山口琢也『ウルトラ探偵クイズ』
(若木書房 ヤマタクのクイズシリーズ12)



『ウルトラ探偵クイズ』  『ウルトラ探偵クイズ』

 著者:山口琢也
(おもに少年雑誌を中心に、ギャグ、クイズ、パズルなどを出題。著書は10冊以上になる)

 発行:若木書房 ヤマタクのクイズシリーズ12

 発売:1972年初版

 定価:350円(ただし、1973年3月20日、第2刷時)




 スパイ、このことばのなんと魅力的なこと、思わずからだがふるえてくるほどですね。テレビや映画での、スパイのかけひきや闘いぶりの奇抜さ、みごとさには、血わき肉おどります。そこで、それをそっくりいただいてクイズにまとめました。
 みなさんには、しばらく、この本の中のスパイに味方したり、敵としてたたかったりしながら、クイズを楽しんでください。スパイのつかう奇想天外なトリックや物の考え方は、きっと、頭を別の方にむけてくれるきっかけにもなることでしょう。
 ただし、現実をいうなら、スパイはけっしてかっこいいものではないし、まして、戦争なんて、ほんとにごめんです。スパイはあくまで、こんな本やテレビの上のものとして、カッカするだけにしてほしいものです。
 では、がんばってください。きみがズバリとといてくれるのを、スパイはまっていますよ。

(「この本の楽しみかた――前がきにかえて――」より)



 全部で66問。ヤマタククイズシリーズの探偵ものは、どれをよんでもほぼ似たような内容のクイズが揃っているので、どの順序で読んでも差し支えはない。
 ヤマタクのクイズシリーズ全体にいえることだが、推理というよりはひらめきに近い感じのクイズが多い。「こういう解答があります」みたいに、推理というよりは想像力の方が必要なクイズ集である。
 そのなかでも本書は、スパイという世界を取り扱っているせいか、殺人手段などを題材にしたものも多く、やや高学年向けの設定になっている。
 本のタイトルがウルトラ“探偵”クイズなのに、まえがきにもあるとおりスパイが活躍する推理クイズの方が多いというのは皮肉である。

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