間抜けな盗賊団を一網打尽


【問 題】
 町の大金持ち、ミスター・スミスだけは、先祖から伝わる埋蔵金の在処を知っていた。ところがある日、スミス氏の家に盗賊が入り、埋蔵金の在処を記した地図が盗まれてしまった。スミス氏はもちろん、警察に電話した。やってきたのは、トム署長と部下のジャンを初めとした5人の屈強な警察官。この平和な町の初めてといっていい事件に、トムは張り切っていた。
「スミスさん、早速手配をします。本島から応援部隊も必要です。地図には○×山の洞窟の奥に埋められていると書かれてあったとか」
「いやいや、慌てなくてもいいでしょう」
「ジャン、その通りだ。ここでのんびり待っていればいい」
「署長、そんなことを言ったって、盗賊たちが埋蔵金を盗んで逃げたらどうするんです」
「大丈夫、大丈夫」
「そんなことより署長、せっかく来られたのですから、御馳走を用意しました」
「おお、それは嬉しいことで。お前たちもせっかくだから、御馳走になりましょう」
 トム署長たちは飲めや歌えやの大騒ぎ。ジョンも結局たらふく御馳走になった。そして時間は夜の10時。一休みしていたトム署長は、おもむろに起き上った。
「そろそろ、犯人を捕まえに行こうかね」
 トムはジョンたち部下を連れ、洞窟の奥で発掘中だった盗賊たちを簡単に捕まえたのである。もちろん埋蔵金は無事だった。
 なぜトム署長は、のんびり構えていたのか。
 はっきり言って、深刻に考えないで下さい。


【解 答】
 冒頭に「ミスター・スミスだけ」と書いている通り、知っているのはスミス氏だけ。ということは、地図は偽物なのだ。だから埋蔵金なんか、地図の場所にあるわけがない。署長はそのことを知っていたから、盗賊団が間抜けな連中だと気付き、また埋蔵金が出ないから時間がかかるだろうと思って、ゆっくり出て行ったのだ。

【覚 書】

 いわゆる叙述トリック。それ以上、言い様がない。

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