『続 推理クイズ』
著者:山口琢也
(おもに少年雑誌を中心に、ギャグ、クイズ、パズルなどを出題。著書は10冊以上になる)
発行:若木書房 ヤマタクのクイズシリーズ12
発売:1973年初版
定価:350円(ただし、1973年8月1日、第3刷時)
私はこの推理クイズを書きながら、自分がおそろしいことを平気で書き、おそろしいアイデアを平気で考え出していることに、すこしびっくりしています。
物をぬすみ、人を殺す、ということはもちろんとんでもないことです。しかし、それがクイズや小説となると、なぜ、警察も何にもいわず、そのナゾときあそびを許しているのか、これはとても不思議でおもしろい現象だと思います。
じつは私には、そのへんのところはまだわかってないのです。生死は人間の極限状況だから、人間をえがくにはもっとも好都合だということで、たがいの暗黙の了解があるのか、それとも殺人ということを書くことによって、生死をもてあそぶことのおそろしさをたがいがわかり合えるのか……。
ただ、金子登さんのことばに「あらゆるゲームのうちで殺人こそ最大の賭けだ。なぜならその商品も、料金も、ともに《生命》だからだ」というのがあります。今はこのことばをここに提出しておくにとどめましょう。
そして、とりあえず、サア、紙の上での知恵くらべといきましょう!
全部で59問。ヤマタククイズシリーズの探偵ものは、どれをよんでもほぼ似たような内容のクイズが揃っているので、特にどの順序で読んでも差し支えはない。
ヤマタクのクイズシリーズ全体にいえることだが、推理というよりはひらめきに近い感じのクイズが多い。「こういう解答があります」みたいに、推理というよりは想像力の方が必要なクイズである。
そのなかでも本書は、やや高学年向けの設定になっている。
想像力を必要とされるクイズの数はかなり増えている。解答で「きみならどんな推理をする?」と書いてあるように、いくつかの手がかりを提示し、解答では一例を示しているというパターンの問題も多い。さて、こういうのをクイズをいってよいのだろうか。
【山口琢也推理クイズ作品リスト】に戻る