江戸川乱歩推理文庫第57巻(講談社)
『わが夢と真実』



【初版】1989年12月8日
【定価】480円
【乱歩と私】「初めて読んだ小説」横尾忠則


【紹介】
 探偵作家としての回顧録の多い乱歩が、ひとりの人間として、自分を表白。少青年時代の性格と趣味、同性愛への関心、残虐への郷愁などを綴った興味深い随筆集。他に第52巻『続・幻影城』に集録の「類別トリック集成」の原型になった「欺瞞系譜」と「探偵小説トリック分類表」に参考資料を付けて併録。
(裏表紙より引用)


【収録作品】

作品名
わが夢と真実
初 出
 昭和32年8月、東京創元社より刊行。
 大正15年から昭和32年まで発表した随筆のうち、自分の性格や人生観、趣味嗜好などを語った単行本未収録の42編と、『悪人志願』『幻影の城主』『探偵小説三十年』などに収録したもので似たような随筆を28編、さらに書下ろし10編を加えて合計80編を収録。さらに写真40葉も収録。
感 想
 主に探偵小説作家に関わること以外の自分の随筆を集めた、自伝的な一冊。もちろん随筆を集めたものだから、系統的に書かれているわけではないものの、乱歩がどういう人物であったかを知るには格好の一冊。特に「妻のこと」はあまり家族のことを書からない乱歩にしては珍しい一編であるし、「同性愛文学史」は、乱歩ファンなら有名な岩田準一との思い出が記されており、実に興味深い。
 とはいえ、やはり読むならまとめて読むべきであり、重複部分も収録された一冊を購入することを薦める。
備 考
 本書では、機関の随筆集と重複する28編は削られ、写真もほとんどが削られている。

作品名
欺瞞系譜
初 出
 乱歩が昭和23年8月18日に作成したもの。
 『EQ』昭和62年11月号に掲載。新保博久による出典の註記がなされている。手稿そのものは写真版で同誌昭和62年9月号に掲載されている。
感 想
 『続・幻影城』に収録されている「類別トリック修正」の原型。カー『魔棺殺人事件』(『三つの棺』)にある「密室講義」に触発され、探偵小説のトリックのメモを取っていきまとめたもの。
備 考
 平井隆太郎により提供されたもの。

作品名
探偵小説トリック分類表
初 出
 乱歩が昭和25年9月に作成したもの。
 『EQ』昭和62年11月号に掲載。新保博久による出典の註記がなされている。
感 想
 『続・幻影城』に収録されている「類別トリック修正」の原型。カー『魔棺殺人事件』(『三つの棺』)にある「密室講義」に触発され、探偵小説のトリックのメモを取っていきまとめたもの。「欺瞞系譜」から作品例を追加し、分類に手を入れたもの。  日本人がトリックを好きなのか、乱歩がトリックを好きだから日本人も好きになったのかはわからないが、こういう分類表が好きなのは、日本人特有のものだと思う(自分もそうだし)。
備 考
 平井隆太郎により提供されたもの。

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