『スパイ暗号作戦』
解読の方法とトリック
著者:獅騎一郎
(1931年、東京生まれ。衆議院速記者養成所卒後、毎日新聞社勤務。その間、ミステリー映画のシナリオ作家として活躍。またパズル作家としての著書も多数ある)
発行:KKベストセラーズ ワニの豆本
発売:1978年6月5日初版
定価:380円(1987年11月1日 第11版当時)
スパイ界をリードする「ワニ機関」より、キミに緊急指令をつたえる。
いま、本機関は世界制覇にむけて、第一歩をふみだす。そこでα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の、極秘四大作戦を実行にうつすわけだが、ついては、ぜひ、キミの優秀なる頭脳をかしていただきたいのだ。
作戦の数は、合計54。これらをことごとく実践し、勝利した者には、本機関の諜報部員としてのライセンスを授与しよう。
――なお、本書『スパイ暗号作戦』は、昭和四十八年にKKベストセラーズから新書版で発行された『スパイ暗号ゲーム』をもとに、全面的に書きあらためたものである。
【もくじ】
作戦α 情報入手
作戦β 機密保持
作戦γ 暗号追跡
作戦δ 危機脱出
暗号を中心としたスパイテクニックの問題集。問題や解答には実在のスパイや諜報の出来事などが織り込められているため、解けない問題でも面白く読むことができる。まあ、ときどきふざけたような解答があることも事実だが。
推理クイズでも暗号が出てくるが、やはり暗号ものはスパイクイズ系の作品が充実している。そんなことを立証する一冊と思われる。
スパイクイズものは獅騎一郎の独壇場となっているが、まだまだ余地は残されているだろう。推理クイズよりも、こちらに手を出してみた方が、売れっ子になるかもしれない。本格ミステリのトリックよりも、スパイのテクニックの方が実際の社会において使い道があるはずだから。
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