『スーパー推理クイズ大集合!!』
一文字圭の犯罪ファイルに挑戦だ！
著者：田中文雄
（1941年東京生まれ。早稲田大学在学時はワセダミステリクラブで活躍。東宝でプロデューサとして活躍後、1974年に「夏の旅人」でデビュー。「緋の墓標」シリーズなどの著書がある）
作画：幸野武
発行：頸文社 ケイブンシャの大百科別冊
発売：1993年5月1日
定価：780円（初版当時 税込み）
この本を買って一文字圭の探偵クイズに挑戦しようとする読者諸君。キミがこれから解こうとする難問の数々は一文字圭の経験によって作られている。一文字圭は犯罪学の分野では、その類希な能力が評価されている新進気鋭の犯罪学者であり、探偵でもあるんだ。
その一文字圭が出題するこの本では、キミの分析力、決断力、観察力、発想力、知識力を計るために５つの賞を設けてある。各章は、一文字圭が過去数年間に解決した代表的な難事件が各ジャンルごとに14件ずつの犯罪ファイルとして示されている。
キミには、一文字圭が見事に解決したこれらの事件に挑戦してほしい。各事件を推理するに当たっては、キミの全能力をフル活動させて、文章の隅々まで想像力を充分に使い推理してほしい。キミの推理の結果は、問題の載っていた次のページの解答と照合することによって正誤が判断されるだろう。
各章の問題が終わったら、後ろのページに分析と解説が載っているので、自分の能力を判定してほしい。このようにして５賞の問題が全部終わり、総合評価を見れば、自分が何型の探偵なのか一目でわかるようになっている。また、キミが一文字圭に負けない犯罪学者、探偵になるためには、どの弱点を強化すればいいのかも総合評価を参考にしてほしい。
それでは、読者諸君の健闘を祈る!!
（【一文字圭に挑戦しようとする読者諸君へ】より）
【もくじ】
第１章 分析力問題
第２章 決断力問題
第３章 観察力問題
第４章 発想力問題
第５章 知識力問題
総合評価
一文字圭の理解者として、真壁八太郎警視庁捜査課刑事部長が登場する。他に一文字探偵事務所の近所の少年、金田勝太もときどき登場。一文字とは関係ないが、Ａ国秘密情報員ロドリゲス・Ａ・ホワイトが出てくる問題も数問ある。
問題数は全部で70問。問題の次のページに解答がある形なので、巻末に答えが纏めてあるタイプよりはずっと読みやすいし、他の問題の答えを見なくてすむのは助かる。
犯罪ファイルという仰々しいタイトルが惹句にあるが、中身はよく見かける推理クイズと変わらない。使われているトリックなども、他の推理小説や推理クイズで使われているものが多い。ＳＦやファンタジーを書いてきた人なので、もう少し目新しい趣向やクイズがあるかと期待していたのだが。
唯一面白いのは、最終ページにある総合評価か。各章の問題ごとに点数が付けられており、正解ごとに加算されていく。最後にグラフが用意されており、その形からどの探偵タイプかを判断するものである。しかし、5種類がバランスよく取れていたらホームズ型、決断力が優れているが知識力と分析力がやや弱いのが明智型という分け方はどうだろうか。
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