氷上の転落


【問 題】
 ワカサギ釣りに来た団探偵。釣竿を持って宿から出ようとすると、一人の若者がよろめきながらやってきた。若者はオーバーから滴り落ちる水を払いながら、こう喋った。
「向こうの湖でワカサギを吊っていたら、湖の氷が割れて、友人が落ちてしまったんです。僕も湖に飛び込んで捜しましたが、見つかりませんでした。しかも、自分が穴から這い上がるのがやっとでした。助けを呼びましたが、誰も来ないので、20分ほど走ってここに戻ってきました」
 零下十度の寒さの中、警察がやってきて、湖から一人の青年を見つけたが、すでに窒息死していた。
 泣き崩れる若者に向かって、団は言った。
「嘘泣きはやめて、さっさと自供した方がいいよ」
 団はなぜそういったのだろうか。


【解 答】
 零下十度の寒さの中で、20分も走ればオーバーの水は凍っているのが当然。しかし若者のオーバーからは水が滴り落ちていた。若者は宿に着く直前で、オーバーに水をかけたのだ。なぜそんなことをしたのか。彼が青年を殺したからである。

【覚 書】

 加納一郎の推理クイズでよく見る作品。分かりやすく、クイズには向いている手がかりです。
 元ネタが判明。オースティン・リプレイ『続推理試験』(荒地出版社)の推理クイズ「事件一九四号」でした。もっとも、さらにその元ネタがあってもおかしくはないですが。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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