江戸川乱歩推理文庫第62巻(講談社)
『幻影城通信』



【初版】1988年6月8日
【定価】480円
【乱歩と私】「乱歩と夢と少年と」小峰元


【紹介】
 乱歩が遺した未完評論のうち、戦後、各方面の雑誌・新聞に執筆したものを、発表順に収録。「宝石」「黒猫」「中央公論」「読売新聞」などに掲載されたもので、書評、映画評及び内外の探偵小説作家を鋭いタッチで論じる一方、探偵小説の現状などを記した評論集。続編として第63巻「子不語随筆」がある。(裏表紙より引用)

【収録作品】

作品名
幻影城通信
初 出
 戦後に執筆した未完評論を中心にまとめたもの。計59編収録(同一タイトルのものはまとめて1編としてカウント)。
内 容
 タイトルの幻影城通信」は、乱歩が『宝石』昭和21年8月号〜昭和25年3月号に計7回掲載した評論「幻影城通信」より、中島河太郎が採用した。
感 想
 表題の「幻影城通信」は『宝石』に掲載されたもの。海外状勢や日本の新しい本格探偵小説の流れを書こうとしたものであったが、竜頭蛇尾の乱歩らしく、どんどん尻つぼみになっていって掲載期間も空き、最後はわずか半ページ程度のコラムになってそのまま終わっているのは、残念である。
 戦後で積極的に探偵小説、推理小説を世に広めようとした乱歩らしく、様々な媒体で評論を書いているのは、乱歩という知名度も含め、流石というべきである。こうやってまとめて読むと、他愛のない内容もあるし、重複している箇所もあるが、面白いものも多い。乱歩の功績は、永遠に語り継がれていくだろう。

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