『暗号スパイ大作戦』
著者:獅騎一郎
(1931年、東京生まれ。衆議院速記者養成所卒後、毎日新聞社勤務。その間、ミステリー映画のシナリオ作家として活躍。またパズル作家としての著書も多数ある)
発行:学研 ジュニアチャンピョンコース
発売:1974年8月15日初版
定価:450円(ただし、初版時)
みなさんは、新聞やテレビやラジオなどでときどき、スパイ事件が明るみに出るのをよく知っていますね。
でも、戦争もない平和なときなのに、なぜスパイが活躍するのでしょう。そうです。それは、相手の国の国力や外交方針を常に知っていれば、外交上の駆け引きで、相手より優位に立てるからです。ですから、スパイは、戦争のときよりも、むしろ平和のときにこそ重要だといわれるのです。日本が日露戦争でロシアに勝ったのに、講和の条件では非常にそんをしたのも、前々から外国のスパイに、日本の内情をさぐられていたためなのです。
これを見ても、スパイがいかに重要な存在であるかがわかるでしょう。
スパイ活動が本格化したのは、第一次世界大戦からでした。その後、第二次世界大戦を経て、その活動はいっそう近代化され、複雑化し、大規模となりました。
この本では、現在、国際舞台で暗躍するスパイの実態をできるだけくわしく、そして楽しみながら知ってもらうため、クイズや写真や図解で易しくまとめてありますので、"現代スパイ"のようすがよくわかると思います。
また、スパイと切っても切れないものに暗号があります。この本では、暗号をただ解くだけではなく、実際の作り方も書いてありますので、一つお友達とお互いに作りあってみてください。
きっと楽しい一日が過ごせると思います。
【もくじ】
<<巻頭劇画>>走れ! マックス
第一編 スパイ大作戦
第1章 スパイに挑戦
(1)盗め
(2)にげろ
(3)追え
(4)守れ
(5)かくせ
(6)消せ
第2章 世界の名スパイ
第3章 スパイびっくり情報
第二編 暗号大作戦
第1章 暗号に挑戦
第2章 暗号遊び入門
第3章 歴史に残る暗号文
タイトルからもわかるとおり、本書は推理クイズ本ではなく、スパイものである。ただ、スパイ者のクイズは推理クイズと似ている部分が多い。トリックを仕掛けるのが犯人か、スパイかという違いだけである。
第一編スパイのテクニックや最新兵器などに関連したクイズと、実際のスパイや諜報機関について書かれている。また第二編ではさまざまな暗号の作り方やそれにまつわるクイズが出題されている。
情報や兵器など、いずれも出版当時のものばかりなので、今から見たら古い部分が多いだろう。その辺を差し引いたら、情報そのものは面白いので、それなりに読むことができる。
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