1984年から1995年までの12年間に、最高裁の判決で死刑が確定した全43件について、「死刑の理由」が述べられている。なぜ裁判所は死刑という判決を下したのか。似たような事件では無期懲役だったのに。死刑と無期懲役の境界線はどこなのか。死刑を考える上で、なぜ裁判所が死刑という判決を下したかを知る必要がある。でなければ、死刑という制度について議論を進めることは難しいだろう。
この本は、あくまで資料である。しかし、死刑を考える上で、必読の資料である。どのような「罪状」で死刑になったのか。裁判所はどのような判断を下したのか。ただ新聞記事で「死刑」という結果を見るだけではなく、その過程を知るためにも重要な一冊である。
<リストに戻る>