女すりの手口


【問 題】
 刑事の私はこの日、東京から大阪に向かう新幹線に乗っていた。有名な美人すりの美薗を偶然見かけ、そのまま尾行してきたのだ。美薗は何かを狙っている。そう確信していた。私は雑誌を読むふりをしながら、美薗を見ていた。
 恰幅のよい男の人が立ちあがった。向かっている方向を見ると、喫煙室のようだ。そのとき、美薗も立ちあがった。反対方向へ歩くところを見ると、トイレに向かっているようだ。しかし、何かするに違いない。予想通り、美薗は男の人とぶつかった。美薗はそのまま車両を出て行った。私は男の人に声をかけた。
「失礼ですが、私はこのようなものです(と、警察手帳を見せた)。何か盗まれたものはないですか」
「盗まれたもの……? 財布はあるし、あっ、ダイヤがない。内ポケットに入れていたダイヤが」
 なぜそのようなものをポケットに入れていたのだ、不用心な。私はすぐに美薗の方へ向かった。美薗はトイレから出てきたようで、洗面室で石鹸で手を洗っていた。
「おい、美薗」
「あら、刑事さん。お久しぶり。どうかしたのかしら」
「今掏り取ったものを出せ」
「何のことかしら」
 そこへ偶然反対側から、女性駅員が通りかかった。
「どうかしましたか?」
 私はその駅員へ早速説明した。
「私はこちらから来ていましたが、誰も通りませんでしたよ」
 よし、共犯はいないようだ。私はその女性駅員に早速身体検査をしてもらった。さすがに女性の美薗を私が調べるわけにはいかない。女性駅員は運転室で美薗を裸になるまで調べたが、何も出てこなかった。私は美薗が持っていた小さなバッグを調べたが、財布、ハンカチ、口紅、コンパクト、石鹸、小さな匂い消し、くしが入っているだけで、ダイヤは見つからなかった。
「何も見つからなかったから、私を放してよ」
 そうふてくされる美薗だったが、私は調べていないところが一か所あったことに気付いた。それはどこか。


【解 答】
 洗面室にも石鹸があるのに、なぜ自分の石鹸を使っていたか。そもそもアレルギーでもないのに、石鹸を持ち歩くことが珍しい。私は石鹸を割ってみた。するとそこから、ダイヤが出てきた。美薗は石鹸の中にダイヤを埋め込み、表面を石鹸で塗ってごまかしていたのだ。

【覚 書】

 隠し場所トリックの一つ。実際の問題は漫画でしたが、見え見えですね、これは。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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