無期懲役判決リスト 2019年度





 2019年に地裁、高裁、最高裁で無期懲役の判決が出た事件のリストです。目的は死刑判決との差を見るためです。
 新聞記事から拾っていますので、判決を見落とす可能性があります。お気づきの点がありましたら、日記コメントなどでご連絡いただけると幸いです(判決から7日経っても更新されなかった場合は、見落としている可能性が高いです)。
 控訴、上告したかどうかについては、新聞に出ることはほとんどないためわかりません。わかったケースのみ、リストに付け加えていきます。
 判決の確定が判明した被告については、背景色を変えています(控訴、上告後の確定も含む)。

What's New! 6月5日付で最高裁第一小法廷は、三原賢志被告への一・二審無期懲役判決(求刑同)に対する被告側上告を棄却した。刑が確定する。



地裁判決(うち求刑死刑)
高裁判決(うち求刑死刑)
最高裁判決(うち求刑死刑)
11(1)
3(1)
4(0)

【最新判決】

氏 名
三原賢志(45)
逮 捕
 2016年6月13日(覚せい剤取締法違反(使用)容疑)
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、死体損壊、覚せい剤取締法違反(使用)他
事件概要
 北九州市八幡西区の市営住宅に住む無職三原賢志被告は、2015年5月から冬までの間に自室にて、北九州市の無職女性Mさん(当時43〜44)を刃物で刺して殺害し、遺体の一部を切り取った。また2016年6月5日ごろ、北九州市の職業不詳の女性Sさん(当時45)を刃物で刺して殺害し、胸を切りつけた。
 Mさんは2015年6月に、Sさんは2016年6月7日に、それぞれ行方不明者届が出されていた。
 2016年6月13日午後2時15分ごろ、Sさんと連絡が取れないことを不審に思った男性が部屋を訪ね、Sさんの遺体を発見した。駆け付けた福岡県警の警察官が約2時間後、同じ部屋でさらに別の性別不明の遺体を見つけた。県警は同日、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で部屋にいた三原被告を緊急逮捕した。7月24日、Sさんへの死体損壊容疑で再逮捕。8月4日、Sさんへの殺人容疑で再逮捕。
 8月14日より2ヶ月の鑑定留置が実施され、10月、Sさんへの殺人ならびに死体損壊容疑で起訴。11月10日、Mさんへの殺人容疑で再逮捕。
裁判所
 最高裁第一小法廷 小池裕裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年6月5日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 
備 考
 2018年3月19日、福岡地裁小倉支部の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。2018年9月13日、福岡高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
元少女(22)
逮 捕
 2015年4月23日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、逮捕監禁
事件概要
 千葉県船橋市のアルバイトの少女(当時18)は、住所不定、無職の中野翔太被告、同井出裕輝被告、東京都葛飾区の鉄筋工の少年(当時16)と共謀。2015年4月19日夜、千葉市中央区の路上を歩いている船橋市の被害少女(当時18)に少女が声をかけ、井出被告が運転する車に乗せた。その後、井出被告、中野被告、少女は被害少女に車内で手足を縛るなどの暴行を加え、現金数万円が入った財布やバッグを奪った。さらに20日午前0時ごろ、芝山町の畑に連れて行き、中野被告が井出被告の指示で事前に掘っていた穴に被害少女を入れ、中野被告が土砂で生き埋めにして、窒息死させた。少女の顔には顔全体に粘着テープが巻かれ、手足は結束バンドで縛られていた。
 被害少女と少女は高校時代の同級生。被害少女は高校中退後に家を出て、アルバイトをしながら暮らしており、飲食費などを複数回、逮捕された少女に借りたことがあった。少女は友人から借りた洋服などを返さなかった被害少女に腹を立て、井出被告に相談し、事件を計画。少女は少年にも声をかけ、参加させた。井出被告は中野被告に協力をもちかけ、犯行に及んだ。井出、中野被告は被害少女と面識はなかった。また少年も、井出、中野被告と面識はなかった。
 21日になって船橋東署に「女性が埋められたという話がある」との情報が寄せられたため、事件に巻き込まれた可能性が高いとみて捜査を開始。24日未明までに、車に乗っていた東京都葛飾区の少年と船橋市の少女、中野翔太被告を監禁容疑で逮捕し、井出裕輝被告の逮捕状を取った。そして供述に基づき芝山町内の畑を捜索し、女性の遺体を発見した。同日、井出被告が出頭し逮捕された。5月13日、強盗殺人容疑で4人を再逮捕。
 6月4日、千葉地検は井出被告、中野被告を強盗殺人罪などで起訴。少女を強盗殺人などの非行内容で千葉家裁に送致した。地検は少女に「刑事処分相当」の意見を付けた。少年は共謀関係がなかったとして強盗殺人では嫌疑不十分として不起訴にし、逮捕監禁の非行内容で家裁送致した。千葉家裁は7月17日、少女について、「刑事処分を選択して成人と同様の手続きを取り、責任を自覚させることが適切」として検察官送致(逆送)した。千葉地検は24日、少女を強盗殺人などの罪で千葉地裁に起訴した。
裁判所
 最高裁第二小法廷 菅野博之裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年6月3日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 
備 考
 中野翔太被告は2016年11月30日、千葉地裁(吉井隆平裁判長)の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。2017年6月8日、東京高裁(大熊一之裁判長)で被告側控訴棄却。2017年10月10日、被告側上告棄却、確定。
 井出裕輝被告は2017年3月10日、千葉地裁(吉井隆平裁判長)の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。2018年3月1日、東京高裁(大熊一之裁判長)で被告側控訴棄却。2018年12月25日、被告側上告棄却、確定。

 2017年2月3日、千葉地裁の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。2018年12月11日、東京高裁で被告側控訴棄却。



【2019年度 これまでの無期懲役判決】

氏 名
池田徳信(31)
逮 捕
 2016年7月9日(死体遺棄容疑)
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、死体損壊、住居侵入
事件概要
 東京都世田谷区の無職、池田徳信(やすのぶ)被告は2016年6月20日ごろ、世田谷区のマンションの2階の部屋に忍び込もうとベランダから上ったが、鍵が閉まっていたため、一つ上の3階に住む無職の女性(当時88)の部屋の窓の鍵が開いていたため、侵入。寝ていた女性が驚いて大声を出したため、首を絞めるなどして殺害し、現金約35万円を奪った(ただし現金を奪ったことは裁判で認められなかった)。さらに、室内にあった包丁で女性の遺体を浴室で切断。一度帰宅した後、翌21日に忍び込み、遺体を持出し区立碑文谷公園内の池に遺棄した。
 池田被告は当時、女性のマンションから約500メートルのマンションに母親と二人暮らしだった。
 6月23日午前10時半ごろ、公園の清掃作業員の男性が切断された一部が池に浮いているのを見つけた。その後の捜索で首や腰、両手足などが見つかった。捜査本部は7月3日に池の水を抜いて約50人態勢で大規模な捜索をした。
 池田被告が女性のマンションに出入りする姿や、公園近くにいる姿が防犯カメラに映っていたことや、池田被告の足跡などが見つかったことから、警視庁碑文谷署捜査本部は9日、池田被告を死体遺棄容疑で逮捕した。8月2日、強盗殺人容疑で再逮捕した。遺体は8月17日、すべての部位が見つかった。
裁判所
 最高裁第二小法廷 山本庸幸裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年1月8日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 
備 考
 目黒区は事件後、警察捜査と園内の整備に伴い、一部を除き区立碑文谷公園を閉鎖していた。2016年9月15日、公園の利用を10月3日に再開すると発表した。園内の防犯対策に向けた整備が終了したためで、同日再開式も行う。また、池のボートは10月8日に再開した。
 2017年9月29日、東京地裁の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。2018年4月25日、東京高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
ランパノ・ジェリコ・モリ(37)
逮 捕
 2017年9月2日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、強姦致死
事件概要
 フィリピン国籍のランパノ・ジェリコ・モリ被告はフィリピン国籍の少年2人(事件当時19、18)と共謀。2004年1月31日午前0時から6時半ごろまでの間、茨城県阿見町の路上で、散歩で通りがかった茨城大農学部2年の女子学生(当時21)の腕をつかんで車に連れ込み、美浦村舟子の清明川に向かう車内で暴行を加え、手などで首を絞めた。さらに、清明川の河口付近で首を刃物で複数回切るなどして殺害した。  ランパノ被告は母親らと2000年に入国。事件当時、ランパノ被告は土浦市内に住み、美浦村内の電器部品加工会社に勤務していた。女子学生と面識はなかった。
 遺体は31日の午前9時半ごろ、発見された。
 ランパノ被告や共犯の2人は2007年にフィリピンに出国するも、ランパノ被告は再び日本に入国。2010年からは岐阜県瑞浪市に母親や妻、子供らと住み、工場に勤めていた。
 茨城県警は交友関係を中心に調べるもトラブルは無く、犯人につながる手掛かりが乏しく捜査が長期化。県警は殺人罪などの公訴時効が2010年に撤廃されたことを受けて、未解決事件に専従する捜査班を翌年に設置した。新たな情報提供を呼びかけるなどした結果、2015年に情報が寄せられ、ランパノ被告が捜査線上に浮上。捜査を続けた結果、ランパノ被告が友人らに対し、事件への関与をほのめかしていたことが判明。遺体に付着した微物のDNA型がランパノ被告のものと一致した。茨城県警は2017年9月2日、岐阜県瑞穂市で工員として働いていたランパノ・ジェリコ・モリ被告を強姦致死と殺人の疑いで逮捕した。また県警は同日、ランパノ被告の妹と日本人の夫について偽装結婚したとして電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕、さらに夫と同居するタイ国籍の飲食手順従業員の女性を入管難民法違反(不法在留)容疑で逮捕している。
 9月5日、茨城県警はフィリピン国内にいると思われる共犯2人の逮捕状を取り、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配した(なお1人についてはフィリピンで日本の取材に応じている)。ただし日本とフィリピンとの間には事件捜査の協力を要請できる「刑事共助協定」がなく、容疑者の身柄引き渡しに関する条約もないため、フィリピン政府に引き渡しを求めることができない。
裁判所
 東京高裁 栃木力裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年1月16日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 2018年12月12日の控訴審初公判で、弁護側は、一審判決が重すぎると主張。検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。被告人質問でモリ被告は「被害者に申し訳ない。罪を償い、社会に出られたらきちんと生活したい」と述べた。
 判決で栃木裁判長は、モリ被告は、女性に乱暴し口封じのため殺害することを、事前に他2人と話し合って事件を起こしたと指摘。通りすがりの被害者を暴行し、発覚を防ぐため殺害したと認定し、「被害者の人格を踏みにじる卑劣な犯行で、殺害態様も残虐。被告が反省していることを踏まえても、無期懲役が相当だ」とした一審判決は適切と判断した。
備 考
 2018年7月に改正刑法が施行され、強姦罪は「強制性交罪」に変わり、法定刑が引き上げられた。ただ今回の事件は2004年に発生しており、改正前の刑法が適用された。
 2018年7月25日、水戸地裁の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。上告せず確定。

