屋根裏部屋の殺人


【問 題】
 これは江戸時代の話。
 大きな川沿いの宿場。1週間も雨が降り続き、川を渡ることができないため、宿屋はどこも超満員だった。
 そんなある日の夕方、宿屋「はたご」にひとりの浪人が入ってきた。
「宿を頼みたい」
 だが主人は断った。宿屋はすでに超満員なのだ。しかし浪人の剣幕は恐ろしい。怖くなった主人はこう言った。
「それでは、屋根裏の部屋へお泊まりください。布団を敷くことができるのはそこしかありません。しかしその部屋はすでにひとりのお侍様が入っておりますので、相部屋になります。しかも天井がものすごく低く、しかもやっと横になれることができるところです」
「それでよい、頼む」
 幸い先にいたお侍様も相部屋を了承してくれた。そこでその浪人はその部屋に泊まることとなった。ところがその深夜である。
「主人、同宿の侍を殺した。役人を呼んでまいれ」
 主人は腰をぬかさんばかりに驚いた。浪人は血塗れの刀を持ったままだったからだ。
 かけつけた役人に向かって、浪人はこう言った。
「何の恨みがあるかは知らぬが、同宿の侍がいきなり斬りつけてきたのだ。ハッと目を覚ました拙者は、侍が大上段に振りかぶって斬り下ろそうとするところを、横に置いてあった刀でななめ横から斬り返したのだ」
 浪人は返り討ちであり、自らに罪はないことを主張した。確かに屋根裏部屋には、刀を持った侍が斜め横に胴体を斬られて死んでいた。しかし役人は誤魔化されなかった。
「嘘を申されるな。貴殿こそ、この侍に不意打ちをかけたに違いない。何の恨みがあるかはわからないが、この武士が眠っている隙に斬ったのであろう。その後、この侍の刀を握らせたに違いない。なんと卑怯な男だ。ご同行願いたい」
 後にこの浪人は、侍を恨む敵に頼まれて殺害したことを認めたのだが、さて、役人はなぜこの浪人が嘘をついているとすぐにわかったのだろうか。


【解 答】
 屋根裏部屋は天井が低く、やっと横になることができるようなところである。浪人が言うように、刀を大上段に振りかぶることなどできるはずがない。刀の長さは最低でも40cm以上はある。

【覚 書】

 時代物の推理クイズでは時々見かけますね。場所を「駕籠の中」にする設定のものもあります。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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