乱歩のレコード




 よく出入りしている掲示板で頂いた情報なのだが、江戸川乱歩が吹き込んだレコードがあるそうだ。
 詩人、翻訳家として有名な田村隆一の結婚式のときの引き出物として制作された78回転SP盤の、完全なプライベート盤である。「レコードコレクターズ」誌で岡田則夫さんが連載していた「蒐集奇談」の中で紹介されている。
 曲名は「城ヶ島の雨」で、北原白秋の代表作である。作曲は梁田貞。「どんぐりころころ」などの童謡を作曲している。もともとは大正時代に作られた抒情歌である。
 ちなみに裏面は、森繁久弥の「船頭小唄」である。

 この結婚式については、宮田昇『戦後「翻訳」風雲録』(2000年3月、本の雑誌社)に収録されている田村隆一の「花嫁なき披露宴招待状事件」としてに記されている結婚式ではないかと、教えていただいた。このレコードが作られた詳細な経緯については、不明であるとのこと。

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