氏 名
少年(19)
逮 捕
 2018年3月2日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、住居侵入
事件概要
 千葉県茂原市の土木作業員の少年A被告(事件当時18)は、同市内のアパートで同居する無職少年B(当時18)、無職少年C(当時17)と共謀。2018年2月26日午前1時15分ごろ、同市に住む女性(当時85)宅に侵入。寝室で女性を床に押し倒して殴ったり首を絞めるなどして現金約12,000円を盗み、包丁で首を3回刺して殺害した。
 女性は長女と同居していたが入院したため1人で生活。近くに住む長男夫婦が頻繁に訪れていた。
 26日午前8時55分ごろ、長男の妻が倒れている女性をみつけ、119番通報。3月2日、捜査本部は少年3人を強盗殺人と住居侵入の疑いで逮捕した。
 千葉地検は3月19日、少年A被告と少年Cを千葉家裁に送致した。同家裁は同日、2週間の観護措置を決定した。23日、少年Bを千葉家裁に送致した。家裁は同日、2週間の観護措置を決めた。4月3日までに千葉家裁は少年A被告に対し、2週間の観護措置延長を決定した。千葉地検は同日、少年Bと少年Cを別の窃盗事件で再逮捕した。千葉家裁は4月13日、少年A被告を検察官送致(逆送)とする決定をした。千葉地検は20日、強盗殺人罪などで少年A被告を起訴した。
 県警捜査3課は6月7日、茂原市を中心に2017年12月〜2018年3月に相次いだ窃盗事件約50件に関与したとして、少年B、少年Cを含む同市などの17〜19歳の少年5人を窃盗などの容疑で逮捕・送検したと発表した。そのうち少年Bと少年Cは事件前日の2月25日未明から早朝にかけて、盗み目的で女性方に侵入し金品を物色していた。千葉家裁は6月29日、少年Bと少年Cを検察官送致(逆送)とする決定を出した。千葉地検は7月6日、少年Bと少年Cを強盗殺人や住居侵入などの罪で起訴した。
裁判所
 千葉地裁 川田宏一裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年1月24日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年1月15日の初公判で、少年は強盗目的で殺害したことを認めた。一方で「お金を取ったことは分からない」と述べた。
 冒頭陳述で検察側は、同市内のアパートで同居していた共謀の2人に強盗に誘われ、指紋を残さないようにゴム手袋をして女性宅に侵入し、目を覚ました女性をあばら骨が折れるほどの力で床に押さえ付けたと指摘。他の2人が室内を物色し現金を強取したが大金は見つからず、女性が「金は腹の中にある」「殺すなら殺せ」と言ったため、被告少年がナイフを持ってくるように指示し首を3回刺したと述べた。犯行後、少年Cから現金1万円を受け取り、事件時に履いていたスニーカーを用水路に捨てたこと、強盗を「たたき」と呼んでいたことを明らかにし「殺害を実行して主要な役割をしている。事前に役割分担し計画的で悪質」と批判した。弁護側は「現金を盗んだという事実まで認められるかは疑問。現金を受け取ったことは事実だが、事件の時に取ったものなのか」と述べ、現金強取の有無について争うとした。
 検察側は「孫をかわいがり、よくお小遣いをあげていた。なぜ母を殺したのか。厳重に処罰してほしい」とする女性の長男の調書を読み上げた。
 同日、少年らと同居していた男性が証人として出廷。事件当時の状況を話し、少年B、Cがふざけた様子で少年を「殺人鬼」と呼び、少年は「うるせーよ」と答えたと証言。2人は「1万2、3千円取った」「1万円で殺人は安いよな」などと話したという。また、男性は少年B、少年Cらと事件前日に金品を盗む目的で被害者宅に侵入し、共謀少年が被害者の通帳を見つけ、多額の預金があることを確認。現金が見つからなかったことから、共謀少年らが強盗を意味する「“たたき”をしないか」と話していたとした。
 16日の第2回公判で少年Cは、犯行後の帰宅途中に1万円札を被告少年に手渡したとし「想定外の殺人を目にして、持っていたくなかったのであげる意味だった」と証言。1万円札については「(少年Bが住宅の)どこかから手に入れて渡してきたと思った」と、犯行現場の住宅寝室で少年Bから受け取った紙幣だったと明らかにした。証人尋問で少年Cは、少年Bが強盗を持ち掛けたとし、当初ためらっていた被告少年に対し「できねぇのかよ」と挑発するように話していたとした。また、被告少年が被害者を押さえ付けたのを確認してから、室内の物色を始めたと述べた。少年Bは公判を控えるため「黙秘する」と証言を拒否した。
 17日の第3回公判の被告人質問で少年は、当初は被害者の首を絞めて気絶させ、その間に金を盗んで逃げるつもりだったが、金が見つからず、気絶した被害者が目を覚まし「金は腹の中にある」「殺すなら殺せ」と話したため、「頭が真っ白になり、どうにでもなれと思った」という。取りに行かせた包丁で首を1回刺した後、共謀した少年Bから「とどめを刺せよ」と言われ、さらに2回刺したとした。強盗を行った理由を、少年Bから「そんなこと(強盗)もできないのかよ」と挑発され、「ばかにされたくない思いから誘いに応じてしまった」と説明。報酬とされる1万円札について、共謀の少年Cが犯行後の帰宅途中に手渡したと証言したのに対し「(自宅アパートの)リビングで受け取った」と述べた。また、被害者と遺族へ「人生を奪ってしまい申し訳ない。取り返しのつかないことをしてしまった。心から反省しています」と謝罪の言葉を口にし、「更生することが自分ができる償いだと思います」と続けた。
 18日の論告で検察側は、強盗に入ったのに金のありかが分からず、思い通りにならないことに怒り、被害者を殺害した」と指摘。「殺害など主要な役割を積極的に行った。当時18歳だったが成人と変わりない。犯行は同種の強盗殺人事件の中でも重い部類で、酌量減刑には当たらない」と主張した。
 同日の最終弁論で弁護側は、現金の強取に疑いが残るとした上で「まだ未熟。少年には更生する可能性がある。無期懲役は重過ぎる」として、少年法に基づき懲役10〜15年の不定期刑が妥当とした。
 最終陳述で少年は「心から反省しています」と謝罪した。
 判決で川田裁判長は、被告は当初は強盗の誘いを断っていたが、自ら手袋を準備し率先して暴行し、凶器のナイフを持ってくるように指示して殺害したと認定。義娘が現金を管理していた女性の財布から1万円札がなくなり、財布に物色された跡があったことや、事件現場の寝室で共謀した少年が別の少年に1万円札を手渡したことから、現金強取を認定。そして「強盗には計画性があり、少年は率先して主体的に重要な役割を果たしていた。被害者が金の在りかを言わないことに憤慨し、殺害の動機も身勝手で、とどめを刺すために首を包丁で突き刺す行為は残忍で悪質」と指摘。少年の育った環境や性格が事件に及ぼした影響は限定的とし、「(事件当時)少年は18歳4カ月だったが、結果は重大で刑事責任は極めて重い」と述べた。
備 考
 被告側は控訴した。

