足跡のない死体


【問 題】
 雨上がりの朝、公園に隣接した市民農園で男が死んでいた。背中からピストルで撃たれて殺されたのだ。
 しかし不思議なことに、男の死体の周りには足跡がなかった。昨夜の雨で農園の土は柔らかく湿っている。草などは生えておらず、歩けば必ず足跡がつくはずだ。
「殺されたのは、雨が降っている途中か?」
「いや、雨が上がったのは昨夜の十一時ごろだ。男の体も服も濡れていないし、血が染みている。近所で銃声を聞いた人もいる。この男が殺されたのは朝で間違いない」 「しかし、なぜ足跡がないんだ? それも犯人の足跡だけじゃない。被害者の足跡もない」
「もしかして、隣の公園からフェンス越しに死体を投げたんじゃないか」
「なぜそんなことをする必要がある?」
 しかし念のため、公園の方も調べてみた。ブランコや滑り台、砂場などがある普通の公園だ。フェンスのそばを見たが、足跡は何もない。ましてや1.5mはある高さのフェンスだ。公園からフェンス越しに死体を投げるのはかなり難しい。
 しかし刑事は、フェンスのそばにブランコがあるのを見ると、たちどころにこの謎がわかったのである。
 では、どうして死体の周りに足跡はなかったのか。


【解 答】
 男は朝でだれも見ていないので、童心に帰ってブランコに乗って遊んでいた。大きく振りを付けて動かしているときに、背中をピストルで撃たれたのだ。ブランコの勢いで前方へ放り投げられ、フェンスを飛び越えて市民農園に落ちたのだ。

【覚 書】

 被害者が突飛な行動をしているときに殺されるパターンのトリック(と言っていいのか?)。割と面白いトリックだとは思う。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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