作品名 | ツィス |
初 出 | 1971年4月、河出書房新社より書下ろし刊行。 |
粗 筋 |
二点嬰ハ音(ツィス)が聴こえる。いたるところで、いつも聴こえる。耳鳴りだろうか? ひとりの若い女性の訴えから始まったこの奇妙な公害事件。この耳障りな音は、はじめ緩慢に社会を侵し、やがてマスコミの報道とともに急ピッチで拡大、ついに首都圏は一大パニックに陥る……。 (粗筋紹介より引用) |
感 想 | 音によるという集団パニックSF。前作『マイナス・ゼロ』に比べると、実際にあるかも知れないと思わせるようなリアリティのある作品。まず「音」に着目した点が素晴らしいし、パニックの度合いが徐々に高まり、一気に掛けのぼっていく様の筆致も素晴らしい。アイディアとどんでん返しという点では前作に敵わないものの、地に足ついた作品という意味ではこちらの方が上かも知れない。個人的にはこの結末、好きである。 |
備 考 | 1971年上半期、第65回直木賞候補作。 |