氏 名
横山拓人(25)
逮 捕
 2018年5月31日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、建造物侵入、窃盗、窃盗未遂
事件概要
 静岡県御殿場市のクレーンオペレーター、横山拓人被告は、神奈川県厚木市の無職武井北斗被告、甲府市の土木作業員W被告、山梨県甲斐市の建設作業員N被告と共謀。山梨県昭和町の貴金属買取店の金品を奪おうと計画した。
 2016年11月26日午後9時ごろ、甲州市に住む貴金属買取店店長の男性(当時36)宅に武井被告、横山被告、W被告が2階の窓や玄関から侵入して待ち伏せ。N被告が会社から帰宅する男性を尾行。帰宅した男性の頭や胸などを棒状の物で強打して殺害し、店の鍵1束と乗用車1台(約503,000円相当)などを奪った。27日未明、長野県南佐久郡南牧村の畑で男性の遺体を畑の所有者の重機を使い、遺体を埋めた。さらに4被告は27日午前3時ごろ、男性が店長を務めていた昭和町の貴金属買取店に侵入。商品の貴金属を奪おうとしたが、警備システムが働いて警備員が駆け付けたため、何も取らずに逃走した。
 同日午前、男性の遺体が畑で見つかり、畑から約2km離れた村道脇では、男性が仕事で使っていた車が全焼した状態で見つかった。
 甲府市の会社役員を強盗目的で襲い死亡させた罪で2018年2月に逮捕された武井北斗被告の足跡と、遺体の遺棄現場に残された足跡が似ていることが判明。さらに防犯カメラの映像や携帯電話の通信履歴から武井被告らが現場にいたことがわかった。2018年1月に東京都武蔵野市で別の強盗傷害事件を起こして武井被告とともに起訴されたW被告が、山梨、長野両県警の任意の事情聴取に対し、武井被告とともに男性の遺体を遺棄したことを認めた。
 山梨、長野県警の合同捜査班は2018年5月31日、横山被告とN被告を逮捕した。6月1日、武井被告を逮捕した。6日、W被告を逮捕した。さらに数日前に貴金属買取店などを下見していたとして強盗予備容疑で28日までにK被告(別事件の強盗致死他で起訴済み)を再逮捕した。

 他に武井被告、K被告、横山被告、N被告は2016年11月20日午後11時半ごろ、甲府市内のガソリンスタンドの事務所に侵入し、売上金など現金13万8千円が入った耐火金庫1台(1,000円相当)を盗んだ。同21日午前1時55分ごろ、同市内の車両整備会社の事務所に侵入し、金庫をこじ開けようとして失敗した。
裁判所
 甲府地裁 丸山哲巳裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年1月28日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年1月15日の初公判で、横山拓人被告は事件への関与は認める一方、「殺害するつもりはなく、被害者を殴るなど暴行をしていない」と、起訴内容の一部を否認した。
 冒頭陳述で検察側は、横山被告が武井北斗被告とW被告とともに男性に暴行したと指摘。横山被告が体当たりしたり、土木用のハンマーで殴ったりするなど、暴行に関わっていると指摘した。弁護側は、横山被告が男性と面識があると勘違いし、自宅での暴行には加わらず、外で見張りをしていたと主張した。殺意も無く、強盗致死にとどまると訴えた。
 この日出廷した証人は、武井被告から聞いた話として、貴金属買い取り店を狙った理由を証言。「武井被告が『昔、盗品を売りに行ったら通報されて検挙された恨みがある』と話していた」と述べた。  16日の第2回公判でW被告が出廷。男性への暴行は、武井被告、W被告、横山被告の3人で行ったと説明した。W被告は「横山被告が体当たりし、土木用のハンマーで胸を殴っているのを見た」と証言。検察側から「横山被告は外で見張りはしていないのか」と問われると「一切していない」と述べた。
 17日の第3回公判で武井被告が出廷。しかし弁護側から横山被告との関係を問われても「自分の裁判が終わっていないので何も話すつもりはない」と述べた。その後は「全然気分が乗らない。話すことは特にない」などと具体的な証言を拒み、5分足らずで終了した。
 同日の被告人質問で、横山被告は自身の役割について「見張りならやると引き受けた」と話し、男性への暴行を改めて否認した。W被告の証言に大しては「(計画に)誘い込んでしまったから恨まれていたかもしれない」と語った。
 22日の論告で検察側は、W被告が「横山被告を含む3人で侵入して暴行した」と証言したことを挙げ、「(W被告は)自ら出頭し証言していて、信用できる」と説明。ハンマーで執拗に胸を殴るなど暴行を加えているとし、「強い殺意が認められる」と指摘した。また横山被告が武井被告に金銭の相談を持ち掛けたことが犯行のきっかけで主導的な立場にあったと指摘し、「目的は金品であり、身勝手で悪質。ハンマーで胸を殴ったりするなど、凶悪かつ危険な暴行を加え、強い殺意が認められる。反省の情も口先だけで皆無だ」と指弾した。
 弁護側は最終弁論で、武井被告との共謀を否定。横山被告が暴行したことを示す直接的な証拠はないとし、W被告の証言も「現場の状況と矛盾し、信用できない」と指摘。被告は見張り役だったとして暴行への関与や殺意を否認し、強盗致死罪が相当だとした。
 判決で丸山哲巳裁判長は、、横山被告が武井被告とW被告とともに、男性に暴行を加えたと認定。「3人で暴行した」としたW被告の証言を「客観的事情と整合し、大筋で信用性が認められる」と判断した。一方、横山被告が「外で見張りをしていた」と主張していることについては「不自然、不合理で信用できない」と退けた。「ハンマー様の凶器で胸部を多数回殴打した」とし、殺意と強盗殺人の共謀についても認定した。そして「横山被告が金を欲して計画されたもので、武井被告とともに事件を主導し、主犯の一人」と指摘。証拠隠滅や共犯者への口止めにも触れた上で、「謝罪や反省が真摯なものとは言えない。刑事責任は極めて重く、酌量減刑する余地はない」と指弾した。
備 考
 強盗殺人などに問われたW被告は2018年11月30日、甲府地裁(丸山哲巳裁判長)の裁判員裁判で懲役30年(求刑同)判決。量刑については、共犯者の指示を受けて犯行に及び、警察に出頭して捜査に協力したとして酌量の余地があるとした。2019年5月9日、東京高裁(平木正洋裁判長)で被告側控訴棄却。
 強盗致死などに問われたN被告は2018年12月14日、甲府地裁(丸山哲巳裁判長)の裁判員裁判で懲役20年(求刑懲役25年)判決。被告側控訴中。
 別の事件で強盗致死などに問われたK被告は2019年2月28日、甲府地裁(丸山哲巳裁判長)の裁判員裁判で懲役28年(求刑懲役30年)判決。控訴せず、確定。
 主犯とされる武井北斗被告はまだ公判が開かれていない。

 被告側は控訴した。

氏 名
桜井聖哉(23)
逮 捕
 2017年12月19日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗致死、強盗致傷他
事件概要
 さいたま市の無職桜井聖哉被告と建設作業員S被告は以下の事件を起こした。
  1. 2017年12月6日午前0時40分ごろ、さいたま市中央区新都心の路上で、歩いて帰宅途中の男性(当時61)の後方からバットで頭部を数回殴って金品を奪おうとし、外傷性くも膜下出血などで全治2カ月の重傷を負わせた。
  2. 6日午前1時半ごろ、さいたま市大宮区の歩道上で、通行中の無職男性(当時72)の頭部を背後からバットで殴り、ハンカチなどが入ったバッグを奪った。男性は4週間の重傷を負った。
  3. 6日午前3時45分ごろ、新座市の歩道で通行人の自営業男性(当時58)の頭部を金属バットで殴ってけがを負わせ、現金約3万円などが入ったバッグ1個を奪った。
  4. 6日4時30分ごろ、志木市の路上で通行中の会社員男性(当時63)の頭部を金属バットで殴って印鑑などの入ったリュックサック1個(約15,000円相当)を奪った。男性は14日に死亡した。
  5. 9日午後11時10分ごろ、さいたま市桜区の路上で、徒歩で帰宅中の会社員男性(当時33)から金品を奪うため、金属バットで顔などを数回殴り、全身打撲などの重傷を負わせた。通りかかったタクシー運転手男性が見つけ、2人は走って逃亡した。
 ほかに桜井被告は2017年9月12日午前2時40分ごろ、さいたま市中央区の路上で、近くに住む男性会社役員(当時52)の顔を数回殴って現金約30万円などが入ったバッグを奪い、鼻を骨折させるなどの重傷を負わせた。

