アリバイはなぜ成立した


【問 題】
 ある男がビルの屋上から突き落とされて死んでいた。男はネジ巻きのカレンダー付腕時計をしており、落下の衝撃により10日11時57分で止まっていた。アナログなので午前か午後かはわからないが、どちらでも解剖の結果とは矛盾しないことから、この時刻が犯行時刻と警察は推定した。やがて警察の捜査により、動機を持つある男が逮捕された。
 ところが男には、10日の午前11時57分にも午後11時57分にも確実なアリバイがあった。腕時計は動かされた様子がないので、男がごまかすことは不可能だ。警察は仕方なく、この男を釈放した。
 男はびっくりした。実はこの男が犯人だった。警察に捕まったときこそ否定したものの、いずれ自供するつもりだったからだ。男自身、なぜアリバイが成立したのか、さっぱりわからなかった。
 ではなぜ、男のアリバイは成立したのだろうか。


【解 答】
 ネジ巻きのカレンダー付き腕時計は、11時56分ぐらいになったら次の日付に変わってしまうことが多い。本当の殺害時刻は、9日午後11時57分だったのだ。

【覚 書】

 山口琢也の推理クイズ本より。自分もネジ巻きのカレンダー付き腕時計を持っていたけれど、確かにそうだったので、これには納得してしまった。今の人にはわからないトリック?でしょうね。
 まあ、実際の捜査だったらわかっちゃうでしょうけれど。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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