【目次】
「死刑」関心度チェック
Q1 日本にも死刑はあるのでしょうか?
朝廷で交わされた死刑論争
江戸時代の死刑
Q2 日本での死刑執行方法は?
スペインの絞首刑具「ガロッテ」
生き返った死刑囚
絞罪器
絞柱器
時代と文化によって異なる“残虐感”
Q3 日本では明治以降、どれほどの処刑を行ってきたのでしょうか?
元老院会議筆記−明治初年の死刑数
死刑確定・執行数年次別一覧
時代別死刑執行数
死刑反対で論陣を張った明治の行刑家たち
Q4 どういう行為が死刑の対象となるのでしょうか?
“消えた”尊属殺人罪
敗戦によってなくなった死刑罪
死刑に該当する罪名一覧
刑法改正で予想される死刑罪
“ワリ”を食った死刑囚
Q5 どういう判断で死刑は下されるのでしょうか?
死刑該当罪犯に対する一審死刑・無期判決率
死刑判決と罪名
死刑・無期適用要因
地域差がある死刑判決
死刑判決および検察控訴率
裁判官と死刑宣告
Q6 死刑囚とはどういう身分なのでしょうか?
死刑囚と拘置所
死刑囚の身分
確定囚“心情安定”のための相談状況
死刑囚の日常生活
六三年法務省矯正局長通達
死刑囚に対する宗教教誨
死刑確定者の外部交通に関する制限
信書の内容による発受信制限
Q7 死刑囚は毎日、どのような生活をしているのでしょうか?
死刑囚独居房
死刑囚の一週間
死刑囚の一日
刑務官がみた死刑囚たち
教誨師がみた死刑囚たち
Q8 死刑はどこで行われているのでしょうか?
死刑の執行場所
執行場へ向かう死刑囚
死刑執行場のある場所
東京管内行刑施設および死刑執行場変遷図
東京高裁管内死刑囚執行地別処刑数
Q9 死刑執行の時期は、どのようにして選択されるのでしょうか?
死刑の執行時期
死刑執行企案書
過去七年間の確定より執行までの期間
国会議員が考える死刑問題
死刑執行率一覧表
死刑の時効
Q10 死刑はいったいだれが、どのようにして命令を下すのでしょうか?
死刑と法務大臣の役割り
死刑執行命令書
法務大臣とハンコ1
法務大臣とハンコ2
法務大臣と死刑執行人員
Q11 死刑はいつ、だれの手によって行われるのでしょうか?
除刑日
死刑執行の立会い
“お迎え”の朝の恐怖1
“お迎え”の朝の恐怖2
Q12 死刑はどのようにして執行されるのでしょうか?
死刑執行後の手続き
死刑囚の屍体
死刑執行室
執行立会いで倒れてしまった検事
処刑屍体の後始末
死刑囚解剖記録
Q13 死刑は毎年、どのくらい行われてきているのでしょうか?
看守は上官の指揮を受け
死刑執行官は語る1
死刑執行官は語る2
Q14 死刑囚にも恩赦があるのでしょうか?
恩赦と法律
恩赦の種類
戦後の恩赦と対象人員
平沢恩赦を覆した検察
恩赦を“拒否”された死刑囚たちのその後
政令恩赦(減刑令)により無期懲役に減刑された死刑囚
個別恩赦により無期懲役に減刑された死刑囚
十年間に死刑囚一六名が恩赦出願
Q15 死刑囚に誤判や冤罪はないのでしょうか?
白鳥決定
死刑確定者の再審請求状況
免田に“死刑”を宣した五六人の判事たち
戦後の主な再審・無罪事件
戦後の最高裁死刑破棄・無罪事件
なぜ誤判が起こるのか!?
弁護士が体験した誤判の原因
Q16 死刑制度違憲とは、どういうことをいうのでしょうか?
憲法と死刑
一人の生命は全地球より重い
憲法は死刑を永久に是認していない
絞首刑は特に残虐でない
刑罰の残虐性とは他人が見ての残虐感
検察答弁には“不賛成”という最高裁判決
Q17 死刑制度存廃の争点は、どういったところにあるのでしょうか?
対論・死刑廃止について
世論調査の採り方・使い方
凶悪事件発生の年次別推移
殺人・強盗事件発生と検挙の国際比較
死刑制度に対する世論調査結果
Q18 死刑制度はいつまでもあるものでしょうか?
死刑に関する国際的な生命および条約
世界各国の死刑存廃状況
死刑廃止国リスト
アメリカ各州における死刑存廃状況と処刑方法
アメリカの死刑判決と執行数
文献案内
映画化された“死刑”
死刑廃止運動団体
収監中の死刑確定囚
最高裁継続中の死刑事件被告人
高裁継続中の死刑事件被告人
付録“法務大臣に励ましのおたよりを”セットの正しい使い方
あとがき
村野薫は出版社勤務を経て現在フリーランサー。事件もの、被差別問題、死刑問題に関する著作が多い。
あとがきにも書いているが、本書は村野薫編『日本の死刑』(柘植書房)のII章「Q&A」部分を中心に、まだ死刑は必要と考える人たちのために新たに編み直された普及版である。当時柘植書房から出ていた「面白読本」シリーズの一冊である。
この本が出たときは、ちょうど死刑が執行されない空白の3年間であった。あとがきにも、左藤恵法相(当時)のところに、ある死刑囚の死刑執行命令書が手元にまで上がってきたことが書かれている。この頃は、死刑廃止の可能性が高まっていた時期だったんだなと、時代を感じさせる一冊でもある。
もし探すのであれば、本書よりも前著の方が資料としてもそろっているので、そちらを選ぶべきである。
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