 2人は高校時代の同級生。S被告が乗用車を運転し、桜井被告が実行した。防犯カメラの映像や聞き込みなどから2人を特定した。
 県警捜査1課と浦和西署などは12月19日、1の事件における強盗致傷容疑で2人を逮捕。2018年1月11日、2の事件における強盗致傷容疑で再逮捕。2月2日、3と4の事件における強盗致死、強盗致傷容疑で2人を再逮捕。2月27日、5の強盗致傷容疑で2人を再逮捕。4月11日、9月の事件で桜井被告を再逮捕。
裁判所
 さいたま地裁 入江猛裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年2月5日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年1月16日の初公判で、桜井聖哉被告、S被告共に「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 検察側は「犯行態様が危険で結果も重大」と指摘。運転手役のS被告についても犯行を遂行する上で重要な役割とした。
 桜井被告の弁護側は「両被告は対等な関係で犯行に及んだ」と主張。S被告の弁護側は「信じやすい性格から桜井被告のうその話を信じ、事件の重大性を自覚できないままに犯行を重ねてしまった」とした。
 1月24日の論告で検察側は、「金品を奪う際、殴る部位を話し合って決めるなど、計画的で悪質な犯行。直接、強盗行為に関わってはいないが、検挙を免れるため、運転したS被告も主導的な役割で被害結果も重大」とし、「無差別的な連続強盗事件で、他に類を見ない最も悪質なもの」と指摘した。
 櫻井被告の弁護人は「無期懲役は重すぎる。行き当たりばったりの犯行で、計画性は高いものとはいえない」とし、懲役25年が妥当と主張した。また、S被告の弁護人は「櫻井被告にだまされて運転手に利用されただけ。強盗行為には直接、関わっていない」とし、懲役13年が適当とした。
 判決で入江裁判長は、「犯行を重ねる中で強い力で攻撃するなどエスカレートさせた面もあり、生命や身体を顧みない極めて危険な行為」と指摘。犯行後、速やかに合流することを考えて、携帯電話を通話状態にしていたことなどから一定の計画性を認め、「手っ取り早く金品を得るために短期間で連続的に犯行を繰り返したことから、強い犯意が認められる。被害結果も重大で、被害者の肉体的、精神的苦痛は計り知れない」とした。そして桜井被告には犯行の発案から実行行為までを担った実行犯としての役割を認め、「奪った金品など実質的な利得を独占し、その責任は格段に重い」と述べた。S被告については、車を調達して逃走を可能にしたことや連絡手段を確保したことなどから、「桜井被告が犯行を決意し実行することを心理的に後押し、分け前目当てに関与し続けた」と指摘。一方で、桜井被告の果たした役割に比べると従属的な面が否定できないことや被害弁償を行っている点などを考慮して、懲役16年が相当とした。
備 考
 S被告は懲役16年判決(求刑懲役18年)を受けた。
 ともに控訴せず、確定。

氏 名
西田市也(22)
逮 捕
 2018年8月1日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、電子計算機使用詐欺
事件概要
 岐阜県大垣市の土木作業員、西田市也被告は、滋賀県愛荘町のアルバイトの少年(当時18)と共謀。2017年6月18日、滋賀県多賀町周辺で名古屋市のパート従業員の女性(当時53)を車のトランクに入れて現金約5万円やスマートフォン、タブレット端末などを奪った上、USBケーブルで首を絞めるなどして殺害。遺体をキャリーバッグに入れて隠し、20日にはバッグごと同町内の山林に埋めた。さらに7月3日と5日、女性のパスワードなどを使って、女性のインターネット上の専用口座からビットコイン約35万円分を自身の口座に移した。
 西田被告はビットコインに関するセミナーに参加し、セミナーに関わっていた女性と知り合った。女性が参加していた事業は会員を増やすほど自分のランクが上がり、報酬も増える仕組みだったため、女性は西田被告を会員になるよう勧誘していた。西田被告が女性を滋賀県大垣市まで誘い出していた。西田被告と少年は幼馴染だった。
 愛知県警は防犯カメラの映像などから西田被告を捜査。7月30日から任意で事情を聴くとともに、西田被告の自宅や車両を捜索し、自宅からは女性のスマートフォンやかばんが見つかった。31日、西田被告の供述から多賀町の山林を捜索して土中から女性の遺体を発見。8月1日、県警は西田被告と少年を死体遺棄容疑で逮捕した。8月20日、愛知、滋賀県警は強盗殺人容疑で2被告を再逮捕した。11月10日、電子計算機使用詐欺容疑で西田被告を再逮捕した。
裁判所
 名古屋地裁 斎藤千恵裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年2月6日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年1月23日の初公判で、西田市也被告は起訴内容について「この場では無罪を主張します」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、西田被告が滋賀県内の河川敷で、共謀したとされる元アルバイトの少年に「びびるな、やれ」と指示し、少年が両手で女性の首を絞めている間に、西田被告が顔にクラフトテープを何重にも巻き、USBケーブルを使って2人で首を絞めたと主張した。また、奪ったノートなどから、野田さんのビットコインについてインターネット上の専用口座のパスワードなどを割り出し、自身の口座に移して換金したと指摘した。
 弁護側は西田被告が当時、解離性障害を発症して心神喪失状態だったと主張した。これに対し検察側は精神科への通院歴がなく、合理的な行動をしていることなどから完全責任能力があったと反論した。
 30日の公判における被告人質問で、強盗目的を認めつつ「恨みはなかった。初めて会った時に殺意が湧いた。服装や行動がむかついた」「ゲームの中の敵役を倒し、報酬が得られるような感じだった」と述べた。現在の心境について「遺族から女性を奪ってしまったという思いもあるが、エンドロールを迎えたような達成感もある」と話した。共犯の少年については「1人で殺人行為に及ぶのが心細かった」と述べる一方、「殺害しろという意味で犯行を命令したわけではない」と話した。
 31日の論告で検察側は、被告に精神障害は全くなく、事件を主導し、事前に遺体を入れるキャリーバッグを準備するなど犯行は計画性があり達成に向け合理的に行動していて完全責任能力があると主張。「落ち度がないにもかかわらず殺害された被害者の無念は計り知れない。公判での証言も責任逃れに終始している」と指弾した。
 同日の最終弁論で弁護側は、「被告には解離性障害の疑いがあり、犯行を起こしたときは別の人格であり、責任能力はない」などと改めて無罪を主張した。
 西田被告は最終意見陳述で「友人などの法廷での証言は自分が事件を考え直す上で大きなものになる。判決を真摯に受け止めたい」と述べた。
 判決で斎藤裁判長は、「精神障害の入通院歴はなく、一貫して合理的な行動をしている。動機も異常性を疑わせるものではない」と退け、完全責任能力を認めた。共犯の少年が犯行をやめるよう呼び掛けたのに断念しなかったことを挙げ「犯意は強固で、人命軽視の態度ははなはだしい」と判断。その上で「利欲的で計画性の高い凶悪な犯行。被害者の苦痛や恐怖、絶望感は計り知れず、強い非難に値する。反省が深まっているとは言えず、遺族の処罰感情が厳しいのは当然」とした。
備 考
 共犯の少年は2018年11月22日、名古屋地裁(吉井隆平裁判長)で懲役18年判決(求刑懲役20年)が言い渡された。控訴せず確定。

 被告側は控訴した。2019年5月23日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
板橋雄太(34)
逮 捕
 2013年12月7日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、窃盗、傷害、覚醒剤取締法違反
事件概要
 柏市の無職、板橋雄太被告は共犯M・K被告、A・Y被告と共謀し2013年2月22日午前6時50分ごろ、柏市に住む会社員の男性(当時31)の自宅アパート前駐車場から乗用車を盗んだ。そして逃走を阻止しようと立ちふさがった男性を殺意を持ってボンネットに乗り上げさせた上、急加速後に減速して振り落とし、頭を強打させて6日後に死亡させた。そしてM・S被告とM・M被告は盗品と知りながら男性の車を袖ケ浦市内の中古車解体作業所(ヤード)に運搬した。
 現場周辺の防犯カメラに、男性の車ともう1台の車が逃げる様子が映っており、県警は自動車窃盗グループによる犯行とみて捜査。男性の車が袖ケ浦市にあるヤード(自動車解体場)に運ばれたことを突き止めたが、車は既に解体されていた。その後も千葉県や埼玉県で自動車盗が相次いだことから、捜査線上にこの自動車窃盗グループが浮上。県警は10月15日、埼玉県春日部市で9月に起きた別の自動車窃盗事件でA・Y被告を逮捕。A・Y被告は調べに対し、事件発生時に男性の車を運転していたのは板橋被告だったと説明。県警は、現場に残ったタイヤ痕などから板橋被告が約50mにわたり車の急発進と急ブレーキを繰り返し、ボンネットに乗り上げた男性さんを振り落としたとみて、強盗殺人容疑での逮捕に踏み切り12月7日、板橋被告、M・K被告、A・Y被告(二人は窃盗容疑)を逮捕した。板橋被告は事件後、松戸市から柏市に引っ越していた。同日、M・S被告を、12月8日、M・M被告を逮捕した。
 逮捕された5人のグループは計十数人で構成され、県内や周辺の都県で自動車盗を繰り返していた。
裁判所
 千葉地裁 坂田威一郎裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年2月26日 無期懲役
裁判焦点
 2015年7月の千葉地裁での判決では、「被告が運転していたことが常識的に見て間違いないと認められるほどの証明はなされていない。被告が男性をはねた車を運転していたとするには合理的な疑いが残る」と強盗殺人罪について“無罪”との判断を示し、車を盗んだ窃盗罪を認定した。しかししかし2016年8月の東京高裁で、「運転者は被告と優に認められる」と判断。その上で「もう一度裁判員裁判で、殺意の有無を判断し、量刑を決めるべきだ」として審理を差し戻した。被告側は上告するも、2017年3月、上告が棄却され、差し戻しが確定した。

