ものまね

 有名人や動物の声、仕種などや、様々な現象(車の走る音とか)等をまねること。お笑いのジャンルの一つ。元々は江戸時代の寄席芸やお座敷芸で、声色と呼ばれていた。昭和の頃には声帯模写とも呼ばれており、現在でもその名称を使用する人もいる。仕種のまねは形態模写とも呼ぶ。
 役者、俳優、落語家、歌手、政治家などの声のまねが主流だったが、タモリが寺島修司などのまねなどをするようになってからは、声だけではなく、そのしゃべる内容にまで注目を浴びるようになった。
 また、ザ・ハンダースがかつてのGSソングを多人数の歌手のものまねメドレーで歌う「ハンダースの思い出の渚」を大ヒットさせた。メインボーカルだった清水アキラは、現在もものまねをメインに活躍している。

 お笑いスタ誕では初期の頃に、八田新太郎若林一男といった素人出身の挑戦者がものまねを披露している。
 また貴明&憲武は、ものまねを中心としたコントを披露し、素人時代に4週勝ち抜いた。
 しかし、なんといっても特筆すべきなのは、コロッケの登場であろう。コロッケは「スター百面相」というジャンルにより、顔まね、仕種・振り付けまねで笑いを取っていった。その後、歌手の声まね(声帯模写)にも芸の幅を広げ、番組を盛り上げた。
 コロッケは顔や歌をただまねするのではなく、オーバーに演じることによってデフォルメし、まねされる方の魅力だけではない、自分オリジナルの世界を作り上げた。コロッケのスタイルは、その後のものまね芸に影響を及ぼしただけではなく、『ものまね王座決定戦』等のものまねブームの牽引役として活躍し、お笑いの枠を超えたものまねというジャンルを作り上げることになる。

 ものまねでは後にPALCOが西城秀樹等を披露しているが、徐々に独自の漫談芸に幅を広げていっている。
 清水アキラも登場しているが、残念ながら芳しい結果は得られなかった。
 文化人の物まねではキッチュが登場している。
 他には演芸場で活躍していた北口光彦が登場し、さすがといわせる芸を披露した。