嘘つきが犯人だ


【問 題】
 人気クラブのホステスである佐代子が、マンションの自室で殺害された。警察の調べによると、死因は細い紐による絞殺。凶器は発見されていない。死亡時刻は昨夜の夜8時なので、今から24時間前。
 死体を発見したのは、マンションの管理人である近藤。
「クラブから佐代子さんが昨日休み、今日も来ないから部屋を確認してほしいと言われ、部屋を訪ねました。マスターキーでドアを開けようとしましたが、鍵がかかっていなかったのです。部屋に入っていると、佐代子さんはソファーにもたれて居眠りをしているのかと思いました。それで体をゆすってみましたが、ぐったりしていて目を覚まさない。おかしいと思って、俯いている佐代子さんの顔を上げてみて、死んでいることが分かったので、慌てて110番しました」
 近藤はさらに、佐代子に若い恋人がいたらしいと警察に証言した。
 その若い恋人、目つきの鋭いバーテンの築田は警察の調べにこう発言した。
「実は疑われたくなくて黙っていたが、昨夜の9時ごろに佐代子の部屋を訪ねたんだ。鍵が開いていたから中に入ってみたら、佐代子がソファにぐったりとしていた。下から顔を覗き込んでみると、息をしていないのが分かったので、殺されたんだと思い、慌てて逃げ帰ったんだ。佐代子に新しい男ができたのでどうしてやろうかとは思っていたが、別れるつもりはなかったから、俺は殺していない」
 その新しい男である二枚目の建築家、新庄はこう発言した。
「僕は昨日の夜10時ごろまで事務所で仕事をして、11時にアパートに帰ったんだ。事務所もアパートも一人しかいないから、だれも証言してくれる人はいない。実は腕時計が止まっていたから、正確な時間もわからないんだ」
 これらの調書を確認した警部はこう言った。
「一人、明確な嘘をついている奴がいるな。多分こいつが犯人だろう」
 その嘘をついている奴とは、誰か。


【解 答】
 嘘つきは、管理人の近藤。死後24時間も経っていると、死体は死後硬直の状態でこちこちに固くなっているから、俯いている顔を上げることはできない。

【覚 書】

 これもよくある犯人探しの一つ。色々な推理クイズ本に載っている。結城昌治の犯人当て「三人の手切金」にあったので、これが最初かも。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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