 2019年1月28日の初公判で、「私は犯人ではありません」と、盗んだ車を運転して男性を殺害したことを改めて否認した。  検察側は冒頭陳述で、現場にいた仲間2人の供述や、仲間の1人に身代わりになるよう証言協力を求める手紙を出していたとして「被告が運転していた」と指摘。はねられボンネットにしがみつく男性を振り落とそうと、急発進や急ブレーキを繰り返したことから、殺意があったとした。弁護側は、共謀して車を盗んだことを認めた上で、被告が運転していたとする仲間2人の供述は信用できず、現場での役割状況からはねた車の運転を否定。「誰が運転していたにせよ殺意の有無を争う」と、同罪について無罪を主張した。
 2月8日の論告で検察側は、正面に立ちふさがった男性をボンネットに跳ね上げ、急加速、急減速して振り落としており「死亡する危険性が高いのは明らかで、殺意があった」と指摘。現場にいた仲間2人の供述や、仲間の1人に身代わりになるよう証言協力を求める手紙を出していたことから、被告が車を運転していたとした。そして「反省の情は皆無」と断じた。
 同日の最終弁論で、弁護側は改めて殺人罪の無罪を主張した。
 判決で坂田威一郎裁判長は板橋被告が共犯者に宛てた手紙などに自分が犯人であることを前提とした内容が多く見られることや、人を殺したことを認めるような記載があると指摘。「車を運転していたのは被告だと強く推認される」と被告が殺害したと認定した上で、「自己の利益を優先し、生命軽視が甚だしい。極めて身勝手な態度は強い非難を免れない」と述べた。
備 考
 窃盗で逮捕されたM・K被告は懲役5年が確定、A・Y被告も懲役3年6月が確定している。盗品等運搬容疑で逮捕されたM・S被告、M・M被告は不明。

 2015年7月9日、千葉地裁の裁判員裁判で、求刑無期懲役に対し、一審懲役6年判決。2016年8月10日、東京高裁で一審破棄、差し戻し判決。2017年3月8日、被告側上告棄却、差し戻しが確定。
 被告側は控訴した。

氏 名
松井広志(44)
逮 捕
 2017年3月5日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、窃盗
事件概要
 名古屋市の無職松井広志被告は2017年3月1日、帰宅途中に、近所に住む夫婦の妻(当時80)から「仕事もしていないのに良いご身分ね」と声をかけられたことに腹を立て、午後8時ごろ、夫婦宅に侵入。夫(当時83)と妻(当時80)の首を包丁で刺すなどして殺害。その後、1,227円が入った財布を奪った。
 松井被告は生活保護を受けて暮らしていたがギャンブル好きで、近所のスナックや飲食店で支払いを巡ってトラブルが生じていた。事件当日は、支給された生活保護費の大半をパチンコで使い果たしていた。
 2日午前8時ごろ、近所に住む女性が夫婦宅を訪れ、発見。松井被告は4日午後6時45分頃、捜査本部のある県警南署に1人で出頭。供述に基づき県警が松井被告のアパートを捜索したところ、財布などが見つかったため、翌5日午前0時20分ごろに緊急逮捕した。
裁判所
 名古屋地裁 吉井隆平裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2019年3月8日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年2月5日の初公判で松井広志被告は、起訴内容について聞かれると、「弁護人に任せます」と話した。
 冒頭陳述で検察側は、松井被告は預貯金が425円しかなく、借金や飲食店のツケの支払いに困窮し、自宅アパートの大家や知人への借金返済のため、金があると思っていた顔見知りの夫婦を襲うことを計画、2人が殺害された結果は重大と述べた。
 弁護側は、松井被告は事件当日にたみ子さんから嫌みを言われたことに腹を立て、殺害目的で犯行に及んだとし、財布を持ち出そうと考えたのは殺害後だったとして殺人罪と窃盗罪を適用すべきと主張。事件当時は軽度の知的障害と精神障害の影響で心神耗弱状態だったとし、自首したことも挙げ「死刑を選択すべきではない」と主張した。  15日、3人の遺族が意見陳述。息子は「突然人生を閉じることになった両親のことを思うと、悲しみで胸が張り裂けそうです」と、極刑を求めた。
 同日の論告で検察側は、被告はパチンコで借金を抱えて金に困っており、2人の殺害直後に室内や車内を物色した形跡があることなどから強盗殺人罪が成立すると主張し、「金品を得るためなら人の命を犠牲にすることも顧みない態度」と批判した。完全責任能力を認めた上で、「あらかじめ包丁を準備するなど強固な殺意が認められ、真摯な反省の態度も見られない。落ち度のない2人を殺害する残虐な犯行で、最大限の非難が与えられるべき。罪責は誠に重大で動機に情状酌量の余地はなく、自首や軽度の知的障害を考慮しても極刑はやむを得ない」となどと述べた。
 同日の最終弁論で弁護側は、「殺害前に金品を奪う目的があった事情が立証されていない」として殺人罪と窃盗罪の適用を主張した。当時は心神耗弱状態で、自首による捜査進展を考慮すべきだとして、無期懲役が妥当と訴えた。
 松井被告は最終意見陳述で「大切な2人の命を奪ってしまい、誠に申し訳ありません」と述べた。
 判決で吉井隆平裁判長は、「金品目的なら広範囲を物色するのが自然なのに、バッグを物色、財布を持ち去るだけにとどめたのは不自然だ」と指摘。以前にも同様の状況があったとして「殺害してまで金品を奪おうと考えるほど追い詰められていたかは疑問だ」と述べた。さらに物色の範囲から見て、殺害後に金品を盗もうと思い立った可能性を否定できないとして、強盗殺人罪の成立を認めず、殺人と窃盗の罪を適用した。その上で「強固な殺意に基づく残忍な犯行」と批判しつつ、完全責任能力はあるものの知的障害の影響が見られる▽計画性が低い▽自首が成立する――ことを挙げ「死刑の選択が真にやむを得ないとまでは認められない」と結論づけた。
備 考
 検察・被告側は控訴した。

氏 名
清野敬史(44)
逮 捕
 2018年4月5日(窃盗容疑で逮捕済み)
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、現住建造物等放火、準強制性交、昏睡強盗、窃盗、住居侵入
事件概要
 上越市の介護職員、清野敬史被告は、次の五つの事件を起こした。
  • 2005年1月12日、上越市の当時50代の男性方に侵入し、2階の寝室のタンスから現金約4万円を盗んだ後、タンス内の衣類にライターで火をつけて、室内の一部を焼損させた。
  • 2017年12月24日から27日の間で、新潟県妙高市の一般住宅に窓を割って侵入し、タンスなどを物色した。
  • 2018年1月28日、妙高市内の80代女性宅を訪れ、女性に睡眠導入剤を混ぜたココアを飲ませて昏睡状態にさせ、ネックレス1本(時価5,000円相当)と睡眠導入剤28錠を盗んだ。
  • 2018年2月18日午後4時過ぎ、新潟県上越市のアパートに住む一人暮らしの顔見知りの女性(当時70)に睡眠導入剤を入れたココアを飲ませて抵抗できない状態にし、性交等を行った。証拠隠滅のため、女性が寝ていたベッドや玄関に散乱させたチラシなどにサラダ油をまいてライターで火をつけて一部を焼き、女性を一酸化炭素中毒で死亡させた。
     火災は午後4時40分頃に発生し、同5時に鎮火した。居室で心肺停止状態の女性が発見され、搬送先の上越市内の病院で死亡が確認された。発見時に手を縛られているなど不審な点があったことから、県警が捜査を始めた。
  • 残り1件は不明。
 清野被告は2017年12月の事件において、住居侵入と窃盗未遂容疑で2018年3月16日に逮捕された(4月5日、住居侵入と窃盗で起訴)。3月末、退職。4月5日、殺人、放火などの容疑で再逮捕された。5月31日、2018年1月の昏睡強盗容疑で再逮捕。ほかの事件も自供し、2005年1月の事件で7月9日に再逮捕。
 逮捕後の余罪捜査で清野被告は2004年〜2018年にかけて、現住建造物等放火が7件(うち1件は未遂)、建造物等以外放火が1件、住居侵入・窃盗が5件、邸宅侵入(空き家)未遂が1件を自供した。これらは送検されたが、一部を除いて起訴されていない。
裁判所
 新潟地裁 山崎威裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年3月11日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年2月25日の初公判で清野敬史被告は、起訴内容をおおむね認めたが、放火について部屋にサラダ油をまいた点については否認した。
 検察側は冒頭陳述で、清野被告は殺意を持って女性の下腹部にサラダ油をまき、枕元など3カ所にライターで火をつけたと主張。計画的で悪質、残忍な犯行だと訴えた。
 弁護側は、殺意については争わない構えを示した。ただ清野被告が「(女性が)死んでしまってもやむを得ない」と考えて女性の下腹部にサラダ油をまいたことは認めた一方、部屋にはまいていないと一部を否認した。また窃盗など一部の事件では示談が成立していることや、一つの事件については「清野被告がすすんで自分の罪について話したため、自首が成立する」と主張し、情状酌量を求めた。
 3月1日の被告人質問で、清野被告は犯行の動機について「自分の性欲を満たすためだった」と、放火については「女性の記憶や現場に残った自分のDNAを消したかった」と理由を語った。遺族に対しては「どんな判決が出ても控訴しない。それが女性に対する償いだと思っている」と述べた。この日は女性の長男の意見陳述も行われ、長男は「一番重い刑に処してほしい」と訴えた。
 4日の論告で検察側は、清野被告が事前にガムテープや睡眠導入剤を用意するなど暴行は計画的であり、女性に睡眠薬を飲ませて昏睡させた上で性的暴行し、犯行の発覚を恐れて証拠隠滅のため部屋に火を放った際には、女性が死亡することを十分に認識していたと指摘。「きわめて残虐。動機や経緯全体が被告の身勝手な欲望で埋め尽くされており、人の道を大きく外れた所業だ」と非難した。そして殺害行為の残虐性などを示し、「極めて強い非難が妥当だ」と訴えた。
 同日の最終弁論で弁護側は、女性の身体にまいたサラダ油に直接火をつけたわけではなく、焼き殺すつもりはなかったなどと主張。「清野被告が心から反省している」と主張。更生の可能性があるとして、懲役15年以下が妥当と訴えた。
 最終意見陳述で清野被告は、「これからの刑務所生活で自分を見つめ直し、償っていきたい。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
 山崎威裁判長は判決で「願望のおもむくまま犯行におよび、極めて身勝手で全く同情できない。被告人が反省していることなどを考えても、有期懲役の余地はない」と述べた。
備 考
 控訴せず確定。

