鳩は知っていた


【問 題】
 ある夜、アパートで一人暮らしの女性が殺された。かなり激しく抵抗したらしく、部屋の中は椅子やテーブルなどがひっくり返り、花瓶が落ちて割れていた。ベッドの脇には古い鳩時計が落ちていた。長針や短針は飛び散り、ゼンマイが止まっていた。
「針さえ付いていれば、犯行時刻が特定できたのに」
 鑑識課員はそういいながら鳩時計を壁にかけ直し、鎖を引っ張って、振り子を動かした。すると振り子が動き出したので、課員は自分の時計を見ながら針を付け直した。12時30分だった。再び鑑識課員は検証を始めたが、突然鳩時計の上部の扉が開き、鳩が可愛らしい鳴き声で11時を告げた。鳩時計は12時55分を示していた。このとき、鑑識課員は犯行時刻がわかった。それはいったい何時何分だったのか。
 ちなみに鳩時計が落ちたのは、犯人の偽証ではない。


【解 答】
 針をつけたのが12時30分。鳩が鳴ったのが12時55分。すなわち、鳩が鳴る25分前に時計は落ちたことになる。鳩時計が告げた時刻は11時だったから、時計が落ちたのは11時より25分前、すなわち10時35分ということになる。事件は夜に起きたのだから、犯行時刻は午後10時35分である。

【覚 書】

 今考えると単純な算数ですね。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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