密室の抜け穴


【問 題】
 探偵はある依頼を受けた。それはある館の主人が銃殺された事件だった。
 殺された部屋である書斎はドアも窓も鍵が掛けられており、完全な密室だった。鍵は特注でスペアの作れないタイプであったし、ドアの間には糸を通す隙間すらなかった。ドアノブも埋め込み式で、取り外しは出来なかった。窓には鉄格子がはめてあり、鍵がかかっていなくても出入りは不可能であった。警察は自殺と考えたらしかったが、肝心の拳銃がどこにも見あたらない。また、亡くなった主人にパラフィン・テストを施してみたが、拳銃を撃った痕跡はなかった。部屋のどこかになにかの仕掛け、装置があるかもしれないと徹底的に調べたが、そのような仕掛けは見付けられなかった。警察は途方に暮れたまま捜査を続けていたが、このままでは迷宮入りは確実だった。そのため、主人の息子は高名な探偵に依頼を持ち込んだのだ。
 話を聞いた探偵は、とりあえず部屋を確認しようと館を訪れた。ドアを外に開き、書斎に入った。色々と調べてみたが、確かに仕掛けらしいものは何もない。しかし探偵にはすでにトリックがわかっていた。では、犯人は一体どうやって主人を銃殺したのか?


【解 答】
 書斎のドアは外開きだった。ということはドアの蝶番は外にあるわけである。犯人はそこに目を付けた。蝶番を外すと、僅かながら隙間が出来る。犯人はそこから主人を銃殺したのだ。

【覚 書】

 『ユダの窓』変形バージョン。簡単なトリックですが、意外と思いつかない人も多いのでは。ちなみに和室の部屋『ユダの窓』バージョンの密室事件クイズもあるのですが、こちらも元ネタを探しています。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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