氏 名
須川泰伸(40)
逮 捕
 2017年1月27日
殺害人数
 2名
罪 状
 殺人、現住建造物等放火
事件概要
 長崎県対馬市の鉄工所経営、須川泰伸(ひろのぶ)被告は、2016年12月6日午前8時半頃から7日午前7時半頃までの間に対馬市内で、市内に住む漁業の男性(当時65)の頭部を金づちのような鈍器で多数回殴って殺害。遺体を男性宅に運び、男性宅で同居する二女で市営診療所職員の女性(当時32)の頭部を金づちのような鈍器で多数回殴って殺害した。そして、男性方にガソリンなどをまいて火を付け、木造2階建て住宅288m2を全焼させた。
 男性は妻と二女との三人暮らし。妻は事件当時、県外の医療機関に入院していた。男性は漁船のエンジンの修理を、須川被告が経営する鉄工所に依頼していた。
 長崎県警は2017年1月27日、現住建造物等放火容疑で須川被告を逮捕。2月17日、男性への殺人容疑で再逮捕、3月10日、二女への殺人容疑で再逮捕した。
裁判所
 福岡高裁 野島秀夫裁判長
求 刑
 死刑
判 決
 2019年3月13日 無期懲役(検察・被告側控訴棄却)
裁判焦点
 2018年11月28日の控訴審初公判で、弁護側は「真犯人が須川被告が犯人だと装った可能性がある」と主張し、一審同様無罪を訴えた。検察側は「須川被告の犯行であることは明らかで。極めて身勝手な動機で、極刑の選択がやむを得ない」と指摘した。
 2019年1月23日の第3回公判で、弁護側から証拠調べの補足資料が提出され、裁判は結審した。
 野島裁判長は判決理由で「原判決の事実認定に誤りは認められない」と指摘。須川被告の指紋が放火に使われたガソリン缶に付着していたことなど、被告人が犯人でなければ合理的に説明できない点が複数あったと認定した。一方で「突発的に犯行が行われた可能性は否定できない」として死刑求刑を退け、無期懲役が相当とした。
備 考
 2018年3月27日、長崎地裁の裁判員裁判で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。被告側は上告した。検察側は上告せず。

氏 名
佐竹秀樹(32)
逮 捕
 2017年3月11日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 長崎県佐世保市の露天商アルバイト、佐竹秀樹被告は2017年11月10日午後7時半ごろ、佐世保市にある廃業した自動車解体会社で、元経営者の男性(当時66)から借りた15万円の返済を免れようと、包丁で背中と首を刺すなどして殺害し、事務所内にあった現金約150万円を奪った。男性は5年ほど前に廃業したが、車を担保にした金銭の貸し付けや自動車保険の代理業務を個人的に営んでいた。男性はハトレースが趣味で、会社の敷地内で知人らとハトを飼っており、当日もハトの世話をしていた。
 同日午後8時半ごろ、敷地内の未舗装の地面に血を流してあおむけに倒れている男性を、訪れた知人男性が見つけた。
 長崎県警は11日、佐竹被告を強盗殺人容疑で逮捕した。
裁判所
 長崎地裁 小松本卓裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年3月13日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年3月4日の初公判で、佐竹秀樹被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 検察側は冒頭陳述で「犯行は計画的、合理的」と指摘し、精神鑑定医も犯行当時に精神障害はなかったと診断していると主張した。弁護側は、佐竹被告は解離性障害の診断を受けたことがあり、犯行当時も障害の影響で責任能力が著しく低下した心神耗弱の状態だった可能性があると主張。佐竹被告がかつて勤めていた飲食店の雇用主から毎月金銭を請求されていたことにも触れ、「経済的・精神的に追い詰められていた」として、くむべき事情があると反論した。
 8日の論告求刑で検察側は、「債務を免れ、利益を得るために落ち度のない被害者の命を奪った」と指摘。人気のない時間帯を選んで犯行に及ぶなど行動は合理的と強調した。
 同日の最終弁論で弁護側は、佐竹被告が元雇用主から毎月約20万円を請求され、精神的、経済的に追い詰められていたと主張。「すべての責任を被告に負わせていいのか」と反論した。そして最長で懲役30年が妥当と主張した。
 判決で小松本裁判長は鑑定医の意見を基に、刑事責任能力に問題はないと判断。「反抗できない状態で逃げ出した被害者を追いかけ暴行するなど、殺害への強い意思が認められる」と指摘した。
備 考
 

