年報・死刑廃止編集委員会編『年報・死刑廃止2021 アメリカは死刑廃止に向かうか』(インパクト出版会)

発行:2021.10.10



【目次】

金平茂紀・庄司香・安田好弘・岩井信(司会) 巻頭座談会・アメリカは死刑廃止に向かうか
追悼・免田栄さん
聞き手・岩井 信/構成=深瀬暢子 元冤罪死刑囚・免田栄さんに聞く
甲斐壮一 免田事件資料の保存と資料集出版
徳田靖之 菊池事件 国民的再審請求権の意義とその可能性
小川秀世 袴田事件の差し戻し決定
黒原智宏 「償いの色鉛筆、取り上げないで」 色鉛筆訴訟報告
2020-2021年死刑をめぐる状況
中川英明 パンデミック下の死刑 死刑廃止に向けた国際的動向
太田昌国 死刑・戦争・天皇制 死刑廃止国際条約発効30年にあたって
永井美由紀 告知当日の死刑執行は違憲国賠訴訟傍聴記
小川原優之 死刑廃止をめざす日本弁護士連合会の活動報告
中村一成 「裁き」の闇と光 死刑映画を観る
太田昌国 「『差別と分断』のなかの死刑制度」開催にあたって 第10回死刑映画週間東京

第10回死刑映画週間東京
可知亮 ゲストのトークから
太田昌国 執行数と速度が増す中で 「死刑囚の表現」の現在 第16回死刑囚表現展を終えて

死刑囚表現展2020
前田朗 死刑関連文献案内 二〇二一年
菊池さよ子 死刑判決・無期懲役判決(死刑求刑)一覧


死刑廃止運動にアクセスする

死刑を宣告された人たち

法務大臣別死刑執行記録

死刑廃止年表2021


 毎年10月10日の死刑廃止デーに発行される「年報・死刑廃止」の2021年度版。編集委員は石塚伸一、岩井信、可知亮、笹原恵、島谷直子、高田章子、永井迅、安田好弘、深田卓(インパクト出版会)。
 巻頭座談会は2021年8月2日に行われたもので、ニュースキャスターの金平茂紀、学習院大学教授でアメリカ政治専攻の庄司香、弁護士の安田好弘によるもの。バイデン大統領が誕生し、死刑廃止州が増えている状況を踏まえ、アメリカの死刑の問題について語られている。やはりアメリカの死刑問題は人種問題と絡んでおり、そこが今の日本と違うところであるので、簡単に同列に考えるわけにはいかない(日本でもなかったわけじゃない)。トランプ大統領のときと比較すると、アメリカの複雑さがよくわかる。
 しかし、バイデンが元々は死刑制度賛成、しかも「強化」の立場だとは知らなかった。民主党は2016年に死刑廃止を党綱領に入れているのに。
 確かにこの頃、アメリカの死刑は減ってきて、いずれ死刑は廃止されるかもという気はしていた。そうすると日本も、死刑を廃止する流れが出てくるのかな、とは思っていたのだが。

 戦後初めて死刑確定後に無罪が確定した免田酒さんが2020年12月5日に亡くなったことから、追悼企画が組まれている。
 最初の面談は、2013年10月12日に行われた公開インタビューを掲載。さらに資料集出版の話が書かれている。

 他に菊池事件で205人の市民が再審開始を求める請求書を提出した話、袴田事件の再審開始取り消しに対する最高裁の差戻し決定、奥本章寛死刑囚の色鉛筆訴訟について語らている。

 「2020-2021年死刑をめぐる状況」は毎年入っている現況報告。死刑廃止国際条約発効30年ということで触れられているが、「死刑は廃止し得ても、戦争は続ける国家」についても触れられているが、詭弁が多い。
 2020年12月25日、第四次再審請求中に死刑が執行された河村啓三死刑囚の弁護人三名が国賠訴訟を大阪地裁に提起したことから、傍聴記がスタートしている。

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