久生十蘭全集(三一書房)



【久生十蘭】
 1902年、北海道生まれ。20年、函館新聞社に入社、28年に退社し上京、岸田国士や土方与志に師事。29年に演劇研究のため渡仏。33年に帰国。水谷準のすすめで『ノンシャラン道中記』などを「新青年」に発表。36年に久生十蘭名義で『金狼』を発表。以後、探偵小説を多数発表する。
 戦後は「ハムレット」などを執筆するも、徐々に現代小説、時代小説、ノンフィクション・ノベルに重心を移す。51年に発表した『鈴木主水』で翌年、第26回直木賞受賞。54年に発表した「母子像」で翌年「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」紙主催第2回世界短編小説コンクール1席入選。57年逝去。
(『日本ミステリー事典』(新潮社)より一部抜粋)

【久生十蘭全集】
 B6版ハードカバー。初版時は函入り。全集とは謳っているが、全著作の6割程度である。完全版ともいえる全集は2009年から国書刊行会で刊行されている。


巻 数 タイトル 初 版 収録作品
第1巻 I 1969年11月30日 「黒い手帳」
「海豹島」
「地底獣国」
「ハムレット」
「鈴木主水」
「母子像」
『魔都』
第2巻 II 1970年1月31日 「黄泉から」
「予言」
「野萩」
「春雪」
「西林図」
「復活祭」
「蝶の絵」
「姦」
「白雪姫」
「無月物語」
「新西遊記」
「玉取物語」
「うすゆき抄」
「湖畔」
「ひどい煙」
「ボニン島物語」
「無惨やな」
「春の山」
「川波」
「一の倉沢」
「虹の橋」
「雪間」
「雲の小径」
「手紙」
「重吉漂流紀聞」
「藤九郎の島」
「奥の海」
「呂宋の壺」
「喪服」
第3巻 III 1970年2月28日 「だいこん」
「ノア」
「三界万霊塔」
「カストリ侯実録」
「フランス伯N.B」
「淪落の皇女の覚書」
「妖婦アリス芸談」
「南極記」
「泡沫の記」
「海難記」
「青髯二百八十三人の妻」
「悪の花束」
第4巻 IV 1970年3月31日 『顎十郎捕物帳』
 「捨公方」
 「稲荷の使」
 「都鳥」
 「鎌いたち」
 「ねずみ」
 「三人目」
 「紙凧」
 「氷献上」
 「丹頂の鶴」
 「野伏大名」
 「御代参の乗物」
 「咸臨丸受取」
 「遠島船」
 「蕃拉布」
 「日高川」
 「菊香水」
 「初春狸合戦」
 「永代経」
 「両国の大鯨」
 「金鳳釵」
 「かごやの客」
 「小鰭の鮨」
 「猫眼の男」
 「蠑?(いもり)」
第5巻 V 1970年6月30日 『十字街』
『我が家の楽園』
『真説・鉄仮面』
第6巻 VI 1970年4月30日 『ノンシャラン道中記』
「墓地展望亭」
『あなたも私も』
『肌色の月』
第7巻 VII 1970年5月31日 『金狼』
『キャラコさん』
 「社交室」
 「雪の山小屋」
 「蘆の木笛」
 「女の手」
 「鴎」
 「ぬすびと」
 「海の刷画」
 「月光曲」
 「雁来紅の家」
 「馬と老人」
 「新しき出発」


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