氏 名
オーイシ・ケティ・ユリ(34)
逮 捕
 2017年4月23日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、詐欺、死体遺棄、旅券法違反、有印私文書偽造・同行使
事件概要
 東京に住む日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ被告は2014年3月22日午前、大阪市西成区に住む小中学校時代の同級生だった准看護師の女性(当時34)宅で、女性の胸や腹をナイフで何度も刺し、出血性ショックで殺害。現金6,000円やクレジットカード2枚を奪った。オーイシ被告は24日、女性の遺体が入った箱を宅配便で東京の自分が住むマンションに搬送した。マンションの契約期限が切れる4月下旬、便利屋サービスに依頼して八王子市のトランクルームに運び、女性のカードで使用料を支払った。他にも出国前の日用品などの購入を含め、計約12万円を不正使用した。オーイシ被告は奪った健康保険証を利用し、女性になりすましてカード6枚を新たに作成。盗んだカード2枚も含めて利用し、総額は100万円を超えて使用したとされる。
 オーイシ被告は幼いころ、家族とともにブラジルから移住。准看護士の女性の実家と家が近かった。高校生の時に家族でブラジルに帰国し、再び大阪に戻った後は、アルバイトなどをしていた。しかし、2011年ごろ、両親に「友達のところに行く」と出て行った後、連絡は途絶えたままだった。
 オーイシ被告は2011年頃から東京で同居する中国人女性の留学生がいた。留学生は上海の企業に就職が内定し、3月中旬に帰国が決まっていた。オーイシ被告はブラジル国籍で、数年前から在留資格を更新しておらず、不法滞在の状態だった。住居の賃貸契約や就職も難しく、留学生の女性と一緒に中国へ行きたくても、正規の手続きでは不可能だった。
 オーイシ被告は1月頭、フェイスブックで准看護師の女性に「友達申請」を行い、2月1日に大阪市内の居酒屋で再会していた。
 オーイシ被告は3月下旬、大阪市内のパスポートセンターで女性名での申請を行い、4月上旬に受け取りに来た。パスポートの取得歴がある人は、外務省のデータベースに顔写真などの情報とともに登録される。戸籍謄本を提出しても、顔が違えば発給は受けられないが、女性はパスポートを取得したことがなかった。
 オーイシ被告は4月まで女性のアドレスからメールを送り、生きているように誤魔化した。オーイシ被告は5月3日、中国へ向かった。
 女性の母親は、5月4日に大阪府警に相談した。府警の調査で女性名義のパスポートで羽田空港から上海へ出国した記録があった。女性のクレジットカードを発行する会社への照会で、渡航後に上海で買い物をしていたこともわかった。しかし羽田空港での防犯カメラを確認したところ、別人の女2人が出国する様子が映っていた。5月21日、大阪府警は八王子市のトランクルームで女性の遺体を発見した。送付状の依頼主欄にはオーイシ被告の携帯電話番号が記載されており、遺体の梱包物からオーイシ被告の指紋も検出された。
 オーイシ被告は5月27日、元留学生の付き添いで上海の日本総領事館に出頭し、中国の公安当局に不法入国の疑いで身柄を引き渡された。中国の公安当局に不法入国の疑いでオーイシ被告を拘束。大阪府警は死体遺棄と旅券法違反、詐欺などの容疑で逮捕状を取った。日中間には犯罪人引き渡し条約がなく、大阪府警は外交ルートを通じて身柄の引き渡しを要求した。
 2016年5月20日、中国の最高人民法院(最高裁)はオーイシ被告の日本への引き渡しを認めた。中国政府も6月に決定を認めたが、日本での取り調べは詐欺罪に限る条件付きだった。中国は自国の刑法で規定がある罪名でしか、引き渡し後の取り調べは認めなかった。中国には死体遺棄罪がないためで、事実上、殺人事件としての捜査が日本で許されない状況だった。大阪府警は6月、新たに強盗殺人容疑で逮捕状を取って交渉を継続。オーイシ被告は自分の旅券を持っておらず、引き渡し時に中国から出国できないという問題も浮上したため、日本側は夏、オーイシ被告の国籍があるブラジルに旅券発行を申請した。ブラジルは12月、オーイシ被告の旅券を発行した。中国は2017年1月16日、強盗殺人容疑での訴追を認めた。
 2017年1月25日、中国政府は上海空港でオーイシ被告の身柄を大阪府警に引き渡した。府警は航空機内で詐欺などの容疑で逮捕した。逮捕容疑は2014年4月29日、東京都内のペットホテルで女性名義のクレジットカードを使い、犬2匹の宿泊代約37,000円を支払ったとしている。3月3日、強盗殺人容疑で再逮捕。
裁判所
 大阪地裁 上岡哲生裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年3月14日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。オーイシ被告は起訴後の精神鑑定で、さまざまな人格が現れ、記憶が抜け落ちる「解離性同一性障害(DID)」と診断されている。
 2019年2月22日の初公判で、オーイシ・ケティ・ユリ被告は「どのように述べたらいいか分からず、意見は弁護人に委ねる」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、オーイシ被告はかつて同居していた中国籍の女性と中国で生活しようと考えたが、日本での在留資格が切れ旅券が取得できないうえ、約265万円の借金があったなど経済的に苦しかったと指摘。「中国へ行くのに必要な旅券と資金を手に入れるため、小中学校時代の同級生だった女性を殺害した」と述べた。検察側は、犯行時にナイフを隠し持って女性宅を訪ねるなどしていたことを根拠に、完全責任能力があったと指摘した。一方、弁護側は冒頭陳述で起訴内容を認めたうえで、オーイシ被告は日系ブラジル人3世で日本での生活に苦労し、相談できる相手が中国人女性しかいなかったと説明。オーイシ被告は記憶が抜け落ちるなどの症状が出る「解離性同一性障害」で、幼い頃から記憶が一部抜け落ちることがあり、事件当時も「犯行を止める力が著しく弱まっていた」として刑を軽くするよう求めた。
 2月26日の第2回公判における被告人質問でオーイシ被告は、事件の状況を「私に似た人が1回刺しているのを(自分が)上から見下ろしていた」と述べた。似た人物が女性を刺したのは「おなかあたりと思う」とし、そのとき女性は「立っていたと思う」と証言。一方、女性宅を訪ねた記憶は「ない」と答え、凶器とみられるナイフを事件前日に購入していたことは「思い出せない」と述べた。
 3月4日の第5回公判で、オーイシ被告の精神鑑定を担当した医師が出廷。オーイシ被告には「おとなしい」主とした人格と「大胆で冷酷」な別の人格が存在するとした上で、事件当時は主とした人格が別の人格の行動を止められなかったとした。一方、オーイシ被告は事件前日に女性殺害を一度ためらったとされるが、それについても「別の人格による判断」とした。また、一般的に別の人格が出現した際の記憶はない場合が多いというが、オーイシ被告は別の人格の記憶があるとして、「解離性同一性障害の程度は軽い」と述べた。
 6日の第6回公判における被告人質問でオーイシ被告は、「私のやったことではないと思う」と主張した。
 6日の遺族の意見陳述で、女性のの母親は「娘は被告の理不尽な欲望のために残酷に殺害され、荷物のように宅配便で送られてトランクルームに放置された。自分の命で罪を償ってほしい」と極刑を求めた。
 7日の論告で検察側は、動機について「身勝手さは際立っている」と指摘。突然別人格が現れる「解離性同一性障害」が犯行に影響したとする弁護側の主張は「当時は別の人格だったとしても合理的に行動しており、完全な責任能力があった。量刑を左右するほどの事情ではない」と述べた。そのうえで、「急所の胸などを多数回刺し、女性の苦痛や恐怖心などは計り知れない。看護師を夢見て何の落ち度もない女性から、命、将来の夢や希望を奪った」と述べた。
 同日の最終弁論で弁護側は、鑑定医の証言などから被告は犯行時は「大胆で冷酷な性格」の別人格に行動を支配され、「激しい怒りも恨みもないのに55カ所も刺した」と説明。事件当時は心神耗弱の状態で、行動を制御する能力が著しく失われていたなどと主張して有期刑を求めた。
 オーイシ被告は最終意見陳述で、しばらく沈黙した後に「悪いことをしたとは思っていないし、悪いことをしたという事実はないと思っています」などと述べた。
 判決で上岡裁判長は、被告が以前同居して親密な関係だった女性がいる中国へ渡航したかったが在留資格がなく、女性になりすまして旅券を取得することだったと動機を認定。その上で、争点だった刑事責任能力の程度を検討。ナイフを事前に準備したり、殺害後に現場の血痕を拭き取ったりしていたことを挙げ、「発覚を防ぐための行動を取っていた」と指摘。「被告が計画的で合理的に行動しており、善悪の判断能力や行動の制御能力が著しく低下していなかったことは明らか。当時は別人格だったとしても、記憶を共有して行動を制御できる状態だった」として、事件当時の完全責任能力が認められるとした。そして「他人に成り代わるという身勝手な理由で、落ち度がない被害者の命を奪った」と指弾した。
備 考
 外務省によると、中国からの身柄引き渡しは1999年に横浜市で起きた強盗事件以来2例目。

 被告側は控訴した。

氏 名
笹井政輝(37)
逮 捕
 2017年5月19日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人他
事件概要
 住所不定、無職の笹井政輝被告は、知人男性被告と共謀。2017年5月9日、広島市安佐北区に住む笹井被告の伯父で独り暮らしのアルバイト作業員男性(当時67)方に入り、笹井被告がハンマーで頭などを殴り、男性被告が両手足を結束バンドで縛るなどして金品を奪った。さらに笹井被告は包丁で頭や胸を何度も刺して殺害したうえ、現金およそ9万円の入った財布や車、腕時計などを奪った。
 別の窃盗事件で滋賀県警に捕まった男性被告が、本事件を供述。13日、広島県警安佐北署員が男性宅を訪れて遺体を発見した。15日、富山市のショッピングセンター駐車場で男性の車が発見された。広島県警は17日、笹井被告を強盗殺人容疑で全国指名手配。19日、大津市の知人女性宅にいた笹井被告を逮捕した。20日、強盗殺人容疑で知人男性被告を逮捕した。
 6月8日、広島地検は笹井被告を強盗殺人容疑で起訴。知人男性被告は殺意はなく、殺害の実行行為を行っていないとして、強盗致死容疑で起訴した。
裁判所
 広島地裁 冨田敦史裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年3月15日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年3月5日の初公判で笹井政輝被告は、「伯父さんを殺したことは間違いないが、強盗するつもりで殺したわけではない」と強盗殺人の罪を否認した。
 検察側は冒頭陳述で、事前の計画通り犯行に及んだことなどから強盗殺人が成立すると主張。弁護側は、金などを持ち去ったことは認めるものの、「被告人は被害者と3親等の親族であるから、窃盗罪は告訴がなければ起訴できない」として、告訴がないことから殺人罪のみの有罪を主張した。
 12日の論告で検察側は、「およそ1か月前から知人と話し合って道具を用意するなど犯行は計画的であり、犯行後も盗んだクレジットカードで多額の買い物をするなど犯行前後を通じて強盗目的が一貫していたのは明らか」などと主張。「犯行は執拗で残虐極まりなく、過去にも窃盗などを繰り返していることから規範意識が欠けていて、矯正は困難」など述べた。
 同日の最終弁論で弁護側は、「強盗目的は認められず、偶発的な犯行。反省の態度が認められ更生の可能性がある」などとして有期懲役を求めた。
 判決で冨田敦史裁判長は「約1カ月前から知人の男と犯行の話をし道具を用意しており、計画的な犯行」と指摘し、強盗目的があったと認定。量刑理由について、「被害者の頭部をハンマーで頭蓋骨を陥没させるほどの強い力で殴ったうえナイフなどでめった刺しにした。恩人であるおじを殺害しながらその理由を話していないなど反省が見られず、更生の可能性もひくく、酌量の余地はない」と述べた。
備 考
 知人男性被告は2019年1月22日、広島地裁(冨田敦史裁判長)の裁判員裁判で懲役12年(求刑懲役15年)が言い渡された。控訴せず確定。

