| 事件概要 | 罪状 | 判決 | 判決理由 | 備考 | |
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| N・H(28) | 兵庫県宝塚市の無職N・Hは2020年6月4日午前5時ごろ、同居する祖母(当時75)が起きてトイレに行った際に洋弓銃ボウガン(クロスボウ)で側頭部を撃ち殺害。遺体をひきずって、祖母の部屋のベッド下に運んだ。続けて午前6時ごろに洗面所で顔を洗う弟(当時22)の背後から側頭部を撃った。午前8時すぎ、弟の息があったことを知り、2本目を撃った。午前9時10分ごろ、西宮市から呼び寄せた伯母(当時49)が玄関から入ってきたところで撃ったが、自転車用ヘルメットをかぶっていたため、頭ではなく耳付近をねらった。伯母は首を撃たれて重傷。そのまま外へ逃げた。午前9時半ごろ、別の場所で暮らしていて呼び寄せた母(当時47)が玄関から入ってきたところ、側頭部を撃って殺害した。 | 殺人、現住建造物等放火 | 2025年10月31日 神戸地裁 松田道別裁判長 無期懲役 |
裁判員裁判。起訴内容に争いはなく、被告が幼い頃から患っている自閉スペクトラム症の影響が争点となった。 判決は、動機の形成には精神障害の影響もあったとしつつ、被告は家族らを殺害することの意味を認識して行動していたとし、完全責任能力が認められるとした。一方、幼少期から不遇な家庭環境で育ち、母と弟の存在により強迫性障害の重い症状が表れるようになったとも指摘。無理心中の要素があったことは否定できず、他の親族間殺人と比べて極めて自己中心的な犯行とまでは言えず、一方的に非難できないとして死刑選択がやむを得ないとは言えないとした。 |
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