須藤武雄『法医学の現場から』(中公文庫)


発行:1985.11.10



 作者の須藤武雄は、1917年群馬県生まれ。戦後、内務省に入り、1948年に科学捜査研究所に勤務する。59年、その後身の警察庁科学警察研究所発足とともに主任研究官となり、法医第一研究室長を経て、78年に退官。その間、古畑種基、浅田一両氏の薫陶を受ける。73年、警察功労賞を受賞。理学博士。日本毛髪医科学研究所長。毛髪に関する多くの著書がある。

【目 次】
 まえがき
 科学捜査とは
 指紋
 血液型
 毛髪
 ポリグラフ(ウソ発見器)
 スーパーインポーズ法
 復顔法
 法歯学
 声紋
 私の事件メモ


 指紋、血液型、毛髪、ポリグラフ、スーパーインポーズ法、復顔法、法歯学、声紋などの鑑定法の紹介ならびにそれらを利用して解決した事件の紹介。原理などの説明で難しい部分もあるけれど、概ねわかりやすい書き方をしている。実際の事件にて真相に迫っていくところが読み物としても面白い。特に毛髪のスペシャリストらしく、採取した毛髪のちょっとした手がかりから犯人像に迫っていくところは迫力がある。有名な事件といえば、大久保清事件くらいしかないのが少々残念なところだが。

 本書は『決め手』と題して1978年9月、時事通信社から出版されたものの文庫化である。

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