作品名 | 幽鬼の塔 |
初 出 | 『日の出』昭和14年4-昭和15年3月号。 |
粗 筋 |
紹介文参照。
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感 想 |
ジョルジュ・シムノン『聖フォリアン寺院の首吊男』の翻案。本来ならメグレ警視が探偵役なのだが、やはり乱歩は素人探偵を登場させた。原作は読んだことがないけれど、多分ここまでサスペンス風味な作品ではないだろう。どことなく安っぽさがみられるのは仕方ないところか。乱歩も仕方なく筆を執ったのだろうし。 後日、原作を読んだのだが、思ったより雰囲気が妖しい作品だった。ただ、原作の方が人の哀しみに深く突っ込んだ作品となっている。 |
備 考 |
作品名 | 断崖 |
初 出 | 『報知新聞』昭和25年3月1日~12日。 |
粗 筋 |
K温泉から1マイル離れた山道の断崖で、夫婦が会話を始める。妻の前の夫が亡くなった真相は。
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感 想 |
新聞紙に12回連載された短編。男と女の心理闘争もの。乱歩にしては珍しい作品で、この手の犯罪小説ももうちょっと読んでみたかったところである。
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備 考 |
作品名 | 凶器 |
初 出 | 『大阪産業経済新聞』昭和26年6月13、20、27、7月4日、7月11日掲載。 |
粗 筋 |
アプレ成金の佐藤寅雄の妻・美弥子が襲われ、右手を怪我した。容疑者は多情者美弥子のかつての恋人二人。港区S署の巡査部長、庄司専太郎は明智小五郎に事件の謎解きを依頼する。
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感 想 |
犯人当てということで掲載された作品。トリックはカーを引用したのだったかな。依頼されてとりあえず書いただけ、の作品ではあるが、50歳を超えた明智小五郎の姿が描かれている点は興味深い。妻は胸を患って、長い間高原療養所に入っており、助手の小林少年と二人暮らしと書かれている。
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備 考 |