山村正夫編『おとなの推理あそび』
(広論社 サイの本)
『おとなの推理あそび』
ちょっとエロチックな犯人さがし
山村正夫:1931年大阪生まれ。執筆当時日本推理作家協会常任理事。
大谷羊太郎:1931年大阪生まれ。1971年江戸川乱歩賞受賞。
高橋泰邦:1925年東京生まれ。1959年「殉職」で注目を集める。
井口泰子:1937年岡山生まれ。1970年第1回小説サンデー毎日詩人賞受賞。
広論社 サイの本
初版:1975年7月14日
定価:500円(初版時)
欲情のもつれが引き起こす複雑怪奇な事件の謎を追って……この推理ゲームに挑戦するのはあなた……さて真犯人は誰か?
(裏表紙より引用)
たぶん、どこかの雑誌に連載されていたのだろう。山村正夫、大谷羊太郎、高橋泰邦、井口泰子の4人が執筆している。問題数は全部で29問。問題編と解答編に別れて収録されている。
“おとなの”のタイトルが示すとおり、全ての問題にエロシーンがあるか、といわれたら実はその手のシーンが全く含まれていない問題もいくつかある。まあ、セックスシーンやそれに準ずるシーンが多く含まれていることは間違いない。ただ、問題とはあまり関係のないシーンが幾つかあるのは、興醒めである。本書を購入した読者が、この手のシーンを期待して買ったとは思えない。やはり推理を楽しむために買ったのだろう。それならばせめて、「おとな」の部分を推理に絡めてほしかったところである。
また、レイプした犯人さがしというのはやはり後味がよくない。この手のは避けてほしいところだ。
推理クイズとしての評価は、いずれも簡単な消去法で解くことができるものばかりである。なかには、クイズというのも躊躇われるぐらい易しいものもある。ちょっと退屈なときの暇つぶし、にもならないものが多い。
どのような需要で求められたものかわからないが、エロを求めるにしろ、クイズを求めるにしろ、中途半端な造りであるというしかない犯人さがし集である。
書くのなら、もっと真剣な推理クイズを作ってほしいと思った。ただ、この程度のレベルを、編集部が求めていたのかもしれない。こんな本があったよという程度の認識で十分である。
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