藪をつつく


【問 題】
 大金持ちで偏屈の老人が殺された。老人の死体は、長くて太い毛のマフラーで、藪の中にある無花果の木にぶら下げられていた。
 秘書からの電話で到着した警察は、邸内の者一人残らず尋問を始めた。秘書や召使いを含めて12名、全員が老人に恨みを持っていた。ところが調べていくうちに、12人全員のアリバイが完璧であることが分かった。証拠らしきものは全くなかった。
 無花果の木の下の落ち葉に、大小さまざまの足跡があることが分かった。その足跡は、どれもこれも踵の方がぐっと深く押されているのに、つま先の方は非常に浅くなっていた。まもなく、警察は犯人を捕まえた。


【解 答】
 老人はマフラーを巻き付けられ、マフラーの一端は無花果の木に結えられ、他の端は12人が一列に並んで持ち、引っ張った。アリバイは12人全員が協力して作っていた。

【覚 書】

 『新青年傑作選』だったような記憶があるが、手元にリストがないので何とも言えない。それよりこの作品、あのクリスティーの名作より前だったのか、後だったのかが非常に気にかかります。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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