『歴史探偵クイズ 江戸の怪盗御用だ』


梶龍雄 『歴史探偵クイズ 江戸の怪盗御用だ』
(立風書房)




『歴史探偵クイズ 江戸の怪盗御用だ』


 『歴史探偵クイズ 江戸の怪盗御用だ』

 著者:梶龍雄
(小説家。1928年生。1952年に『白い路』で作家デビュー。1977年、『透明な季節』で第23回江戸川乱歩賞受賞。1990年没)

 発行:立風書房 ジャガーバックス

 発売:1975年1月15日

 定価:530円(当時)




【もくじ】
 第1章 江戸の捜査網
 第2章 武士の殺人事件
 第3章 戦国時代の戦争
 第4章 逃亡道中の難関
 第5章 裏長屋の大事件

 問題数は全部で40問。ただ第4章はたったの3問など、章毎の収録問題数にばらつきがある。他にも各問題毎にキーワードとなる言葉の説明がある。また所々に入っているミニ百科コーナーでは、主に江戸時代(第3章のみ戦国時代)の様々な知識が得られるようになっている。
 タイトルにあるとおり、江戸時代(第3章のみ戦国時代)を舞台とした推理クイズ。歴史知識が必要なクイズはごくわずかであり、普通に絵を見たり推理をすれば解けるクイズが多い。絵解きクイズの面白さをじゅうぶんに味わうことができ、かつ江戸時代知識も身に付くことができる推理クイズ本である。ただ、書かれている内容は現在までに判明されている事とは異なるところもあるので、注意が必要ではある。なおタイトルに“江戸の怪盗”と出ているが、それらしい人物は出てこない。売るために刺激的な内容のタイトルを、多分出版社主導でつけたものと思われる。
 立風書房のジャガーバックスは元々手に入りにくい作品が多いが、その中でも特に入手が難しく、高価で取り引きされている一冊。ぼろぼろの本だったが、手に取ることができただけでも御の字か。

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