山村正夫 大谷羊太郎『セクシー・ギャル殺人事件』


山村正夫 大谷羊太郎『セクシー・ギャル殺人事件』
(サンケイ出版 サンケイノベルズ)




『セクシー・ギャル殺人事件』  『セクシー・ギャル殺人事件』
 犯人当てミステリー

 著者:山村正夫 大谷羊太郎

山村正夫:1931年大阪生まれ。執筆当時日本推理作家協会理事長。1977年日本推理作家協会賞(評論部門)、1980年角川小説賞を受賞。
大谷羊太郎:1931年大阪生まれ。執筆当時、日本推理作家協会常任理事。1971年江戸川乱歩賞受賞。
 カバーイラスト:秋野卓美

 サンケイ出版 Sankei novels

 初版:1980年7月10日

 定価:690円(初版時)





 あなたのミステリー度は何パーセント?――――本書に収録された30篇之推理小説は、各篇にセクシー・ギャルが登場する“犯人当てミステリー”の傑作選である。あなたの推理力に挑むのは推理文壇の重鎮・山村正夫と本格推理の名手・大谷羊太郎の二氏。ファンタスティックに張り巡らされた伏線や落し穴に惑わされず、もし20件以上の難事件を解決できたら、あなたは立派な名探偵だ
(裏表紙より引用)


『MR. DANDY』という雑誌に連載。容疑者が3人いて、誰が犯人かを当てる推理クイズもの。

 “犯人当てゲームは、作者と読者の知力戦だろう。”は、最後の問題の解答編に書かれているのだが、まさにその通りである。ただ、肝心の問題が易しすぎると、「知力戦」という言葉が泣けてくる。“20件以上の難事件を解決できたら、あなたは立派な名探偵だ”。この問題だったら、みんな名探偵になれるだろう。問題をじっくりと読めば、消去法で誰でも簡単に解くことができる。逆に言えば、それだけフェアプレイに撤しているのかもしれない(笑)が、まあ、ミステリファンが読んだら怒るだろうなあ。
 “セクシー・ギャル”という言葉に時代が感じられる。もっとも問題に出てくる女性がセクシー・ギャルとはあまり思えないが。まあ、ギャルが出てくるだけならいいが、問題の全てにセックスシーンが絡んでいる。掲載誌を考えれば仕方がない。ただ、問題とセックスシーンがほとんど関係ないというのは面白くない。また関係あるクイズでも、例えば「私をレイプした犯人は誰か?」など読んでいて後味が悪いものばかりである。
 山村正夫と大谷羊太郎というビッグネームが組んだわりには、つまらない作品集と言い切ってよい。

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