犯罪心理研究所『20世紀名言集 大犯罪者篇』
(情報センター出版局)


発行:2001.1.18



 どれだけ人類の知的水準が向上し、どれだけ文化が洗練されようとも、決して絶えることのない犯罪の影。いや、それは無くなるどころか、ここへきてますます凶悪化、多様化の一途を辿ろうとしている。快楽殺人や少年犯罪、ハイテクがらみの犯罪などは、いずれも20世紀における“負の発明品”と呼ぶべきものだろう。犯罪の視点から20世紀を振り返るとき、人はあまりの凄惨さと不可解さに、戦慄をおぼえるに違いない。(はじめにより)

 この本は、過去の犯罪報道、専門書、インターネットに至るまで、あらゆる資料を丹念に収集し、本書はその中から20世紀を代表する犯罪者たちの名言を厳選したものである。
 人は誰もが負の心理を持っている。それを包み隠して生き、営んでいるわけだ。しかし、包み隠すことが出来ない人たちがいる。その境界線を越えた人たちが犯罪者である。計画的に越えた人がいるかもしれない。確信ゆえに、狂気ゆえに、偶然ゆえに、貧困ゆえに、恐怖ゆえに、知的興味ゆえに、性衝動ゆえに……色々な理由があるだろうが、彼らは境界線を越えてしまった。しかし、彼らも人間であり、言葉を喋るのである。
 犯罪者たちの言葉を聞くと、我々は時に首をひねり、時に同情し、時に憎悪を感じ、そして時には恐怖を感じる。いつ我々は境界線を越えるか分からない。犯罪者を知ると言うことは、人間を知ると言うことなのだ。だからこそ我々は、犯罪者たちの言葉に耳を傾ける必要がある。彼らを知るために、そして境界線を越えないがためにも。
 本書は日本、世界の有名な犯罪者99人の名言が収められている。犯罪者や事件のプロフィールも紹介されており、犯罪者名鑑としても活用することが出来る。

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