獅騎一郎『クイズの王国』


獅騎一郎 『クイズの王国』
(廣済堂文庫)




『クイズの王国』


 『クイズの王国』
  あなたの頭脳に挑戦

 著者:獅騎一郎
(1931年、東京生まれ。衆議院速記者養成所卒後、毎日新聞社勤務。その間、ミステリー映画のシナリオ作家として活躍。またパズル作家としての著書も多数ある)

 発行:廣済堂文庫

 発売:1991年6月10日初版

 定価:470円(初版当時)




 筆者は、「クイズは、あくまでも、エンターテイメントである」という持論の持ち主なのである。将棋、チェス、囲碁、などと同様に――。
 そこで“ヒラメキ思考”も、苦労して身につけようとするのは、愚の骨頂だと思うのである。どうせやるのなら、愉快に、楽しくやろうではないか!
 ――そう肩ヒジはらずに、この『クイズの王国』を、電車の中でも、恋人を待つ間にでも、さらには、ツマラナイ講義の時間にでも、タノシんでいただいて結構なのである。
 わからなかったら、すぐにページをめくって、答えを見ていただいてよいのである!
「ああ、そうか! そういう解き方、ものの見方があったのか!」
と、ヒラメいてさえくだされば。
 そうなのです。どんな楽しみ方をされようと、この小冊子の最後のページを閉じたとき、あなたのアタマ、すなわち、灰色の脳細胞は、たとえ、その片鱗なりと“ヒラメキ思考”の洗礼を受けて、ピッカピッカに輝いていることでありましょう!

(「―いまこそクイズを!―」より引用)

【目 次】
 1 ひっかけクイズ
 2 絵解きクイズ
 3 知的クイズ
 4 トリック・推理クイズ
 5 ひらめきクイズ


 書き下ろし本とあるが、収録されていくクイズは作者自身がかつて発表したクイズや、ほかの作者のクイズ本で収録(いわゆる古典のクイズ)されているものがほとんどである。特に目新しいものはない。
 ただ、作者のコンセプトには納得できる。クイズは肩ヒジはらずに楽しみ、わからなければすぐに答えを見ればよい。それでいいと思う。

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