『犯人はだれだ? PART.2』
難問トリックを暴け!
監修:山前譲(ミステリー研究家)
作者:牧南恭子、夏野百合、松崎昇、芦川淳一、柴野直子、矢矧零士、矢島誠
白石書店 白石ノベルス ミステリー・チャレンジシリーズ2
発売:2001年4月25日初版
定価:857円(初版当時)
人間の本性を超越したところにうまれるのが、殺人事件。その本性の超越点が動機だ。そして憎しみや悪意をともなって、ミステリーの世界へとつながっていく。しかし、どんなにミステリアスな迷宮入り事件にも、解明のカギは必ずあるものだ。本書に収録した25話のショートミステリは、どれもこれも難解なものばかり。さあ、チャレンジしよう!
『犯人はだれだ?』に続く第二弾。ただし、前作は矢島誠が単独で執筆していたが、今回はおなじみのメンバー7人による共同執筆。しかも監修はミステリー研究家の山前譲となっている。矢島名義では売れなかったのだろう。もっとも山前編にしたとしても売れるという保証はないが。その証拠に、PART.3は出版されていない。
内容は毎度おなじみ、過去のトリック引用もしくは知識のみを必要とするクイズ、そして問題文からは想像しようもない物理トリックのオンパレードである。毎回毎回、こう厭きもせずに考えられるものだ。その点だけは感心する。
折り返しのところに執筆者の名前が載っているのだが、わざわざ「日本推理作家協会会員」と書かれているのを見ると、思わず涙が出てきますね。こう書かないと、執筆者が誰かわからないのでしょう。
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