江戸川乱歩推理文庫第64巻(講談社)
『書簡 対談 座談』



【初版】1989年4月10日
【定価】520円(税込み)
【乱歩と私】「亡父乱歩とユーモア」平井隆太郎


【紹介】
 大正十一年から昭和二十一年にかけて、友人・知人・恩師に世相を映しながら認めた書簡を収録。特に、井上良夫との間に取り交わされた「探偵小説論争」は探偵小説マニアには、必読の一ページである。
 「対談 座談」で、各分野の人々と打ち解けて話合う姿は、かつての厭人癖を払拭していて興味深い。(裏表紙より引用)

【収録作品】

作品名
書簡
初 出
 今回、中島河太郎が新たにまとめたもの
内 容
 大正十一年から昭和六年にかけて森下雨村、鳥羽造船所時代の元同僚で友人だった井上勝喜などに送った書簡や、昭和二十一年の書簡をまとめたもの。もちろん全部あるわけではなく、一部である。乱歩がまめな人物だということがよくわかる。

作品名
乱歩書簡集
初 出
 『推理小説研究』昭和41年11月創刊号
内 容
 「江戸川乱歩追悼号」を編んだときに発表されたもの。昭和十三年から十八年にかけ、横溝正史との書簡十八通をまとめたもの。

作品名
探偵小説論争
初 出
 『黄色の部屋』(中島河太郎編集の探偵小説研究雑誌)昭和26年8月号(第5号)〜昭和29年4月号(第12号)。ただし、第八号所載「グリーン家殺人事件覚書」と第九号所載「樽覚書」は省く。
内 容
 江戸川乱歩と井上良夫の昭和十八年の書簡をまとめたもの。「英米探偵小説の読後感や探偵小説本質論について、非常識なほど長い手紙のやりとりをつづけた」と『幻影城』に書かれた書簡。書簡ならではの忌憚ない意見がやり取りされており、戦時下の危険な時期によくこんな論争を続けていたと感心する。中身も濃く、探偵小説ファンなら必見。

作品名
対談 座談
初 出
 昭和28年〜昭和32年
内 容
 長田幹彦「幽霊インタービュウ」、徳川夢声「問答無用」、小林秀雄「ヴァン・ダインは一流か五流か」、佐藤春夫・城昌幸「樽の中に住む話」を収録。
 いちばん面白いのは小林秀雄との対談。アクロイドをアンフェアと小林秀雄が一刀両断し、乱歩が必死にフォローする姿は面白い。「探偵小説ファンというのはそれだけ常軌を逸したものであるか」というのは、まさに真理である(笑)。

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