消えた凶器


【問 題】
 雨が上がった昼下がり、刑事が食事から帰る途中、公園の方から「ひ、ひとごろし~」という声が聞こえてきた。急いで公園に駆けつけてみると、一人の男が硬い棒のようなもので殴り殺されていた。そして、制服姿の警官が立っていた。
「君はどうしたんだ?」
「はい。本官は人殺しという叫び声を聞きつけ、駆けつけてきました」
と、敬礼をしながら応えた。刑事は連絡をするとともに、警官と現場を調べたが、硬い棒のようなものはどこにも見当たらなかった。更に不思議なことに、公園に残っている足跡は刑事、警官、そして被害者のものしかなかったのだ。
 いったい、凶器はどこに消えたのだろうか。そして犯人は。


【解 答】
 犯人は制服姿の警官であった。腰に差している警棒で男を殴り殺したのだ。そして何喰わぬ顔で警棒を腰に差した。

【覚 書】

 幼年向け推理クイズ。純真な子供が何も知らないで読むと、結構ショックかも知れない。クイズよりも短編小説向けのトリックですね。
 元ネタが判明しました。仁木悦子「白い部屋」(『赤い猫』(講談社文庫)収録)ということです。これの応用編として、齋藤栄「三色の告発」(長田順行編『ワンダー暗号ランド』(講談社文庫)収録)があるそうです。らぶぼーど様、情報ご提供、有り難うございました。

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