 被告側は控訴する方針。

氏 名
戸倉高広(40)
逮 捕
 2016年3月12日
殺害人数
 1名
罪 状
 殺人、強制わいせつ致死、住居侵入
事件概要
 戸倉高広被告は2015年8月25日午前0時50分ごろ、東京都中野区のマンションに帰宅途中だった、アルバイト店員で劇団員の女性(当時25)を見かけ、女性の部屋に侵入。女性を乱暴しようと口を塞いで床に押し倒したところ抵抗されたため、扇風機のコードで首を絞めて殺害した。
 アルバイトを無断欠席したことを不審に思った同僚が中野署に相談し、26日午後10時頃、署員が遺体を発見した。
 捜査本部は顔見知りの犯行との疑いを強めて捜査したが、被害者の爪の中に残っていた微物などから検出された男のDNA型は、生前に交流のあった人物とは一致しなかった。捜査本部は被害者宅から半径500m圏内に住む75歳以下の成人男性に対し、任意のDNA鑑定を実施。さらに、事件直後に現場マンション周辺から引っ越しをするなどしていた複数の人物の転居先を探った。その中の1人が、戸倉被告だった。
 戸倉被告は高校卒業後に上京し、職を転々。事件当時は被害者のマンションから約400m離れたマンションに住んでいたが、被害者との面識はなかった。事件直後の8月末から福島県矢吹町の実家に戻っていた。
 警視庁中野署捜査本部はDNA型が一致したことや、防犯カメラの映像などから2016年3月12日、戸倉被告を殺人容疑で逮捕した。
 東京地検は鑑定留置の結果、刑事責任能力に問題はないと判断し、6月に起訴した。
裁判所
 最高裁第一小法廷 山口厚裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年4月15日 無期懲役(被告側上告棄却、確定)
裁判焦点
 
備 考
 2018年3月7日、東京地裁の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。2018年12月6日、東京高裁で被告側控訴棄却。

氏 名
西田市也(22)
逮 捕
 2018年8月1日
殺害人数
 1名
罪 状
 強盗殺人、死体遺棄、電子計算機使用詐欺
事件概要
 岐阜県大垣市の土木作業員、西田市也被告は、滋賀県愛荘町のアルバイトの少年(当時18)と共謀。2017年6月18日、滋賀県多賀町周辺で名古屋市のパート従業員の女性(当時53)を車のトランクに入れて現金約5万円やスマートフォン、タブレット端末などを奪った上、USBケーブルで首を絞めるなどして殺害。遺体をキャリーバッグに入れて隠し、20日にはバッグごと同町内の山林に埋めた。さらに7月3日と5日、女性のパスワードなどを使って、女性のインターネット上の専用口座からビットコイン約35万円分を自身の口座に移した。
 西田被告はビットコインに関するセミナーに参加し、セミナーに関わっていた女性と知り合った。女性が参加していた事業は会員を増やすほど自分のランクが上がり、報酬も増える仕組みだったため、女性は西田被告を会員になるよう勧誘していた。西田被告が女性を滋賀県大垣市まで誘い出していた。西田被告と少年は幼馴染だった。
 愛知県警は防犯カメラの映像などから西田被告を捜査。7月30日から任意で事情を聴くとともに、西田被告の自宅や車両を捜索し、自宅からは女性のスマートフォンやかばんが見つかった。31日、西田被告の供述から多賀町の山林を捜索して土中から女性の遺体を発見。8月1日、県警は西田被告と少年を死体遺棄容疑で逮捕した。8月20日、愛知、滋賀県警は強盗殺人容疑で2被告を再逮捕した。11月10日、電子計算機使用詐欺容疑で西田被告を再逮捕した。
裁判所
 名古屋高裁 高橋徹裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年5月23日 無期懲役(被告側控訴棄却)
裁判焦点
 2019年5月23日の控訴審初公判で、弁護側は、一審が弁護側による精神鑑定の請求を却下し、完全責任能力を認めた判決には法令違反と事実誤認があり、量刑も不当だと訴えていた。
 即日結審し、同日に判決が言い渡された。
 高橋裁判長は「精神障害による入通院の経歴がなく、犯行時の記憶に欠落もない。精神鑑定の却下は妥当だ。完全責任能力を肯認した原判決に事実誤認もない」と指摘し、弁護側の主張を退けた。量刑については「主犯として第一義的な責任を負う。共犯の知人の少年を引き込んだことも看過できない。少年との刑の不均衡はない」とした。
備 考
 共犯の少年は2018年11月22日、名古屋地裁(吉井隆平裁判長)で懲役18年判決(求刑懲役20年)が言い渡された。控訴せず確定。

 2019年2月6日、名古屋地裁の裁判員裁判で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。

氏 名
中野稚也(29)
逮 捕
 2017年12月6日
殺害人数
 1名
罪 状
 強姦致死、昏睡強盗、窃盗他
事件概要
 長崎県諫早市の自営業中野稚也(わくや)被告は、実質経営していたスナックの従業員と共謀。2017年4月8日未明、睡眠薬を混入した酒を飲ませて昏睡状態になった客の男性会社員(当時37)から約3万円を奪い、吐いた物を喉に詰まらせ窒息死させた。
 男性客は事件当日、同じビルの下の階の店にいたところ、アルバイト少女に誘われてスナックに行った。男性客はスナックを数回訪れたことがあった。
 その他、中野被告らは3月26日、スナックで客の男性(当時23)に睡眠薬を混ぜた酒を飲ませて昏睡させた上でキャッシュカードを奪い、近くのコンビニエンスストアの現金自動預け払い機(ATM)で100万円を引き出した。
 3月28日、スナックで客の男性(当時21)に睡眠薬を混ぜた酒を飲ませて昏睡させた上でクレジットカードを奪い、店の端末を使って約10万円を決済した。
 長崎県警は12月6日、強盗致死容疑で中野被告、店長の男性Y被告、従業員の女性、アルバイト少女(当時17)、建設作業員の少年(当時17)ら5人を逮捕した。27日、別の昏睡強盗と窃盗容疑で中野被告ら4人を再逮捕し、1人のアルバイト少女(当時19)を新たに逮捕した。2018年1月17日、別の昏睡強盗事件の容疑で5人を再逮捕した。
 5月8日付で長崎地検は、強盗致死容疑で逮捕されたY被告、従業員の女性、建設作業員の少年について不起訴にした。また1件について中野被告ら4人の昏睡強盗罪についても不起訴にした。
裁判所
 長崎地裁 小松本卓裁判長
求 刑
 無期懲役
判 決
 2019年5月23日 無期懲役
裁判焦点
 裁判員裁判。
 2019年5月13日の初公判で、中野稚也被告は「全て間違っています」と起訴事実を否認した。
 検察側は冒頭陳述で、「被告が経営する店での犯行。店員らに指示するなどして犯行を実行しており、利益の大部分を被告が手に入れている」などと指摘。弁護側は「他の店員との共謀の事実はなく、無罪だ」と反論した。
 5月20日の論告で検察側は、「犯行を主導しながら、反省の態度も見られない」と無期懲役を求刑。弁護側は「被告は睡眠薬を混ぜた酒の作り方を知らない」などと関与を否定し、無罪を主張した。
 判決で小松本裁判長は、「被告は犯行に及ぶかどうか判断して従業員に指示し、犯行で得た利益のほとんどを得ていた」と指摘。「被告のジェスチャーなどの指示で、睡眠薬入りカクテルを飲ませたという従業員の証言は信用できる」と無罪主張を退けた。量刑に関しては、危険性が高い組織的犯行を短い期間に繰り返したとして「違法性は非常に高く、強盗致死事件の中では最も重い部類の事案」と説明した。
備 考
 3月のこん睡強盗並びに窃盗容疑で起訴された元店長のY被告は2018年5月18日、長崎地裁(小松本卓裁判官)で懲役3年6月判決(求刑懲役6年)。控訴せず確定。
 強盗致死容疑で逮捕されたアルバイト少女は、同非行内容で長崎家裁に送致された。
 強盗致死容疑で逮捕され不起訴となった従業員の女性に対し、中野稚也被告は不当と長崎検察審査会に訴えた。2019年4月24日付で長崎検察審査会は「昏睡強盗の共犯であることを自覚しており、加担した犯罪行為により尊い人命が失われている」などとして「不起訴不当」の議決をした。

 被告側は控訴した。




※最高裁は「判決」ではなくて「決定」がほとんどですが、纏める都合上、「判決」で統一しています。

※銃刀法
 正式名称は「銃砲刀剣類所持等取締法」

※麻薬特例法
 正式名称は「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」

※入管難民法
 正式名称は「出入国管理及び難民認定法」



【参考資料】
 新聞記事各種



【「犯罪の世界を漂う」に戻る】