丸山友岐子 『超闘死刑囚伝―孫斗八の生涯』
(現代教養文庫)


発行:1993.9.30



 1981年9月、社会評論社より出版された『逆うらみの人生』を改題したもの。初版は1968年、社会公論社(既に倒産)より出版された。作者の丸山友岐子は東京・新宿で写植業を営みながら、文筆業で活躍し、その後「おんな通信社」というグループを作った。『女子高生コンクリート詰め殺人事件』は当時、かなりの反響を呼んだ。1981年には「死刑をなくすおんなの会」を結成。1995年逝去。
 本作品は、1963年に死刑を執行された孫斗八の生涯を、孫と交流を続けてきた作者が綴ったものである。
 孫は1951年、以前に服を買い、また今日は酒をふるまってくれた洋服商夫婦を殺害、現金、服などを奪い、強盗殺人罪で逮捕され、一審、二審、そして1955年に死刑判決が確定した。孫が凄いのは、1954年に、「新聞社への投稿を禁じられた」と拘置所長を職権乱用罪で告訴した後、ありとあらゆる罪名で拘置職員を告訴。「基本的人権」に反すると、監獄規則をことごとく訴えた。さらに死刑訴訟に関することで、10数件の裁判を起こす。アメリカの死刑囚チェスマンと同様、ありとあらゆる手段を用いて死刑執行を引き延ばしたことにより、「日本のチェスマン」と呼ばれた。
 作者は、そんな孫の生涯、生き方を、孫との交流を通じ、克明に記録に残す。死刑とは何か、死刑囚とは何かを訴える本である。

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