ご当地ミステリ



「おわら風の盆」で知られる富山県八尾町を舞台にした推理小説が、地元を中心に話題になっている。祭りのイメージが損なわれるのを恐れ、町ぐるみで事件を隠蔽(いんぺい)し、町長と警察署長が殺人犯と取引して逃がすという筋書き。フィクションとはいえ、主役級になった2人の現職は戸惑い気味だ。
 この推理小説は、十津川警部シリーズで有名な西村京太郎氏の「風の殺意・おわら風の盆」(文芸春秋)。2月に発売された。「おわら風の盆」の祭りの最中に殺人事件が起こった、という設定になっている。
 八尾町は人口約2万3000人。岐阜県境との山あいにある。9月の風の盆には全国から30万人が訪れる。  町内のある書店は、発売直後から入り口に平積みのコーナーを設けた。通常、西村氏の小説の新刊は60冊程度の売れ行きだが、「風の……」はすでに230冊ほどが売れた。
 町図書館「ほんの森」でも、ふだん1冊しか購入していないところを4冊購入した。それでも、10人ほどが約2カ月にわたって予約待ちとなり、異例の人気となった。
(朝日新聞6月6日付記事より)

 地元だからって、ここまで売れるものですかね。地元を扱っているというだけで売れ行きが伸びるということはないと思う。もしそうだったら、京都のベストセラーは全部山村美紗だ。冗談はさておき、なぜ売れたかということを考察する。有名作家西村京太郎が書いたからだろうか。それだったら他の場所でも似たような現象が起きているはずだ。やはりストーリーの妙だろう。地元を扱ったストーリーが面白かったから、読者が飛びついたのだろう。もしこれが朝日でなく東スポあたりだったら、売るための煽り記事かとも思うのだが(笑)。

 なんて日記に書いたら、政宗さんさんにご指摘いただいた。地元を扱った本は、地元で売れるそうで。
 やっぱり自分の知っている場所などが本になっているのが面白いんだろうな。考えてみると、自分の住んでいる町がテレビで放映されるとわかったら、絶対見ているし。

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