江戸川乱歩推理文庫第37巻(講談社)
『黄金豹/妖人ゴング』



【初版】1988年4月8日
【定価】640円
【乱歩と私】「乱歩をめぐるプロトコール」竹本健治


【紹介】
 金色の虹を描いて、白い月光の中を跳ぶ「黄金豹」。宝石を喰い、札束をかすめ、幻のごとく消えてしまう魔豹に、人々は慄然とする。園田家に収蔵された、票の美術品の数々。「八方にらみの豹」と名付けられた一枚の日本画より抜け出した魔豹は、黒メノウと青ダイヤを嵌めこんだ金の豹を狙って、闇の中をしのびよって来る。
(裏表紙より引用)


【収録作品】

作品名
黄金豹
初 出
『少年クラブ』1956年1月号-12月号連載。
粗 筋
 【紹介】参照。
感 想
 どうみても豹としか思えない動きをする「黄金豹」が登場。とはいえ、人間の言葉をしゃべるのだから、あとはお察しの展開。さすがの少年読者も、解決編を読むと興醒めしてしまったんじゃないだろうか。ネコむすめやネコ夫人をどこから連れてきたのかだけは、気にかかるが。
備 考
 

作品名
妖人ゴング
初 出
『少年』1957年1月号-12月号連載。
粗 筋
 明智小五郎の奥さんの姉さんの子供という花咲マユミは、高校卒業後、大学を入るのを辞め、明智小五郎の助手となる。少年探偵団にとっては、みんなのおねえさまとなる。父親は、検事の花崎俊夫。井上君とノロちゃんが街を歩いていると、大きなサーチライトに巨人がマユミを襲おうとした。
感 想
 『魔術師』を読めばわかるが、明智の奥さんに姉はいない。突っ込んじゃだめだろうなあ。「妖人ゴング」が花崎家を襲うが、その動機はあまりにもシンプル。花崎家を襲うなら、先に明智を襲えと言いたくなるが、突っ込んじゃだめだろうなあ。小林少年に対する仕打ちは、いつもと違って残酷。さすがにこれはどうかと思う。マユミが助手になったとはいえ、本編でもただ襲われるだけなので、なぜ出てきたのだろうと言いたくなる。ネタ切れをどうにかしようとする乱歩の苦労が目に浮かぶ。
備 考
 ポプラ社版では『魔人ゴング』と改題されている。

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