大塚公子 『死刑囚の最後の瞬間』
(角川文庫)


発行:1996.6.25



 1992年にライブ出版より刊行された「あの死刑囚の最後の瞬間」を解題して、文庫化したもの。
 死刑執行は秘密裏に行われる。現在でも、執行自体しか公表されていない。そんな死刑囚の最後の瞬間を詳細に取材したこの本は、死刑囚がどんな気持ちで死刑に臨むのか、そして死刑囚はいかに改悛しているかを記録している。死刑囚は凶悪なイメージしか持たれないが、実際の死刑囚は必ずしも凶悪というわけでなく、事件を反省しているという姿が見られる。もちろん、収録されている13人全てが事件を反省しているというわけではないが。特に、腰を抜かし、引きずられながら刑場へ向かう大久保清元死刑囚の姿は、哀れとも言える。
 ただ、大久保元死刑囚は毅然として執行されたという資料もあるので、いったいどこまでが本当なのかわからないし、確かめようもない。

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