。そして差出人はB警察署長の名前を書いてあったのだ。ニューヨークまで郵送された手紙は、「当市にはギンザという町はない」という付箋がついて、差出人のB警察署長のところに返送されてきた。出すときには航空便でも、返送の時には船便になるため、その往復に二ヶ月かかったのだ。

【覚 書】

 こちらも超初心者問題。実際にこの手は通用するんですかねえ。郵便局の人が気付いてしまうと思うんですが。郵便を遅らせる手口は他にも色々ありますが、それについては皆さんで探してみてください。有名作品にも多くありますよ。
 元ネタ判明。L・J・ビーストンの短編「絶壁」と城昌幸の短編「死人の手紙」でした。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
 ※お手数ですが、ブラウザの「戻る」ボタンで戻ってください。