謎の飛行機


【問 題】
 ある国に住むA博士は、世界的に重大な発明をしたので狙われていた。そのため、遠く離れた都会の名探偵B氏に電話をして、身を守ってくれるように依頼をした。B探偵はその日のうちにA博士のところまでに行くことにしたが、飛行機の時刻表を見ると、B探偵の住む都市にある空港からA博士の住む都市にある空港までは一日一本の便しかなく、それだとB探偵は午後五時にA博士のところに着くことになる。A博士の住む都市の空港は国際空港なのだが、意外に不便なのだ。
 しかしその日の午後四時に、A博士の書類が何物かに盗まれた。警察の働きで犯人はすぐに捕まったが、その犯人は何とB探偵だった。B探偵は実はC国のスパイだったのだ。
 しかし、午後五時でないとA博士のところに着かないはずのB探偵は、どうやって午後四時にA博士のところに来て盗むことができたのだろうか。もちろん、自動車、電車ではスピードが全然違って盗むのは不可能だし、B探偵は自家用飛行機を雇ったわけでも運転したわけでもない。電話がかかってきたとき、B探偵は間違いなく自分の家に居たのである。


【解 答】
 国内線では確かに午後五時に着く便しかなかったのだが、国際便を調べると、一旦隣の国の空港に飛んで、それからA博士の都市の空港に着く便があったのだ。その乗り換え便を使用すると、午後三時にはA博士の都市の空港に着くことが出来た。だから悠々と盗む時間があったのだ。

【覚 書】

 結構盲点をついたトリックだが、応用価値は高い。電車でも使用可能だし。このトリック、鮎川哲也が最初だったと思ったのだが、違ったかな。後に津村秀介も使用。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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